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雑文(33)「コドモブルー」

 リビングのテーブルの上には書き置きと共に昔おやつの時間によく食べたミニドーナツが数個と、これまたおやつの時間によく飲んだオレンジジュースが置かれていた。
 席につき、わたしは個包装を破いてミニドーナツをかじる。オレンジジュースを飲んで、カーテン隙間から差し込む陽光に包まれながらぼんやりする。
 書き置きにはこうあった。

 ママは24時間、「コドモ」になりました。ぼくのママであってママじゃありません。安心してください。家事洗濯はぼくたちがやります。きょうはママは、「コドモ」なんです。だから遊んでください。なにをしたっていいんだよ。だって、「コドモ」なんだから。

 ママいつもありがとう。
 
 ぼくとパパより

 わたしは風に揺れるカーテンを眺めながらやはりぼんやりした。きょうは快晴らしい。なにをしようか。きょうわたしは、なにをするんだろうか。
 わたしは穏やかに笑った。
 久しぶりに。
 コドモブルーか。

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