別に自分を犠牲にしている訳じゃない
保護猫出身のぽてとをお迎えして、もうすぐ1ヶ月になろうとしている。
私がSNSで心配なことだったりしんどいことをつぶやいたりしていたからか、なんでそんな猫のために自分を犠牲にしてるの?みたいな温度感の知人がいたり、もっと楽な方法あったんじゃないの?という人がいたり、そんな猫だってわかっててトライアル断らなかったの?と聞かれることもあった。
でも、そう言われるたびに、私の認識と外部から思われてることがこんなに解離してるんだなっていうことにちょっとびっくりした。
私は今、ほぼ24時間ぽてとと過ごしていて、彼がお昼寝をする3時間前後の休憩以外は何かしらの要求をされていたり、ぽてとがいつもあとをついてくる。
こう書くと、確かに1日の大半を猫とつきあっていることになるけど、私は自分を猫のために犠牲にしてるつもりは全然なかったから。今も、決断したときもそう。
まずぽてとの2週間のトライアルを経て、この子を迎えようと決意した理由をちゃんと述べておきたい。
そもそも私は、私の生活に馴染んでくれる猫さんをお迎えするつもりで、保護猫カフェに通い、譲渡会に通い、
保護団体さんにトライアル前に色々質問をしたりしていました。
私の中でのお迎えする条件は、
夫婦が手に終える範囲の健康体であること
トイレが一人でしっかりでき、粗相をしないこと
在宅時間が私より短い夫にもなつくこと
来客を極度に怖がったり威嚇しないこと
体や顔を人間が触れてもある程度許容すること
言葉にするとこんな感じでした。
この条件にあった子を探すために、結果的に保護猫カフェと言う場所は最適でした。
長く滞在すると、粗相をする子がわかるし、夫を怖がらず遊んでくれる子がわかるし、スタッフの方から性格や健康状態を聞くこともできました。ある程度、ねこさんの体に触れることもできたので、治療やお世話の際に体をさわらせてくれるかどうかも判断することができました。
そういった目線で見て、ぽてとはとても条件にぴったりな猫でした。物怖じしないし、夫についてまわってもっと遊ぼうと要求してくるほどオープンマインドだし、熟睡していた時は体をさわっても何も気づかないようなありさまでした。
また、猫カフェと言う場所は常に知らない人間が入れ替わり立ち替わり来るので、とても人慣れしてる子が多かったように思います。猫さんの性質を見るのにもいい場所でした。
私は今まで外部オフィスを借りたりしていましたが、これから自宅で仕事をすることが増えるので、自宅に人を招く機会が増えると考えていたので、それに慣れてくれそうな子を探すのにとても判断しやすかったです。
なので、私たちはただの感情や直感を信じてぽてとを選んだわけではなく、それなりの計算と条件の設定をした上で条件に合うぽてとを選んだので、トライアルに来た時点で7割くらい心は固まっていました。
そしてトライアルが始まって、ぽてとはこちらが見極めた通り、初日からよく夫婦になつき、物怖じせず自宅にも慣れ、何よりトイレトレーニングの必要もなく自分だけでしっかりトイレできる子でした。爪とぎ以外の場所で爪を研ぐこともほとんどなく、歯磨きや爪切りも問題なくさせてくれました。
想定より大変だったことは、ぽてとが想像以上に食欲や遊びへの執着が強く、カフェで見たときほどお昼寝せず、遊びたい、食べたいの要求が凄かったことです。遊びに関しては苦労しましたが、少しずつぽてとも一人遊びの時間が増えてきて、私たちもぽてととの遊び方や効率のいい遊ばせ方がわかってきたので対応できる範囲でした。
食欲に関しては、人間の食事を食べたがるのが一番危険で不安視していますが、人間の食事中にテーブルに上ったらケージに入れるというルール付けで対応できるようになりました。
あとは甘えが強く、なでてほしい、自分を見ていてほしいという要求が良くありますが、なでることは私も大好きなので、癒しタイムにさせてもらってます。ずっとあとをついてきて、にゃーにゃー構ってと鳴いて、行動を制限されるのは困るし疲れることもありますが、ストレスになるほどのことではないかなと思ってます。ぽてとかわいいな~という気持ちの範囲内で、おさまる疲れかなと思ってます。
まだまだ生活しながらお互いわかっていったり、バランスを調整したり、全然これからの余地があるかなと思っています。
何より、そもそもの大前提として、生き物を家族に迎えて向き合いながら暮らすことって楽なことではないと思うし、条件に合う子が現れるまでチェンジし続ける、ということはできないんじゃないかなと思うんです。
私は人間の都合にベストマッチだから猫を飼った訳じゃなくて、新しいねこの家族がほしかったからお迎えを決めたわけで。
人間が猫のために犠牲になる必要はないとは思うんですけど、猫に長生きしてもらうために、他の人に迷惑をかけないために、私たち家族の生活をよりよくするために、やっぱり最初の数ヵ月はかなり努力が必要だと覚悟していたし、まだ子猫なので健康状態は繊細に観察したいと思っていました。
トライアル時は本当に些細なことで心配になっていたので、私の表現が重かったのかもしれないですが、でもそこまで気にしちゃうことって新しく家族を迎えるならありうることなんじゃないかな?って私は思うんです。
だから、なんでそんな自分を犠牲に?と言われても、私は猫を家族にしたかったから、別に犠牲とかじゃなく必要なことを今してるだけ。というつもりでした。
1歳になったら猫は成猫なので、ぽてとも大人になったら何らかの変化があるだろうし、去勢済みなので今より大暴れと言うこともないのかなと思ってます。
なのでこの大変さも今だけだろうと思っているし、外出ももっと長くできるようになるだろうし、健康に気を遣うのも、1歳を区切りに少し気は楽になるだろうなと思ってます。
人間のために猫をむかえてる、という意味でどの猫飼いさんもかわらないのかもしれないけど、
私は自分が望んでぽてとをお迎えしたので、ぽてとのことが頭の大部分を占めてる現状が、犠牲だとはあんまり思ってないです。ずっと大部分のままということもないかなと思うし。
ぽてとはすごくやんちゃなので、他の人に話すときも大変だ~というノリで話してはいますが、我が家はそんなぽてとと今生活を作っている最中で、その経過も楽しんでいるし、私はそのうちいい感じの地点に着地するんじゃないかなって冷静に楽観的に考えてます。
でもでも、我が家に遊びに来てくれた方が、キッチンに自作した頑丈な侵入防止柵を見て、餌がほしいあまり柵に顔をめり込ませるほど鳴き続けるぽてとを見て、遊びで気をそらしてくれたり、食卓に上がらないようおさえててくれたりするの、めっちゃ助かってます😭
猫を通して人の厚意のありがたさも日々すごく感じるので、やっぱり犠牲とかじゃなく、ぽてとを家族にして振り回されてよかったです。
関係ないですが、夫はぽてとにいつも兄貴分みたいな口調で語りかけてるので、もっと赤ちゃん言葉とかになるかと思ってたので意外でした。
最近ツボだったのは、
「君がルールを守れないから、こうして自由を奪われてしまうんだよ」と、食卓テーブルに上って人間のものを食べようとしたぽてとをケージに閉じ込めて、夫が教師のように説教していたことでした。
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