『真夏の方程式』感想🎞

『沈黙のパレード』を見る前に、時系列順で見れる物は見ておこうという魂胆。

『容疑者Xの献身』もそうだったが、内容はミステリーというよりも、「人間そのもの」といった印象。
作者は「人間はどこまで残酷になれるか」をテーマに書いていたりするのか?

『容疑者Xの献身』は石神に文句はあれど、事件に関する重要な点に違和感を感じ無かったが、『真夏の方程式』はその点が疎かであり、面白い展開も無いので終始見ていてつまらない。

その違和感とは「元ホステス殺人事件」の動機である。
二つの事件が交差する物語を作る事は難しいと思うが、写真を奪われただけで殺意を抱くに留まらず実際に殺してしまうなど、正気の沙汰ではない。
それを自然に見せたいならば、成実を事件以前から問題児で素行の悪い子供とするか、衝動と殺害方法をより違和感無く結び付けるべきだろう。
おそらく仙波に庇い立てさせる為に物証の残る殺害方法にしたのだろうが、そのせいで成実の動機が浮いてしまう為、気になって仕方が無い。

また、これは『容疑者Xの献身』の感想でも書いたが、自分の大切な人の罪を隠す事は、ただ自分がその人間を思い通りにしたいだけだろう。
大切ならば何故罪を償わせない?
その上、大切な人を思い通りにしたいが為に何も知らない子供を利用し、他人の命を奪った。

殺人が綺麗に描かれて欲しいとは思わないが、身勝手で、大切な人を守る為なら誰かを殺しても良いと考えるような犯人は、もうウンザリだ。

暗い話が嫌いな人はおすすめしない。

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