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イギリスの教育制度#1

日本でも小学校一年生から外国語の時間があり、2018年には文部科学省の委託を受けIB教育コンソーシアムが設立されています。間違いなく日本の教育はグローバル化してきています。しかし、まだまだ日本の義務教育の良さもあって、それ以外の教育制度に積極的に乗ろうという人は実際には少ないのではないでしょうか。そもそも、日本以外の教育制度がどういうものなのか知らない人も多いのでは。今回からは我が家にゆかりのあるイギリスの教育制度について紹介していきます。

我が家の教育背景

私(日本人)ギリギリ30代
埼玉県生まれ
埼玉の私立幼稚園3年(地元の近所の子たちが多く通っていたところ)
地元の市立小学校
中学受験(四谷大塚日曜教室と山田義塾)を経て都内私立女子中高一貫校
中学卒業後高校には進まずに、イギリスに単身留学
Sixth Form Collegeで12&13年生 A-levels 5教科
Gap Year
ロンドン大学の医学部

夫(英国人)ギリギリ30代
ロンドン生まれ
ロンドンの私立 preschool
ロンドンの私立primary school
香港の私立international secondary school
United World CollegeでIB
ロンドン大学でBScとMSc
オックスフォード大学でDiploma

子どもたち(小学生3人)
日本生まれ日本育ち
認可保育園→私立幼稚園→市立小学校(母と同じところ)

この時点で???となる用語がいくつか出てきていると思いますが、少しずつ紐解いていきたいと思います。

イギリスの義務教育期間

日本では小学校6年と中学校3年で、高等学校も義務化しようという動きがあったりなかったり。イギリスの義務教育期間は5歳から16歳の11年間です。primary shoolが6年にsecondary schoolが5年です。その後2年間のsixth form collegeがあり、大学進学希望者のみが通います。sixth form collegeではAdvanced-levelという統一試験を受けるのがスタンダードですが、IBを選択することができるところもあります。

Primary School
5歳になる年から入学します。日本では住所によって通う小学校が決まりますが、イギリスもそれとほとんど同じような制度です。日本の給食の制度はないので、packed lunchを持参します。サンドイッチ&ポテチ&りんご1個(皮はむかずに洗わずに丸かじりします)がスタンダードです。日本では在籍していれば6年後に卒業できますが、イギリスでは二つの試験があります。Year2の終わりにKey Stage1の統一試験、Year6の終わりにKey Stage2の統一試験があります。その試験に合格しないと留年します。イギリスでは年齢はあまり重要ではなく、到達すべきポイントに至ったかで学年が決まるのでYear2の学年に5歳から8歳ぐらいまでにこどもがいてもおかしくありません。また、イギリスの義務教育は「親が子供に教育を受けさせる義務」という側面も強いので、正当な理由なしに子供を休ませるのはNGです。正当な理由は①医療機関の受診②家族の不幸③宗教上の行事などです。ちなみに家族の結婚式や休暇などはNGです。正当な理由なしで年に5日以上休んでしまうと、親は罰金を請求されることになります。

Secondary School
11歳、Year7からYear 11までの5年間です。Secondary Schoolは公立校でも、地域の選抜なしで進学できるものと、地域の選抜で選ばれたものだけ進学できるGrammer Schoolというものが存在します。Year7から9をjunior years, Year10と11をsenior yearsと呼んだりもします。Year9でKey Stage3の統一試験があり、Year 11でGCSEsという統一試験を受けます。イギリスではGCSEがみんなが取得していないといけない”academic qualification"になります。イギリス大学願書にUCAS formというものがあるのですが、そこにもこのGCSEsの結果を記入することになります。教科としては9から12教科ほど取得することになりますが、英語、数学、化学・生物・物理の中から2つ、歴史か地理、外国語は選択していなくてはなりません。

通常GCSEsは16歳で取得します。イギリスでは16歳で大人の扱いになり、guardianshipが不要、結婚、喫煙、車の運転などが可能になります。(選挙権は最近まで21歳でしたが、2006年に18歳に引き下げられました。飲酒は18歳です。)イギリスでは義務教育期間が終わると「大人」としての扱いがはじまります。16歳もしくは18歳の時点で親とは別家計になり独立するイギリス人も少なくありません。

次回は私が経験したYear12から13年生のA-levelsについてお伝えしていきます。

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