「あとのラジオ」 雨水から啓蟄へ

担当するFMラジオ番組 Radio BREATH OF EARTH   
二十四節気、雨水から啓蟄の回「あとのラジオ」

番組オンエアで紹介した内容や、触れられなかったことなどをまとめていくブログとして。思い出したり気付いたら編集する公開の原稿のような感じで書いています。通常の歳時記や季節の話の他、そこから派生する食や身体のことなども少し調べてみた上で、自分の感覚ではどんな季節感なのか、小さな思い出や日常を交えつつ、まとめながら。再放送のタイミングで投稿していきます。
よければお付き合いください。

番組のオンエア自体は以下のタイミングです。
リンクやプロフからブラウザにてお聞きいただけます。のでよかったらどうぞ。

WebSites Radio → https://suzume138.wixsite.com/kazemeguru/radio

放送日
2024・3・1  草木萌動す(雨水)本放送
2024・3・8 蟄虫戸を開く(啓蟄)再放送


草木萌動す(雨水)本放送

冬枯れの野山や木々に、薄緑色の小さな息吹が現れる時期。草木が芽を出し始めることを「下萌(したもえ)」「草萌(くさもえ)」植物にとってひと雨ごとに春が来る頃。この時期に降る雨を「木の芽起こし」とも言います。植物が花を咲かせるための大切な雨で、木の芽が膨らむのを助けるように降ることから、その呼び名に。ほかにも「木の芽晴れ」「木の芽冷え」「木の芽風」など、人々は草木の若芽と天候の移ろいを深く結びつけていたようです。

イラストで楽しむ日本の七十二侯
中経の文庫

しだいに和らぐ陽光の下、草木が芽吹き出すころ。冬の間に蓄えていた生命の息吹が外へ現れ始める季節。ふと気づけば道端に咲いている名も無い花に芽おむけるほどに、古来自然と人は近しく暮らしてきました。雨水も真っ向となるっと春の気配が増し、草木の息吹をそこここに感じてきます。

ののはな 谷川俊太郎
はなののののはな
はなのななあに
なずななのはな
なもないのばな

日本の七十二侯を楽しむ
ー旧暦のある暮らしー

初春の寒さから雨が降り、湿気が入って体の潤い。土は湿り。雨の間では太陽が豊かになってきて暖かさもやはり増してる。草木の芽が出てくるのも、うなづける。でも半面では雨が冷たい時もあったり、急な寒の戻り、「どこかで雪が降っている」などと感じるほどの寒さもあったりします。そんな中、何かの花が咲いているとか。緑の小さな芽が伸びてきている。とか、雨に雨粒に気づかないうちに伸びた草の小さな葉が揺れている。とか。

僕は、育てている野菜の苗のいくつか。太陽が出た日はたっぷりお日様を浴びてもらって、風が冷たい時は少しだけ雨風が避けられるように工夫したりしてます。
ヒトも同じかもしれないですね。畑の方、自分の環境といつものやり方では、直播はしないので苗を伸ばして植え替えます。もう少し伸ばして、植え付けしようかなぁ〜

湿気は身体にも変化を与えてくれてる気がします。肺、皮膚、粘膜。水分はいろんなところに影響を与えているなぁといつも思います。そう思うほど乾燥(冬?)と潤いというのは自然と季節で変化することに、身体も対応しようとしているように思うものです。合わせて。感覚の開放と思考のスピードと考える領域も変わるように僕は感じてます。(まるで植物みたいですね。。)

あとは、雨の降り始めは堆積していたホコリを少し浮かせる。舞い上がって。
それがくしゃみしたり、ムズムズしたり。でもそれってある程度は自然のことなのかなと思ったり。くしゃみを整体と捉える考えかたもあるものね。

立春頃の少し固くて重く眠たかった感覚から、だんだんにエネルギーが蓄えられて、活動的になってくる。まさしく伸びてきて、やることも増えるけど、それがこなせるようになってくる。潤って満ちてゆく。そんな感覚です。実際に僕もギターを弾く指が冬の間よりも明らかに稼働範囲が広がってだんだんに動くようになってきます。ただし。まだ寒い日がある。あまり調子を上げ過ぎると少しイマイチ。
だから少しづつ温めていく。(木の芽。植物の成長みたい)
皆さんはどんな感覚で過ごされてますか??

啓蟄

啓蟄とは、陽気に誘われ、土の中のむいが動き出すころのこと。一雨ごとに春になる、そんな季節の気配を感じながら

日本の七十二侯を楽しむ
ー旧暦のある暮らしー


この時期の言葉で気になるところ。虫について
啓蟄は虫たちが動き始める時期ということで覚えていて、実際にそうなのだろうけれど、言葉の色々を調べていくと、もしかしたら他にも動き出している出来事があるのかもしれないなどと思います。


この時期の食や養生

さてこの時期、漢方だと「肝」を労るとよく出てくる。

では「肝」とはなんだろ?
血を貯蔵し、血流量をコントロール。臓腑の生理機能がスムーズに働くよう調節している。自律神経にも作用し、肝が弱るとイライラや不安、下痢や便秘など様々な心身の不調が起こる。

へー。となるんだけど。
調べてみると「肝」を労るって時に何が効果的なのかといえば「目」ということがよく出てくるみたい。

それで「肝」と「心」は母子の関係にあって、「肝」が弱ると「心」も弱くなる。

では「心」とはなんぞや??

血を身体中に巡らせるポンプとして働くほか、精神を安定させる作用も。
心が不調になると、動悸や息切れ、脈が飛ぶなどのトラブルも。
全ての臓器を統括する役絵もあり、「心」が弱ると全ての臓器の機能が低下する。

あら。大変。
えー。でもそしたら逆にたどったら。「目」を労ったら「肝」が楽になって「心」にも良い?ということで良いのかな。

夜遅い。スマホ。。。やめてみよう〜笑
別の本で読んだことがあるのは22時以降のブルーライトは睡眠時の脳のOFFを阻害するらしいんですよ。夜はスマホ触らないほうがよさそうね。。
この時期だけでも。


この時期の食材

そんなこの時期の食材に出てくるのが。やはりまだ続く苦味のあるもの。
レタス、菜の花、ふき、クレソン、ワケギ、アシタバ、セロリ、ハマグリ、グレープフルーツ、文旦、甘夏、柑橘類、米、芋

この時期起こりやすい不調

  1. 情緒不安定。前述の「肝」→「心」から情緒不安定、体に熱がこもって寝付きが悪くなる。など。現れやすい。「心」に良いのは苦味。山菜。適度な苦味がこもった熱を冷まし、心を落ち着きやすくしてくれる。また柑橘類の気の巡り。リフレッシュの効果抜群。脱線しますが先日いただいた文旦の皮(白いところ)とっても苦いんだけど。調べてみるとめちゃくちゃ体に良いそう。(これは後日加筆修正してみます。)

  2. エネルギー不足。これは自分も実感があるんですが、この春の木の芽起こる時期は伸びよう伸びようとして猛烈にエネルギーを消費していうように感じるんです。「動きたいのに」「やることいっぱいあるのに」と感じるのにやりきれなかったりすると歯痒い。元気が出ないと感じた時は、米、芋、自然な甘みを備えた食材が良いそうです。優しい甘さが、心と体を癒して、エネルギーを付けてくれる。




蟄虫戸を開く(啓蟄)再放送

春の陽光に誘われて、冬眠していた虫たちが地中から動き出す季節。「戸を啓く」と書いて土の中から出てくる様子を表しています。蟻などの昆虫も、蛇などの爬虫類も、蛙などの両生類も、すべて「虫」。昔は人の体の中にも虫がいると考えられていました。「腹の虫がおさまらない」「虫の居処が悪い」「虫が騒ぐ」などの慣用句もその名残りで、体の中にいる虫が、心の奥の意識や感情を操るものだと思っていたようです。

イラストで楽しむのほんの七十二侯
中経の文庫

岩走る垂水の上のさわらびの
萌え出る春になりにけるかも
志貴皇子
「雪解けの水が岩からほとばしる滝のほとりに、
わらびが芽を出す春が来たんだな」

万葉集の巻八を開くと、春雑歌からはじまります。
そこには野の草花を見つめ、春の到来をよろこぶ歌が並びます。
なぜ古の人は、自然の生き生きとした姿に触れるたび、歌を詠んだのでしょう。
暖かな日差しに、心もまた動き出すように。

日本の七十二侯を楽しむ
ー旧暦のある暮らしー
東邦出版

Wikipediaだけど。少し調べてみると。面白い項目を見つけたりします。

  • 虫という漢字の由来は、ヘビをかたどった象形文字で、本来はヘビ、特にマムシに代表される毒ヘビを指した。 読みは「キ」であって、「蟲」とは明確に異なる文字や概念であった。 蟲という漢字は、もとは、人間を含めてすべての生物、生きとし生きるものを示す文字・概念であり、こちらが本来「チュウ」と読む文字である。今日 きょう は「 虫 むし 」という 漢字 かんじ を 取 と り 上 あ げます。 現在 げんざい では、「虫」は 昆虫 こんちゅう の 総称 そうしょう ですが、 昔 むかし は「虫」は 蛇 へび で、マムシのことを 言 い いました

  • 」という漢字は、何故偏(むしへん)なのか。 「」はヘビの形を字にした象形文字。 もとはヘビを指すものである。 その「(ヘビ)」に、「つらぬく」という意味の「工」を添え、「大空(天空)をつらぬく大蛇」に見立てた呼び名。

    僕の好きな漫画に「蟲師」というのがあります。
    その中では、ヒトの中にすむ蟲について、またそれとどうやら切ってもきれない関係である「ヒト」について書かれていて、僕はその世界の結構夢中になった時期がありました。「蟲師」僕が読んでいた頃は完結したように思うのだけど、あの後どうなったのか、また伏線だけ置かれて語られなかったことがたくさん物語の中にあって。想像をかき立てられたものです。続きが読みたいなぁ。。。


    虫かどうかはわからないですが、徐々に徐々に暖かくなるこうした、初春から仲春になると、いろいろに動きたくなる自分の心持ち。なんというか「欲」というか、良くも悪くもそういった「蟲」みたいなもの。ヒトの中にも確かにいるのかもしれませんね。春はそういったものが動き出す。そりゃエネルギーも不足してくるし、心も弱ったりするのかもなぁ。などと思うものです。



Geust Ecco Saxプレイヤー



さて、今回番組のゲストには 僕が一緒に音楽をやっている友人ミュージシャンの一人でサックスプレイヤーのEccoに来てもらいました。Eccoはここ10年ほど音楽を一緒にさせてもらっている友人であり、兄妹のような人です。2年ほど前からスタートしたトリオ「まるちゃ」でも小気味よいSAXの音色を聴かせてくれるムードメイカー。

彼女のプロフィールをここに。

中西悦子/Ecco 
シンプルで心地よいフレーズで紡がれるアドリブは、
いつかどこかで聞いたようなやさしい音の断片を耳に残す。
音楽を暮らしのすぐとなりに。
あなたのセンスやスキルを活かし、音を楽しみ、自己実現するお手伝いをします。
ーーーーー

奈良県出身/兵庫県在住
13歳 吹奏楽でSAXに出会う。
18歳で音楽の道を志す。
JAZZの即興性に惹かれ、世界の共通言語の要素があることを感じ、専門学校で学ぶ。
22歳の年、映画の中のCubaの景色と音楽に魅了され、SAXを背負って初海外一人旅となるcubaへ。
人間が生きていく営みの中には必ず音楽があり、
そこには常に踊りと歌があり、祭りがあり、
人が豊かに生きてきた由縁だと気づくきっかけになった旅。
その後、Salsaを踊ることや、聞くことが生活に馴染んでいく。
(料理してるときSalsaを流しながら、踊ってるのが一番好き。)
地球の様々な風土と共にあり、
人も地球の一部だと感じさせてくれる民族的な音楽に惹かれ、
ゆっくりとその片鱗を広い集め、感動し、音に昇華している。

10代から、様々な出会いを通して 
Soul   Funk Salsa    Reggae  AfroBrazilian  African   沖縄民謡 盆踊り ちんどん などの音楽の中へ飛び込みセッションやライブを重ねる。
現在、心かよう仲間と生みだしていく即興音楽の純粋性の素晴らしさを改めて感じなおし、その瞬間しかない音を紡ぐことが悦び。
入りたい音には、気づけば衝動的に飛込んでいくこともしばしば。

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大手音楽教室のインストラクターを経て、独立10年目。
「呼吸」「体の動き」「思考の癖」などにフォーカスして、楽譜を読めなくても演奏できる『楽譜を使わないレッスン』
『五感を使うレッスン』を展開中。
上達だけを目的にせず、気づきを促し、
あなたが今すでに持っている様々なスキルやセンスを一緒に見つけて、
体と心が一致する、気持ちいい瞬間を音楽で体感出来るお手伝いをします。

SAXのレッスンだけに限らず、音楽で「わたしにとっての自由」を見つける、アドリブ(即興演奏)の基礎レッスンなども実施。

音楽の仕組みや決まりは、知ってみると立体的で面白い。
楽譜は「地図」かもしれないし、
音を出すだけでなく「聞く」ことが
ほんとうの楽しみかもしれません!

ステレオタイプに縛られず
もっと気楽に
自分らしく音楽を!

プロフィールが既にメッセージ◎
番組ではEccoと一曲彼女の曲「ISLAND WISE」を生演奏一発録音でお届けしています。以下のEccoの選曲と合わせてよかったらお聞きくださいませ。

今回の選曲

今回の選曲は、番組へゲスト出演してくれたSaxプレイヤーのEccoの選曲でお届けします。特別に番組では放送しきれなかった、このブログのために3曲選曲してくれた曲も、よければお聞きくださいませ。いずれも良曲です。

1:Natalia Lafourcade・Soledad y el mar (ソレダー・イ・エル・マール)
僕も好きなアーティスト。ナタリアラフォルカデ。番組内ではCD、音源のアレンジですが、youtubeをのぞいたらMVバージョンがあって素敵だったのでそちらを共有しておきます。

2: ISLAND WISE /Ecco   guitar:IsaGuitarra
本日番組のゲスト。Eccoのオリジナルソング。
是非番組やライブで聞いてください◎

3:Alex Cuba/ Fuego  


4:Ancient Africa & Tintinyana / Abdullah Ibrahim アブドゥーラ・イブラヒム

5:Mahjong Room / Ginger Root


6:Seachrán Sí / Ensemble Ériu
最後は僕の選曲から、番組でもかけています。Ensemble Ériuのアルバムから。

ご清聴ありがとうございました。
また番組でお会いしましょう。

IsaGuitarra 拝




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