見出し画像

「あとのラジオ」 大寒から立春へ

担当するFMラジオ番組 Radio BREATH OF EARTH   
二十四節気、大寒から立春の回「あとのラジオ」です。
番組で紹介した内容や、触れられなかったところもまとめていく原稿のようなブログとして。通常の歳時記や季節の話はほどほどに、もう少し調べてみたり、そこから派生する視点で綴ります。トピックを立てながらノートのように更新し、思い出したり気付いたら編集する、公開の原稿スタイルでできたらなと。
よかったらお付き合いください。

番組自体のオンエアは以下のタイミング
リンクやプロフからブラウザにてお聞きいただけます。

放送日 七十二候
本放送 2024・2・2 鶏始めて乳す
再放送 2024・2・9 東風氷を解く



節分 

昔は季節の変わり目の立春、立夏、立秋、立冬の前日がすべて節分とされていました。1年の節目として春の節分に重きが置かれはじめたのは、室町時代からだそう。季節の変わり目には悪鬼が出てくるといわれ、豆が「魔滅」の音に通じることから「鬼は外、福は内」のかけ声で豆まきをするならわしが始まったとか。。

日本の七十二侯を楽しむ
東邦出版より


この悪鬼どういう感覚なのかなと思います。
後に書く土用のこともそうですが、身体の不調もそうだし、物事がうまく進まないとか。変わり目の時期には、そういうことが起こりやすいのが常なのかなと。変化の感覚的として今は季節ごととは分けて考えることが多いだろうけれど、地球と季節と人の変化として捉えるなら一体のようにも思うわけです。そこに何か目に見えない魔を感じていたのかな。どうかな?はてさて。。。

とはいえ、では「豆」がこの時期の身体に良いのか?は、、ちょっとわからないですね。今後調べてみても良いかも。。

本放送 2024・2・2 鶏始めて乳す(大寒)

放送日、本放送は2月2日。
まだ大寒ですが節分前の最後の候。
鶏が卵を産み始める時。鶏が卵を産む時期は日照時間と、気温によるそうです。
だから昔は卵を産む季節が限られていた、冬至が過ぎて陽が長くなり、昼間の気温も日によっては暖かい日もあったりなかったりの中、立春を前にこの卵を産む時期があったんですね。

今は買おうと思えば卵はほぼいつもあるわけだから、全く違う感覚だなぁと思います。貴重だったのでしょう。最近家族と話をしていて、プロのサッカー選手が1日卵を何個も食べる話を聞いてびっくりしました。自分が特殊なのかもしれませんが、卵は食べてもせいぜい1個か2個ぐらいかな。。それも毎日は食べないかなぁ。ちなみに幕末の武士。山岡鉄舟は100個食べれると豪語して実際に食べたそうです。小説ではその後気絶したそうですが。。
卵の話はこのくらいに。

この時期はいつも掃除と、ものごとの整理の時期と捉えていて、新暦の正月もほどほどに、この1月末頃からようやく春らしくなって、人との交流も多くなりはじめます。「晦日正月」という言葉がある通り、感覚的にその通りに過ごしているのだなとも思うのです。(ただマイペースなだけかもしれないですが)


キンカン
話は変わってキンカン。
この時期によく目にして、ウチではよく食べるのだけど、最近では糠漬けに入れるのが流行ってます。美味しい。何日か(冬は少し長めにつける)つけて食べるとほんのり酸味のある味。おいしいのでお試しあれ。

糠漬けは最近はまっていて #今日のぬか漬け インスタグラムのストーリーズで時々更新してます。よかったらチェックしてみてください。僕のインスタアカウントからどうぞ。意外なものが出てくるかもしれません。
昨年秋から初めて、ぬか床も年を超えました。


この時期は、冬の土用の終わりの時期でもあって、身体が変わっていくのを実感する時期でもあります。なんか思うように動かないとか、思考が冴えない、集中がなかなか深くできない。そういう時、身体を労るととっても良いです。

僕は音楽の演奏をしたりいつも気持ちよく奏でたいと思っているので、コンディション管理についてはずいぶん悩まされてきたけれど、この季節の変化を心身の変化と考えながら労っていくのはとても良いです。具体的には胃腸に負担をかけないということと目の疲労を溜めない、睡眠のタイミング。あとは陽の光。最近はその辺りを注意してます。みなさまも何か季節に合わせた良いケアあったら教えてくださいませ。

番組ではお便りもお待ちしています。
suzume138@yahoo.co.jp(IsaGuitarraまで)

立春

この「立」という言葉。正直。これで春だと言われても全くピンと来ないわけですが、なぜ厳寒の時期に春立つなのか。こんな考え方があります。

古代中国の陰陽五行思想では「陽極まって陰に転じ、隠極まって陽に転ず」という考え方があります。「寒さ(陰)も極まると暖かさ(陽)に転じる。という連想から、寒さのピークこそ春の始まりだと考えられたもの。

イラストで楽しむ日本の七十二侯
中経の文庫

寒さのピークこそ春の始まりだとされたわけです。
古代中国の思想といえば当時の日本にとっては最先端。

確かにそう考えるなら梅の花が咲いたり、風向きが変わったり、暖かい日が時々あったり。木の蕾が大きくなっているのを見かけたり。これは他の季節にも当てはまっていて、表面とは気づかないところで、次の季節の兆しは強まり、ある時コロッとなるわけです。それが始まるのが「立」だということです。

兆しがどこにあるか、外(自然)にも内(自分)にも見つける楽しみがあるのもこの変化する季節なのかもしれません。外も内も共鳴しながら一緒に変化してる。この「一緒に変化してる」を自覚していくと不思議と安心感のようなものがあるんです。「あ〜自分も一部なのだった」と思い出すような。
地球に包まれてる感じ。とでもいうんでしょうかね。
今年の立春はそんな感覚でした。
みなさんはどうかな?

再放送 2024・2・9 東風氷を解く(立春)

春風が吹いて氷が溶け始める。頃だとか。
東風とは春風のこと。春風というのは南から吹く暖かい風なのだけど、なぜ東風なのか。ここでまた陰陽五行が登場します。陰陽五行では春は東を司るので「東風」となる。読み方は「こち」「ごち」と呼んだりいろいろあります。

春一番
立春を過ぎて最初に吹く南寄りの風のことを春一番というのですが。実は能登や志摩以西、壱岐の島の漁師たちが呼んでいた名前が、歳時記や新聞で取り上げられて広まったものだそうな。

この頃に、風の香りをかいでみる。
雪のにおいとか、いろいろします、そのうちにあれ?これってそういえば?
という感覚になる時があります。どこか懐かしい。あれですね。
玄関のドアを開けて息を吸った時に確信する。春。
その香り。いつ感じることができるかな。


ぼんぼろ風
(未編集)

食と身体
僕は今年冬の土用から立春にかけて、少し身体のことをケアする方向に過ごしながら自分の変化について意識的に過ごしてみていました。変化はほんとに色彩のグラデーションのようになだらかに変わっていくのだなぁと感じて。寒さ身体の強張り、汗をなかなかかけないのが滲む汗をかくようになったり、睡眠の質が変わっていったり、日光を浴びる時間、活動場所に陽が差し込む時間と角度、ほんとにいろんな影響する要素を通して身体は変化していっているのだなぁと感じます。
また体がそうであると同時に自分の内面も同じように変化していくのを。

さて、この時期の食の項によくあるのが苦味のあるもの。
この時期は少し苦味のあるものが良いそうなのですが、菜の花、蕗の薹。
なぜ良いのだろう???笑(調べてみるね)


現代は胃腸の養生は体調を崩したらいつでも意識した方がいいのかもしれませんね。少し前に、溜まっていたものがあったのか体が重い時期があって何日かを、おかゆと梅干しで過ごしたり。コンディション管理の一環で意識的に食べることを少し絞ることもするのですが、今年はそれが季節の変化とぴったりのタイミングでした。土用に頃に胃腸内臓、負荷をかけ過ぎないように注意すると立春以降がとても楽で心地よいように感じます。

立春を少し過ぎていくと、体を動かした時に、関節の緩みというか稼働範囲が広がってゆくのを覚えます。同時に服の重ね着がキツくなってきたり。その代わり動きたくなって汗をかいたりして急にポジティブな方向に意識がシフトしていく。
それこそ風を感じているような。

はんなり喫茶室 お茶の歴史

はんなり喫茶室は娘(16歳)に番組へ寄稿してもらっているコーナーで、和のものこと、郷土料理、食べ物、お菓子のことなどを中心に、短く紹介しています。
内容をここに添付しておきます。

みなさんこんばんわ。まだまだ寒い日が続いて、暖かいお茶タイムがほっこりしますね。今回はお茶についてまとめてみようと思います。緑茶や紅茶などお茶は主に、茶の木の葉を蒸したり発酵したりして作られています。

茶の発祥地は、中国南部から、インドのアッサム地方。
昔、中国では茶を薬用として用いられてきたそうで、神話の中で、漢方などの始祖とされる神農帝が野菜などの効能を調べる際、時々毒にも当たったそうで、それを茶の葉で解毒していたそうです。

三国時代の文献には、茶の葉を丸めたものにお湯をかけ生姜やミカンの皮などを混ぜ、スープのように飲んでいたとされる記述があるそうです。その後、茶を飲む文化は広がり、ジャスミン茶や烏龍茶などが開発されます。

宗の時代になると、薬用だけでなく嗜好品として飲まれ始めお茶のための道具が作られ、茶文化が盛えていきます。日本に茶が渡来したのもこの頃です。
それでは、続きは、また次回。良い夜をお過ごしください。

by Hannah


今回の選曲

最近よく聞いているToti solerはバルセロナのギタリスト、フラメンコが元にありながらジャズブルースの影響を受けています。ただ僕が最近好んでるのは、そんな鳥のさえずりとともに、おだやかにゆるやかに弾いているトラックやアルバムで、それが今の時節に心地よく響いたので選曲しています。

1: Toti soler / Palau  
mix


2: Toti soler / Elcorazon Es Agua with Silvia Perez Cruz

3:Airto Moreira / Wind chant

Airto Moreiraは20年以上聴いているけれど、いまだに飽きずに聴いている。
今回のオンエアでは東風、立春の風だけど、「風」というと次のドナルドバードとともにアイアートのこの曲がいつも思い浮かびます。もうおじいさんだけど、20年以上前にブルーノートで目の当たりにした演奏がすごすぎて記憶に残っています。
ブラジル北東部の民族研究者でもあるのだけど、曲がソロアドリブのパートなるや。現地の言葉でいきなり叫び始め、そのままパーカッションを乱打していました。少し前、ブラジル注目のギタリストの一人ファビアーノ・ド・ナシメントがアルバムにフィーチャーして共演しているので名前を見かけています。全く知り合いではないのに名前を見かけた時は、勝手に嬉しくなりました。一つの音楽を好んで聴いていると、そういうこと良くあります。

4: Donald Byrd / Wind Parade

先のアイアートの曲と並び、「風」というと、ついこの曲をかけます。
この曲名と同じ名前、名義で昔友人がDJをしていました。jazzクロスオーバーと南米音楽をよく聞くのも最初はその友人からの影響です。(今はどうしているだろう?)Donald Byrd はデトロイト出身のトランペットプレイヤー

5:Caetano Veloso / Oração Ao Tempo

カエターノベローゾは僕なんかがわざわざ紹介するかたじゃないですが。
この昔の素朴なアルバムもとっても好きです。10代の終わり頃に買ったアルバム。時にかなって美しいとはこのことかと思います。ジャケも素晴らしい。

ご清聴ありがとうございました。
また番組でお会いしましょう。

IsaGuitarra 拝


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?