骨董屋③
山と積まれた古本の奥から
店主らしき者に声を掛けられた
「何か、お探しか?」
「とくには…」
「では、心が読めるオペラグラスは
興味無いかい?」
そう言って渡されたのは
アンティークな
細かい彫金細工の
綺麗なオペラグラス
「面白いけど要らない」
と答えた
道具を使って
盗み読むのは性に合わない
そう、思っただけだ
店主が
「どんな道具なら欲しいと思う?」
と聞かれ思案したが
「今は思い付かないよ。
何かあったら
此処に買い求めに来るよ」
と店を出た。
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