川
草花や木々の間から抜けると
視界が広がる
水の流れる音が聞こえる程の
静かな処
足を水に入れると
「そこ迄、冷たく無いかな」
と裸足で川の中を歩く
川の深い場所を見つけ
服を着たまま
頭まで川の中に浸かる
身体の表面に付いていた
膜が洗い流され
剥がされる感覚だ
川から上がると
濡れた足跡を石に付け遊ぶ
蒸せる程に薫る
深緑の薫り
葉を拾って川に流し
流れ行く先を眺める
大きな岩に座って
空を見て
風に流される雲を見て
─ あれは道標…?
と考えてると影の子が
「何処に行くの?」
と問う
私は
「北に飛んで星を見るか
南に行って海に着くか
東に向かって、陸に着くか
西に月を追い掛けるか」
なんて言ってみる
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