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芸術家としてのキャリアを彫刻する。(総論2)

自分のキャリアは、自分で描く。
「唯一無二」の存在として生きる、芸術家として在り方。


 クリエティブな分野で活動をし始めた若手作家。現在、大学や専門学校で美術を学んでいる学生。将来クリエティブな分野で活躍したいと考えている高校生や学び直しをしている,あるいはしようとしている社会人。ここではそんな未来の芸術家たち、具体的には10代後半から30歳前後くらいまでを想い描きながら、私の経験をいくつかシェアしていこうと思います。

 ※ただし、覚えておいてほしいのことが1つあります。それは私自身も、2020年時点で39歳。40代手前は、芸術の世界では若造で、まだまだキャリアを築いていくべき、発展途上の身であると言うことです。

 たしかに、私は数年前に大学の専任教員として働く機会を得て、ある程度安定的に、自由に制作・研究を続けていける環境が整い始めました。しかし、その先には、まだまだ長い道のりが待っています。(その先のほうが長く険しい気がしています)

 当然、私は現状に甘んじるつもりはありませんし、次の目標に向かって、常に精進していくつもりです。(現在、所属している大学へは不満はありません。とてもよくして頂いていて、感謝しています。・・念のため)
 

 ということで、夢や理想の自分の姿を実現するために、一緒にがんばりましょう!!

 さて、総論ということで、まず私が考える芸術家のキャリアを形成していく中で、最も芸術家の卵達に伝えたいこと・・・。


 それは、芸術家になるための「定番」のキャリアパスは存在しないということ。「キャリアパス」とは、様々な活動を行って実績を作り、ステップアップして自分の理想像に向かう道(方法)と言えばわかりやすいでしょうか。

 この記事を読んでいる芸術家の卵のみなさんは、自分の感性を信じ、制作に全ての情熱を注ぎ込み、オリジナルな作品を創り出すことに、エネルギーを惜しみなく使っていると思います。

 ところが、自身のキャリアについて考え始めると、「きっといつか誰かが自分の才能を見出してくれる人が現れて、有名になれる」と人任せに思っているのではないでしょうか?
 または、自分の憧れのアーティストの経歴を見て、それが自分の目指すべき完成されたモデルと信じて模倣をし始めたりするのではないでしょうか。 

 なんなら、自分の歩むべき完成されたキャリアパスは、グーグルで検索すれば見つかるのではないか。憧れのアーティストの経歴を見て、それと同じようにやれば、自分の理想に辿り着くと本気で信じている人もいるのではないでしょうか(正直言えば、検索するだけ、少しマシかもしれません)。

 憧れの芸術家のようになりたい!と思うことは悪いことではありません。しかし、よく考えてみれば、何よりも自身の感性と個性を主張し、唯一無二の表現をする(目指す)芸術家が、自身のキャリアとなると、既存のものに頼り、みんなと同じような道を、当然のように歩もうとするのは説明がつきません。

 オリジナルな作品は、みんなと同じ価値観で、同じ生活をしている人から突然降ってきたように生まれるのでしょうか?
 もしかしたら、稀にそのような芸術家がいるかもしれません。しかし、オリジナルな作品を創り出すために、人生もオリジナルなものを創り出して行こうとする方が、無理がないように感じます。つまり、私は芸術家になるための道(キャリア)は、表現と同様にルールなどなく、むしろ既存のルールや価値観に揺さぶりをかけ、新たな価値観を創造して示して行くのが、芸術家としての生き方であると考えるのです。
 
 まとめると、芸術家になるためのキャリアパスの基本は、「自分のキャリアは、自分で描く」だと考えます。逆説的に考えれば、これさえ理解出来ていれば、様々な所・方法で「芸術家」としていきて行く可能性があるということにもなります。

 経済的な成功だけで、芸術の優劣を決めてしまっては、芸術がとても貧相なものになってしまいます。芸術、そして芸術家はあらゆる所に、あらゆる姿・形で存在し、様々な価値観が混在している。その雄大さと豊かさこそが、芸術がこれまで世界中の人々を魅了し、愛され続けてきた大きな要因だと私は考えています。

 ここでは、私の作家としてのこれまでのキャリアと考え方をシェアしていこうとおもいます。私の活動はファインアートの作家に属しますが、これはクリエイティブ分野全般にも当てはまる部分も多くあると思いますので、マンガやイラスト、デザイナー等、あらゆる分野のクリエイターにもある程度汎用性はあると思います。

 ただし、上で述べたように、芸術家としての定番のキャリアパスは存在しないと言うこと。私のキャリアをそのまま真似しても、同じようにはならないことをきちんと理解した上で、参考として使っていただければと思います。
 
 まずは自分が考える「芸術家」とはどんな人なのか。その辺りから自身のキャリアについて考えてみると良いかもしれません。

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