いさお

25歳 社会人3年目 不定期に更新し続けます。多少、更新間隔が短くなったり、長くなった…

いさお

25歳 社会人3年目 不定期に更新し続けます。多少、更新間隔が短くなったり、長くなったりしますが、お許しください。

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クリスマス

 小学校中学年の頃、クラスメートがこんなことを言っていた。  「サンタって、この世にいないんだぜ!サンタって親なんだぜ!」  自分の家では、毎年プレゼントが届いていた。毎年、その年に欲しいものが12月25日の朝には、枕元に置いてあった。当時の僕は、欲にまみれた外世界のことはあまり知らず、僕の世界というのは小学校と家の二つで成り立っていたほど、純粋だった。そんな純粋だった僕は、もちろんその時もサンタは実際にいると思っていたし、そのクラスメートは嘘をついているのだと思っていた。

    • さびしいじんせい?

      僕の人生は、寂しい人生である。 寂しくなったのは大学生の時から。「人生の夏休み」と俗に言われる大学生活はずっと1人ぼっちだった。 近所の大学に進学したため、自転車で20分漕いで通っていた。 スクールバスにぎゅうぎゅう詰めにされた苦労を経験したわけでもないし、電車1本逃しただけで遅刻確定、というスリルを味わうこともなかった。 だけど、最寄りの駅や近場の栄えている駅で友人と買い物をしたり、飲み会に参加したり、そういった通学間での楽しい経験をする機会がなかった。 唯一の楽しみと

      • 先輩風

        職場に先輩風を吹かす人がいる。 職歴は5年違うが、年齢は1つしか違わない。地元も割と近く地元話で盛り上がることもしばしばある。 年齢が近いせいもあって、最初は近所のお兄ちゃん的存在だった。職場でいじったり、いじられたりする、傍から見たら良い関係性に映るような存在だった。 職場の外でも仲良くしてもらった。仕事の先輩と初めてご飯に行った。焼き肉を奢ってくれた。人生の中で片手で数えられるくらいしか焼き網の前に座ったことがない僕に、快くご馳走してくれた。 このままこの人と仲良くして

        • ハッピーセット

          仕事で、後輩の女の子と車が一緒になった。 午前11時頃、午前中の業務が終わった。 「お昼ご飯、どうする?」と聞くと、「○○(もう1人の後輩の女の子)はマック行ったみたいで」と答えた。 後輩の女の子2人はとても仲が良い。常にニコイチで、逆に見てるこちらが引いてしまうくらいベタベタである。 素直に、マック行きたいです!と言ってくれれば行くのにな、と思いつつ、自分も後輩のときにはあんまり自分の意志を通そうとはしなかったなと懐かしくも感じた。 11時にお昼を買いに行くことがちょっと

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        クリスマス

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        • 【短編小説】
          16本

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          頑張らない、をガンバる

          頑張っても報われないな、と思うことが多い。 残業が少ない部署にもかかわらず、気付くと周りには自分と上司しかいないことが増えている。 残業時間が長いと、残業多くない?と上司からの遠回しの注意、というか皮肉や嫌味を含んだ言葉をかけられる。 残業が少ない部署の中でまだ役職もついていない3年目の若造が先輩方よりも多く残業していることが、いけないらしい。 俺だって残業したくてしてるわけじゃない!と言いたいのだけれど、ここは社会だ。波風立たせず穏便に、「すいません」と心にも無いことを口

          頑張らない、をガンバる

          病は気から?

          具合が悪い。 具合が悪いのにnoteを書いているのは、ただ単に暇つぶしと気を紛らわすためである。 自分の職場で2週間前くらいから体調不良者が続いて出ている。風邪を引いた人、目眩がひどくて家から出られなかった人、電車に乗っていて急に汗が止まらなくなり吐き気を催してしまった人。 異常な暑さは体力を奪い、免疫が落ちる。そこにちょっとしたバイアスがかかって体調を崩しやすくなってしまったのだろう。 自分もなんとか粘っていたのだけれど、ついに限界が来たようだ。 喉が痛くなり、声もなか

          病は気から?

          お毛々

          ここのところずーっと気になっていたものがある。なんなら、邪魔だとも思っていた。 脇のお毛々たち。 こんなにクソ暑い日が続いている中で、他人の毛の事情なんて聞きたくないわ! と思われるでしょう。気分も悪くなるでしょう。 本当に申し訳ございません。でもこの話は書かせてください。たまには暗い話以外のどーでもいい話も久々に書いてみたいんです。 できるだけ汚い話にはさせないつもりなので。それでも少しでも抵抗感があるのならば、そっとこのページを閉じてください。 僕は毛深い。 小学

          嫌ならイヤだと

          「うわ、これはやりたくないな……」という仕事を振られることがある。これは僕だけ特別にあるわけじゃなくて、同じ部署の人はもちろん、社会人だけでなく、生きていれば拒みたくなる事柄を任せられることはある。 今までは、できるだけ最大限引き受けてきた。自分で引き受けたにもかかわらず、ずっとぶつくさ言いながら仕事をこなしたり、嫌だという感情を包み隠せず表情に出しながらこなしていた。 でもこれからは、嫌なものはイヤだ、と応えることにした。 自分は人の好き嫌いがはっきりしている。 新人

          嫌ならイヤだと

          手を挙げる

          久しぶりに研修を受けた。 数か月ぶりに1時間ほど電車に揺られた。世の中にはいろんな人がいるな、と至極当たり前のことを電車に揺られる度に思う。 研修センターに到着すると同じ部署の先輩がいた。 研修は同じ会社の先輩たちが講師として行うものだった。先輩はその中の1人だった。 「今日は頼むね」 ただのリップサービスである。それは分かりつつも、任してください!と気合が入る。こういうところで単純な(チョロい)性格が顔を出す。 研修は座学が半分、ロールプレイングが半分という構成で進

          手を挙げる

          あんなに好きだったのに

          梅雨も明け、蝉の鳴き声がやかましくなってきた。 毎年常々思うが、暑さが狂暴になってきてませんか? 『殺人級の酷暑』と言っても過言ではない。 他人よりも汗っかき体質の自分にとって、すぐに服がビチョビチョになって気持ちが悪くなる。夏は暑さよりも汗の方が強敵だった。だけど年々、最高気温が更新されている異常気象がもたらす暑さがダブルパンチとなり、お天気お兄さん・お姉さんの発する「外出は控えるように」という忠告にげんなりとする。 夏、と言えば、お祭りである。 いさお家は基本、外が

          あんなに好きだったのに

          眠れない夜に

          ベッドの頭上に照明とコンセント、そして小さな置時計が置いてある。 目をつむりながら手探りで時計のありかを探す。時計を掴み、バックライトをつける。暗闇に目が慣れているせいか、バックライトの光量に毎回目をつぶされる。今晩もちゃんと一瞬光量に目くらましをくらいながら、時間を確認する。 2:32。 昨日は23時に寝た。いつもなら22時には就寝しているのだが、帰宅が遅かったのと、次の日が休日だったから少しダラダラとスマホを見ていた。 3時間半の睡眠時間。普段の半分しか夢の中にいない。

          眠れない夜に

          推しが結婚した

          推しが結婚した。 テレビや雑誌など様々な媒体で活躍している推し。まったくの赤の他人が結婚することに対し、こんなにも心の中で何かが渦巻くものなのか。 母と一緒にテレビを見ていたら「最近、すごくキレイになってない? いいパートナーができたんじゃないの?」と母が言った。僕の目から見てもそう映っていた。贔屓目なしに見ても、以前よりも断然美しくなっている気がした。そんな事実を認めたくなくて、「いや、元々キレイだったでしょーよ」と言い返さずにはいられなかった。 初めて買ったアイドルのグ

          推しが結婚した

          ごちそうさまです

          仕事の日、昼食にラーメンを食べようとなった。職場の先輩Aと近くのラーメンチェーン店に向かった。 向かう途中、他の先輩2人(以下B・C)と一緒になり、せっかくだからということで4人でラーメンを食べることになった。 先輩Aはいつも自分のことを気にしてくれる優しい人で、先輩Bは主任で4人の中で最年長、先輩Cは職歴が僕の1個上である。 そのラーメン店はずっと気になっていたところで、やっと訪れることができて気分は高揚していた。空腹も相まって、普段は絶対に頼まない大盛サイズを頼んだ。普

          ごちそうさまです

          本当のコミュ力

          大学時代、学校へ行ってから家に帰るまで一言も話さなかったことが何回もあった。 グループワークがない授業のときは端の席に座り、空きコマは図書館で雑誌『ダ・ヴィンチ』のバックナンバーを何度も読んだり、好きな音楽を聴きながらフラフラ意味もなく構内を歩いて時間をつぶしたりしていた。 誰かと話をすることがとてつもなく体力を使うから避けていた。 するとどんどん会話をすることに対して自分の中でハードルが上がっていった。巷で言う「コミュ障」って僕のことだ、と気づくのに時間はかからなかった。

          本当のコミュ力

          地獄耳

          僕の耳は少し変わっている。形は主張が激しくなく極々一般的、普通である。変わっているのは中身。 「いつも思うけど、ほんと、周りの声が聞こえてるよね。抜かりなく」 ちょこっと変わっていて面白い、会社の同期から言われた。彼女と上司の会話の内容を少し茶化したとき、呆れたように僕に言った。茶化した後の反応が面白いから、なんて言うと「性格悪いわ」と怒られることは分かっているから「それはどうも」と答えるかそのままスルーする。 周りの会話が勝手に耳に入ってくる。 他愛無い話を耳にして密

          誕生日

          25回目の誕生日を無事に迎えることができた。 会社では、当月が誕生月の人は日にちと顔写真がポスターとして印刷され、会社の隅っこに掲示される。入社した当時は誰がこんなの見るの?と疑ったが、案外見ている人は多かった。 自分が誕生日になったときにおめでとうと声をかけられた。ありがとうございますとペコペコ頭を下げながら応えた。 会社の人に祝われることがなんとなく苦手である。 おめでとうと言われ悪い気はしないのだが、少し反応に困る。職歴はまだ全然下だし、愛されキャラとは程遠い性格を