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「攻め」と「守り」のバランス | カーリングが教えてくれること

 趣味としてカーリングを嗜んでおります。カーリングを始めてから、かれこれ18年が経ちました。会社やカーリングを協会では、"まだ"若手になるのですが、時間の早さと自分の年齢に複雑な気持ちになる今日この頃です。
 さて、つい最近カーリングの大会がありました。緊張感のある公式大会に参加するといつも思う事ですが、ビジネスとカーリングの試合には共通点が多いと感じます。カーリングは「氷上のチェス」なんて言われていますが、戦略スポーツです。今回の大会でも、学びがあったので、それをまとめたいと思います。

リスクをとって攻める

カーリングは、ミスなく、試合展開するとした場合、必ず最後のストーンを持っている後攻が1点を取ることができるスポーツです。どういうことかというと、先攻のチームがストーンをおきます、後攻のチームがそのストーンを弾きだし自分たちのストーンが残ります、そして先攻のチームがまたそのストーンを弾きだし自分たちのストーンを残す、というループが”全くミスが無いという前提”で繰り返されると、結果的に後攻が1点で終わるからです。ですので、勝つために「後攻は2点、先攻は1点」というのが、1エンド(野球でいう1回)の目標点です。でも、ここで冷静に考えると、例えば10エンドの試合で、1エンド目が後攻だった場合、全てのエンドを後攻で1点になる試合展開をして、最後の10エンド目で1点をとる、もしくは9エンド目に2点をとる展開にすればいいのです。サッカーとは異なり、得失点差が影響する場面はありません。1点差でも、10点差でも勝ちは勝ちです。この大前提を常に理解して、試合を進めることが非常に大切です。

 ただ、「攻める」タイミングは、いつ来るか、来ないか、も分かりません。ですので、「仕掛ける」訳ですが、これにはリスクを伴います。ミスをしたら、相手にチャンスを与えることにつながります。そのため、「仕掛け」は試合の中で1回でいいのです。切れ味鋭く、高い集中力で。
 もちろん、仕掛けないで、相手のミスを待つのも戦略ですが、それでは全国レベルの試合では勝てません。前述のように、1回リードすることができれば、勝てるのです。辛抱強く試合を進め、ココ!というところで集中して仕掛ける、そこが大事です。

リードしたら、すぐにもとの考え方に

5エンド目に攻めが成功し、2点をとれたとしましょう。その後です。直ぐに元の考えに戻らないといけません。「上手くいった!今日はイケる!」なんて欲を出し、「攻めたら、もっと点を取れる」なんて思ってはいけません。前述しましたが、攻めることはリスクをとることです。勝っている状況になったのであれば、そのまま1点ずつのゲームに戻せば、試合に勝てるのです。1点差でも勝ちは勝ちなのです。

リスクを取って攻めることは必要ですが、あくまでも勝つことが目標です。リスクコントロールをしながら、勝つためには、試合中の発想の切り替えをすることが大事です。

こう書いていると、普段の仕事の進め方にも同じことが言えると感じます。計画を立てて進めたものの、途中のタスクが思いのほかうまくいき、「これは他でも活用できる!」なんて、欲を出して、思い付きで横展開しようとすると、上手くいかないことが多いです。全体像をしっかり持って、冷静に戦略を実行していく、当たり前のようで意外と難しいように思います。
 
カーリングは、身体能力やショットの精確性だけでは絶対に勝てないこのスポーツです。戦略やチーム力もあって初めて強いチームと言えます。10エンドの試合で3時間、小さな大会は6エンドで2時間、この短い時間にビジネスでも必要となる要素が詰まったこのスポーツは、ビジネスマンこそ、本当に楽しめるスポーツだと感じています。

↓気になる方は、是非体験してみてください!↓

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