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医療法人の利益率ご存知ですか?

こんにちは。

「データに向き合う、データを伝える、データで変える」をコンセプトに各種ウェブメディアで情報発信を行っている、医療介護データ研究所です。

1/21にInstagramで創刊した、ヘルスケア FREE BOOKS、想像以上に反響を頂けていて嬉しいです。

まだまだメディアでの情報発信を始めたばかりで、配信ボリュームは少ないのですが、Twitterのエンゲージメント率では、15%を超える反応をいただくことができました。見ていただけるだけで本当にありがたいです。

データを活用する人が増える世の中に向けて、引き続きへルスケア業界の様々なデータを7ページのFREE BOOKにして紹介していきます。みなさんにも、Instagramをフォローいただけると嬉しいです。

noteでは、ヘルスケアFREE BOOKでは、表現しきれなかった内容をちょっとだけ補足して解説します。

今回は、少しダークな内容なのですが、医療法人が、とても厳しい経営状況にあることを知っていただけましたら幸いです。

医療法人の利益率は低すぎる

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今回、黒字の医療法人と赤字の医療法人の違いを紹介しましたが、そもそも医療法人の利益率がどの程度あるかご存知でしょうか。

答えは、営業利益率で約2.1%(2018年実績)です。

低いですね・・・

経済産業省が行う企業活動基本調査において公表されている各業種の利益率と比較してみた結果が以下の通りです。

医業利益率

全業種の中でワースト2位の営業利益率です。

ワースト1位は卸売業なのですが、卸売業は売上規模が圧倒的に大きい(約403億円)ため、営業利益率1.9%でも十分な利益が出ています。

一方で、医療法人は売上規模が小さい(約34億円)にも関わらず、利益率も低いため、ほとんど利益が出ていません。

黒字法人も一歩間違えば、赤字法人に転落する状況にあることは知っておきたい事実です。

いくら医療法人は、非営利法人だからと言っても、しっかりと利益を出していかなければ、生き残っていくことはできません。

職員に賞与を支払う際には数千万円がかかりますし、老朽化した建物の建て替えともなると、数十億円かかります。利益をしっかりと出して、蓄えていかなければ、大きなお金が必要になったタイミングで、経営が破綻してしまいます。

医療法人には、繊細な経営管理が求められています。

人件費の高止まりと、迫りくる働き方改革

もう一つ、データをご紹介します。直近6年間の人件費率の推移です。

人件費率の推移

2013~2015年度は57%程度の人件費率だったところから、直近の3年間は58%と高止まりしていることが分かります。

たかが1%と思われるかもしれませんが、営業利益率が2%しかないわけですから、1%の人件費率の上昇は大きな影響があります。

1人当たりの人件費で見てみると約500万円(2015年度)から、約530万円(2018年度)まで上昇しています。

民間の給与相場が上昇するのに合わせて医療職の給与相場も上昇しているものと思われます。

さらに、今後、働き方改革の波が医療業界にもやってきます。

今まで、医師はボランティア的に時間外労働をしてきましたが、今後はきっちりと勤怠管理をするとともに、適切に割増賃金を支払うようになっていくことが見込まれています。

追加的な医師の採用や残業代の支払いなどで、医療法人にかかる人件費はさらに上昇する可能性があります。

これからの医療法人経営も気を抜けない状況が続きそうです・・・。

福祉医療機構とリサーチレポートについて

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今回は、独立行政法人福祉医療機構にて調査・公表しているリサーチレポートの中から、「2018年度 医療法人の経営状況について」を取り上げました。

独立行政法人福祉医療機構とは、別名「WAM(ワム)」とも呼ばれている組織です。パンフレットから概要の一部を抜粋します。

WAM概要

福祉医療機構は、厚生労働省を主管官庁とする組織で、「福祉と医療の民間活動を支援する」という目的のために事業を行っています。

ホームページでは、他にも様々なリサーチレポートが公開されていますので、もしご興味があれば見てみてください。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

今回は、「『黒字の医療法人と赤字の医療法人の違い』に、ちょっとだけ補足」として、Instagramで公開しているヘルスケアFREE BOOKSをご紹介しました。ご参考になりましたでしょうか。

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