【士業・コンサル向け】理事長と良い関係を築く3つのポイント
今回のポイント
・医療機関や介護施設の理事長と良い関係を築く方法とは?
・理事長の時間に見合う事前準備をする
・エビデンスをもとに会話をする
・専門家であることを理解してもらう
普段、医療機関や介護施設の理事長と仕事をさせていただいています。そんな中で感じる、私なりの理事長との関係を深めるポイントをまとめてみようと思います。
初回の訪問から、良い関係を築けることが多いです
私は経営に関するご相談で医療機関や介護施設の理事長とお話をさせていただきます。基本的には、第三者からの紹介でお会いします。
周りの人に聞いてみると、意外と理事長との関係性作りに苦労されている方も多いようです。時間をかけて少しずつ関係を築いていくとのこと。
ただ、私は振り返ってみると、初回訪問から、良い関係性を築けているような気がします。
そこで、もしかすると私の事例が、他の方にも役に立つかも?と思い、まとめてみることにしました。
私が初回訪問時に大事にしているポイントは3つあります。
理事長の時間に見合う事前準備をする
1つ目のポイントは、理事長の時間に見合う事前準備をすることです。おそらく私は、とてもとても事前準備をしている方だと思います。
事前準備というのは、主に、経営に関するデータ分析なのですが、事前に調べられることは一通り調べて、数十ページのレポートを用意して訪問します。アポイントの時間では読み切れないくらいの量を用意します。
私が事前準備を大事にしているのは、理事長の時間に見合う対価を払わなければいけないと思っているためです。
とても忙しい理事長の時間は貴重です。
そのため、その貴重な時間に見合う事前準備をする必要があると思っています。
「お忙しい中、ありがとうございます」
と一言いうだけでは、理事長の時間を大切に想っているという、こちらの誠意が伝わりません。
お互いの自己紹介をおえて、理事長の用件をお伺いした上で、
「私も今日の訪問に向けて、いろいろと調べてみました。その中で疑問点もでてきましたので、調べてきた資料を見ながら続きのお話をさせてください」
と、用意しておいた数十ページのレポートを提出します。
多くの場合、「こんなに用意してきたんだね」と驚いていただけます。その時、同時に、こちらの誠意が伝わっているのではないかと思っています。
誠意が伝われば、良い関係性を築くためのスタートラインに立てると思います。
エビデンスをもとに会話をする
2つ目のポイントは、エビデンスをもとに会話をすることです。
医師でもある理事長とは、感覚ベースの話よりもエビデンスベース(証拠・根拠ベース)の話の方が、会話がしやすいのではないかと思っています。
例えば、最近の経営状況について、
「新型コロナウイルスの影響で、経営状況が悪化しているところが多いようですが、ご状況はいかがですか」
と聞くと、
「うちも影響受けてるねー」
などと簡単な回答は聞けるかもしれませんが、それ以上の深い質問は、初対面だとしにくいものです。
理事長としても初対面の相手にいきなり経営状況を話すのは気が引けてしまうのではないでしょうか。
でも、事前にデータ分析を行い、しっかりと資料(エビデンス)を用意していくと、もう少し深い会話ができます。
「新型コロナウイルスの影響で、経営状況が悪化しているところが多いようです。特に、●●診療科では、30%も患者が減少しているようです。こちらではご状況はいかがですか?」
「うちの患者は30%程は減ってないかなー。それでもかなり厳しいよ。」
「そうなのですね。6月の賞与と重なって資金繰りに苦労される法人も多いようですね。今回の件で、銀行への追加融資を検討している法人が増えているというデータもあります。」
「うちはまだ動いてないけど、考えた方がいいのかなぁ」
「時期が経てばたつほど、銀行からの融資を受けにくくなる可能性もありますので、早めに検討された方が良いかもしれませんね。」
時事ネタを事例にしましたが、この例に限らず、どんな会話でも、エビデンスとなるデータがあると会話がはずみます。
こちらが聞きにくい話題でも、データではこんな風になっていますが、実際にはいかがですか?と聞くと、嫌みなく質問することができます。
データをもとにした踏み込んだ会話をするうちに、踏み込んだ会話をするのがだんだん当り前のようになっていきます。
専門家であることを理解してもらう
3つ目のポイントは、専門家であることを理解してもらうことです。
私の勝手な思い込みかもしれませんが、専門家の方は、相手にも専門性を求めているような気がしています。
医師である理事長は、相談相手に対しても専門性を求めていると思います。
専門性を伝えるために、私、お会いする相手のデータだけでなく、近隣競合法人のデータも一通り調べていきます。
理事長も知っている近隣の競合法人のデータも紹介しながらお話を進めていくことで、「この人は経営に関するいろんな情報をしっているんだな」と専門性を理解してもらうことができます。
医療のことや、お相手の法人自体のことは、専門である理事長に教えていただく。
一方で、経営のことや、競合法人のことは、自分が専門家として情報提供していく。
そんな専門家同士の役割分担ができると、一緒に経営のことを考えるパートナーになっていけるのだと思っています。
おわりに
今回は、「【士業・コンサル向け】理事長と良い関係を築く3つのポイント」と題して、私なりの理事長との関係性の築き方をご紹介させていただきました。
3つのポイントとしましたが、すべては最初の事前準備にかかっていて、あらためて私はデータに救われてるなーと思います。
もし理事長との関係性作りに悩まれている方がいましたら、一つの方法として試してみてはいかがでしょうか。
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それではまた!
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