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最先端のXAI(Explainable AI:説会可能なAI)を提供するKyndi

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AIが今一つ浸透しないのは、マシンラーニング、そしてディープラーニングがブラックボックス化していることが原因の一つと言われている。例え予測の精度が高いとしても、その計算過程や予測の根拠がブラックボックスになってしまうと、予測の根拠を求められた時にそれを提示することができない。特に医療業界、金融業界のようなAIが出した診断や投資判断について、成功したとしても失敗したとしても、その根拠を求められる業界では、根拠の提示は必須だ。実はブラックボックスというのは本当は表現が微妙に違っていて、実際に内部の計算過程が可視化されていない訳ではなく、計算過程が複雑で難解すぎるために予測結果の根拠を理解することができないということを言っている。この計算過程を分かりやすく説明できるようにする技術が、説明可能なAI(XAI:Explainable AI)だ。

このXAIの世界で注目を集めている会社が、Kyndi だ。

Kyndi の AI は、長文テキストを市場の他のどの AI ソフトウェアよりも高速に分析することができる。そして、説明可能な形で結果を出す。今までのAI技術では、長文の分析を効率的に実行したり、キーワードを文脈として捉えて分析したりすることができず、その上、AIをトレーニングするのに数か月もかかっていた。これらの課題を全て可能にしたのが、Kyndiの技術だ。SMARTER、FASTER、MORE EXPLAINABLEというキーワードでKyndiの技術を読み解いていこう。 *参考資料:https://kyndi.com/solutions/

SMARTER:Kyndiのプラットフォームはエンタープライズのデータの80%を占めると言われている非構造化データ(提案書や見積書、契約書、プレゼンテーションなどの主にエクセル、ワード、パワーポイント等の形式の文書)を分析し、結果のマッピングと相関関係の提示を可能にした。さらに重要な部分を特に深く読み込むことができ、非構造化データに対して、ハイライト付け、優先順位付けをすることができる。

FASTER:KyndiのAI技術は数時間で大容量、複雑な非構造化データを分析することができる。例えば、Kyndiがある顧客の1,000に及ぶ非構造化データ分析に一年間かかったところを、7時間で分析することができたという。なんと275倍の速さだ。KyndiのAIは、通常のAIが必要とする正解データによるトレーニングの必要がない。通常、このトレーニングのためには大量のデータが必要で、正解のラベル付けには平均で4.5ヵ月かかる。KyndiのAIは、数分から数時間という短期間でこれを完了できる。また、一番重要なこととして、様々なビジネスアプリケーションへの適用が簡単に行えることだ。これにより、AI実装がより現実的になる。

MORE EXPLAINABLE:分析する非構造化データのどこから分析結果が出てきたのかという根拠が明確になるため、従来のAIで問題となっていたブラックボックスをオープンにすることができる。これにより、説明可能、監査可能な分析結果をステークホルダーに提示することができるようになる。

これらを可能にしているのが、KyndiのAIエンジン群だ。

Kyndi’s Discovery Engine:文書の中から多く使用される言葉、フレーズを読み取り、何が重要なのか、トレンドは何なのかを分析するエンジン。このエンジンは完全自動化されていて、ここで得られた分析結果をAIナレッジベースに変換する。

Kyndi’s Relevance Engine:クエリーは自然言語処理で実行されるのはもちろんのこと、キーワードだけでなくコンセプトを理解して分析できるために、大量の文書の中から隠れた重要な知識を分析結果として出すことができる。そのため、本当に必要で重要な関連するデータを速く手に入れることができるのだ。一度出た分析結果に対して、さらにドリルダウンさせた結果を求めることができるのも特長の一つだ。

Kyndi’s Explanation Engine:ユーザーはKyndiのAIが出してきた結果に対して、その根拠を求める。非構造化データのどの文書から結果を導き出したのか、文書のどのロケーションからこの結果を算出したのか、といった今まででは可視化することのできなかった部分を透明化できるのが、KyndiのAIの一番の強みだ。これを他のどのソリューションよりも、早く、効率的に処理することができる。これが説明可能なAIの一番のソリューションと言われる所以である。

Kyndi’s Lexicon Engines:自然言語処理で実行されるAI分析の場合、関係する言葉をどの程度理解できるかによって、その処理能力、結果の正確性に大きな影響がある。各業界によって、独自の名称とか単語が使われているため、それらを理解するには優れたプラットフォームが必要となる。KyndiのLexicon Engine はユーザーが語彙集(レキシコン)をインポートすることができ、Kyndiプラットフォームはその後すぐにインポートされた語彙を認識して分析作業を開始できる。結果を出すスピードの向上、アウトプットの質の大幅な改善に貢献しているのだ。

顧客には、製薬会社、金融業界、製造業、米国政府系機関などがある。例えば製薬会社は、新薬の開発の際に、今までの膨大な薬物開発に関する資料、新しい研究に基づく論文などをKyndiプラットフォームに読み込ませて、重要な情報を素早く得ることに成功している。新薬開発は、スピード勝負のところもあるためにKyndiプラットフォームはこれに大きく貢献している。

他にも様々なアプリケーションに埋め込まれた使用方法も数多くある。例えば、RPAとの連携で、自動化できそうな業務の判別を業務フローや関連資料から自動発見するような例がある。これにより、今までマニュアルでリサーチしていたRPAをどの業務に活用すべきかという課題をより正確に早く解決し、RPAの適用を今までよりもはるかに高いレベルで間違いなく実行することができるようになっている。

Kyndi 社の資金調達は、Intel Capitalがリードインベスターとなり、既に$28.5M の調達に成功している。UL Ventures、Pivot North Capitalがその他の主な投資家となっている。

AIが本当にあらゆるビジネスに浸透し始めるのは、Kyndiのようなプラットフォームが広まってからになるのだろう。期待して今後を見ていきたい。

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