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藤井風『HELP EVER HURT COVER』全曲レビュー

まだ誰も書いていないっぽいので、先週リリースの藤井風1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』初回盤特典のカバー集『HELP EVER HURT COVER』全11曲について詳しく解説します!

解説と言ってもカバー曲の音源はネットに出ていないので(※)、想像しつつ初回盤を買いましょうという話ですがw(執筆現在、タワレコはお取り寄せ、ユニバーサルとAmazonはまだありました)


※2021/5/20追記:1年後のきょう、復刻CDSリリース&サブスク解禁がアナウンスされました!!最強!!ぜひ聴き込みましょう。


Spotifyではご丁寧にも原曲だけ集めたプレイリストを作ってらっしゃる方がいまして(分かっておられる!)、こちらを聴き比べていただきつつ。

私、2000年前後はけっこうZIP-FM/J-WAVE経由で洋楽聴いてたしグラミー賞も追ってたんですけど、ちょうど「それ以降」と「もっと昔のやつ」に選曲が寄っているので、調べていて勉強になったし良い出会いもありました。

では参りましょう。

1. (They Long to Be) Close To You / Carpenters, 1970

カーペンターズ『遙かなる影』。

初っ端から王道きましたね。

徹頭徹尾王道。実力勝負。サビ終わり close to you~~~のロングトーンの清らかさ。1曲目からやられます。

2. Shape of You / Ed Sheeran, 2017

★これイチオシです。細かく刻むピアノアレンジが原曲より好き。

11曲中で最も新しい曲。それにしてもエド・シーランの「総ナメっぷり」はんぱなかった。

なんでも、歌詞は「少年のエロティックで純粋な欲望が歌われている」そうです。
https://studio-webli.com/article/lyrics/93.html
ぽいねーー!

原曲48億回再生だと。。

3. Back Stabbers / The O'Jays, 1972

オージェイズ『裏切り者のテーマ』。
フィラデルフィア起源の「フィリーソウル」っていうジャンルがあるの、知らなかった!

長い前奏の後、0:41の入りのコーラス "They smile on your face~" の破壊力がやばいです。

(Back stabbers) のコーラスも1人でオクターブ上下歌ってて分厚い感じ。これピアノライブでやるときは観客が合いの手入れるのかな?

今日散歩しながらずーっと口ずさんでいたのかこの曲です。

4. Alfie / Cher, 1967

シェール『アルフィー』。

シャッフル再生でClose To Youの次にAlfieが来たら、昼下がりでも寝ちゃうと思う。穏やかな曲ですね。

5. Be Alright / Ariana Grande, 2016

アリアナ・グランデ、3rdアルバム "Dangerous Woman" 収録の1曲。

指パッチンきたーー!!

歌い出し前の「Haaaa~(ウィスパーボイス)」「woohhh」「(somehow)」のパンチには要注意。重ね撮りのコーラス、ピアノの装飾音、突然の転調、とにかくオシャレなアレンジです。これもイチオシ。

原曲のライブ映像、ファンの熱狂ぶりと合唱ぶりはんぱないな…

6. Beat It / Michael Jackson, 1982

マイケル・ジャクソン『今夜はビート・イット』
これは知ってる!

「Beat it タハッ」っていうとこ含め、声が野太くワイルドで破裂音の主張が激しい。

そして、歌ちょっと終わって2:01からピアノソロ来るんですけども、このアドリブが「ピアノうめええーーーー」ってなります。

7. Don't Let Me Be Misunderstood / The Animals, 1965

『悲しき願い』というスタンダードナンバー。

ちゃっちゃらちゃっちゃららー

っていう軽快なピアノと伸びやかな声がよいです。

8. My Eyes Adored You / Frankie Valli, 1975

フランキー・ヴァリ『瞳の面影』。物悲しい。
ヴァリは『君の瞳に恋してる』を書いた人です。

古典を古典としてきっちり歌い込める技量に脱帽ですよね。

9. Shake It Off / Taylor Swift, 2014

テイラー・スウィフト「シェイク・イット・オフ〜気にしてなんかいられないっ!!」(そんな邦題あったんだww)

原曲はチャキチャキのダンスチューンですが、こちらは全然違うメロウなゆったりジャズアレンジ。唯一「原曲がわかんない」曲かも。

I'm just gonna しぇいしぇいしぇいしぇい

あと、このカバーアルバムは全部ピアノ一本で弾き語りなんだけど、Shake It Offだけ、ino hidefumiのフェンダーローズみたいな音のエレクトリックピアノで弾いてます。昔の弾き語り動画見ても、ピアノや電子ピアノじゃなくて、横置きのキーボード使ってるの多いですよね。

10. Stronger Than Me / Amy Winehouse, 2003

夭逝したエイミー・ワインハウスの1stシングル。名前だけ知ってたエイミーの原曲を今回初めて聞いたけど、ローリンヒル的なソウルフルさですね。経歴を読むと、自由さと悲哀の入り交じった独特の空気が一層染みてくる。

そんなエイミーの感じを重々継いでいるように感じるジャズアレンジです。ハスキーで斜に構えた感じ。

しかし、岡山生まれでなんでこんな英語うまいの??Hiphopをカバーして空気まで再現できちゃう英語力。

あとこの曲もピアノソロが鬼うまいです。

原曲MVが濃ゆい。

11. Time After Time / Sarah Vaughan, 1950

最後はシンディ・ローパーじゃなくてサラ・ヴォーンの古いスタンダードナンバー。

穏やかな〆!

全体を通して、穏やかなスタンダードと(スタンダードナンバーは大概穏やかなのか?出自的に?)、大人気の近年のポップスの個性的なピアノアレンジが交互に来る感じの11曲です。

ライブで聴きたくなったでしょ?初回盤には12月に延期されたツアーの先行応募シリアルコードが封入されてます(招待制のピアノライブは残念ながら先週末で応募締め切り済み)。


しっかしなんでもピアノで弾けるってすごいなーー(小並感)

4400円が正価です。Amazonは普通に転売で高いやつが「新品」のリストに載ってることがあるからご注意。

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