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note発・アンソロジー小冊子制作のすすめ(つくりたい)

ふだんスマホやパソコンの画面で流し読みしているnoteが、ひとの加工の手を経て「紙の活字」になると、相当体験の質が変わる。文字に手触りがある。

もちろん、自分でぺっとWordに貼って、読みやすそうな明朝体のフォントを当てて印刷すればまあ活字になるわけだけど、さらに「仲間の誰かが編纂した」という価値がつき、「仲間たちの作品が載ってる」という価値が加わると、それはもう、になる。

それがアンソロジー小冊子の可能性だ。

『noterハンドメイド展示交流会』(非公式)= #noハン会 の人たちが「ハンドメイド × 創作文芸」で一冊の本を作ろう!」企画= #noハン会小冊子企画 と銘打って作成した小冊子がある。これが、セブンイレブンのコピー機で出力できると聞いて、実際に出力してみた。(今週日曜9/1まで!)

2冊で出力原価880円、あわせて74ページ。ここに23人ものnoterさんの作品が収められている。アンソロジー=文集スタイルの冊子のいいところは、1冊で何人もの書き手と出会えることだ。

中を開くと横書きの明朝体でさらっと読める。Wordで整えてPDFにしただけとのことだが、十分読みやすい。組版の技術がある人がもし中にいてInDesignとかで組むと超見栄えがすると思う。

短篇集で、1人の作品が長くて見開き4ページ。さらっと読める。さらっと読んで、「これは」と思う作品を何回も読むのが楽しい。写真に撮った文豪りんごさんの『手』は特に光っていたと思う。

一部の作品はnote上でも公開されている。筆頭・神谷京介さんの『彩水(いろみず)』、ちゃこさんの『ハンドメイドな人生を』、トリを飾るはるさんの『私が指先にのせたいもの』などがオンラインでも読める。が、やっぱり23本揃ってぱらぱらっとめくって読めるのはいい。探すのが早いし、知らない書き手の発見もある。ミュージシャンがCDアルバムの並び順にこだわるように、作品の「並べ方」(順番)にも編纂者の意図が入るから、通しで読んだ時の「流れ」からも伝わるものがあるかも。

さらに、3種類から選べる「表紙」は、題字部分が空欄になっていて、ひとりひとりが好きなタイトルをつけられる。ハンドメイドらしい趣向で、自分らしいお気に入りの一冊にする仕掛けになる。

わたしは外野だけど、【点綴】(てんてい)っていうタイトルをつけてみた。「綴」という字に、ハンドメイドとnoteというふたつの文脈が交差するように感じたからだ。(筆ペンで漢字の題字を書くととたんに文芸誌っぽくなるw)

[名](スル)《慣用読みで「てんせつ」とも》ひとつひとつをつづり合わせること。また、物がほどよく散らばっていること。てんてつ。

この「表紙」、仲間同士でオリジナルの表紙を贈り合うのも楽しそう。そういえば朝井リョウの短篇『水曜日の南階段はきれい』(「何様」収録)では、高校生が卒業文集の表紙を交換するっていう胸熱な設定が出てきた。

奥付の解説も書けるようになっているけどそれはまた今度。

ということでnoハン会の小冊子について紹介してきたけれど、やはり自分たちでも作りたくなる。関西meetupの仲間たちとも、次回開催にあわせて何かテーマを決めて作品を集めたいね、という話をしている(外圧と締切を設定しないとやらなさそうw)。

わりと「テーマ設定」は重要だと思う。なんでもありだと面白くないので、何かひとつの共通テーマは掲げたい。そのテーマに沿った文章の形式は、小説でもエッセイでもコラムでもマンガでもよさそう。

オンラインプラットフォームから触れる小冊子へ。いろいろなnoterさんグループが、独自のアンソロジーを編んでいったらおもしろいなと思う。

※ちなみに、こうした印刷できるデータは、2月に機能追加されたnoteの「ファイルアップロード機能」を使うと、noteに埋め込んで直接配布したり、課金エリアに置いて販売したりが容易にできる。(Kojiさんにもお伝え済み)。会の継続のために必要な資金集めにも使えるはずだ。

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