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散文【AIとぼくの違い】


最近のAIは本当にすごい。

映画の脚本を作ったり、人間が入力したキーワードで神がかった画力の絵を描いてしまう。

ぼくはそれらを見ていて感心する反面、学習能力のずば抜けたAIに危機感も覚える。

というのは、ぼくは創作する側の人間なので、仕事を奪われるのではないかと心配しているのだ。

それは作家として稼げていないぼくにとって余計な心配なのかもしれない。


いずれにしてもAlに対抗するためには、ぼくにできてAIにはできない、あるいはAIが苦手なものを持っていないと話にならない。いったいぼくは何を武器に戦えばいいのか?


ぼくの現時点での結論は、今のままでいいということ。

AIは0か1かの選択を繰り返しながら無数に持っている公式に最適化された数値を当てはめて答えを創る。

でもぼくはそうじゃない。

暗闇の中をわずかな明かりで、時には手探りで、0にも1にもならない中途半端な思考でゆっくりと進み続ける。

ひらめいたように突然走り出すこともあれば、座ったままふてくされて動かなくなることもある。

それでも限られた時間の中で生きるために何度も立ち上がる。

その非常にもろく、不器用でハッキリしない思考と感情こそが、人間であることの証であり武器になるのではないだろうか?

そう考えると、型を知らない素人の生み出す作品にも光が当たる可用性もある。

これはきっと、心バカな天才(AI)と、心あるバカ(作家)の戦いなのかもしれない。

ぼくはいつだって後者でありたい。



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