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SS【砂漠】
ここには誰も居ない。ずっとぼく一人だ。
なぜならここは緑も水も無い砂漠だから。
どこまで行っても砂しかない。
日中は焼けつく陽射しにさらされ、夜は恐ろしく冷えこむ。
オアシスが見えても喜んではいけない。
それはただの幻だから。
先も見えず、これといって結果の出ない状況で何かを継続するということは、砂漠を歩くことに似ているかもしれない。
歩き続ければゴールに辿り着けるわけでもない。
なぜなら正しい方向に進んでいるとは限らないからだ。
最近ぼくは思う。
旅の仲間、いや、せめてラクダが欲しいなと。
とにかく今は前に進むしかない。
今のぼくにはそれしかできないから。
おや? 前方が暗いな。
砂嵐だ。
あの砂嵐を無事やりすごしたら、新しい景色が見えるだろうか?
そんな寝言を言いながら、今日もぼくは物語をつづる。
終
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