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140字小説【知恵の輪じゃない】

毎年、妻の誕生日に知恵の輪を贈っている。最高難度の知恵の輪をすぐに解いてしまう妻。ある年の誕生日、知恵の輪を捻ったりずらしたりしながら妻が言う。「ねえ、私たちも知恵の輪みたいよね。何度も離れそうになったから」僕は返した。「離れようと思えば離れられた。でも離れなかった僕らは鎖だよ」

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