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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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#ソエジマケイタさん

140字小説【きっと明日は】

友人が「癖があるから使えない」と言って、気分が沈みがちな僕にスマートスピーカーを譲ってく…

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140字小説【終わり良ければすべて良し】

夏休み前日、些細なことで私の父と母が激しく口論した。母は実家に帰ってしまった。家族旅行の…

こし・いたお
1か月前
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140字小説【自由とは】

気づくと金魚鉢の中にいた。そこは少し息苦しくて、私はいつも口をパクパクしていた。そこでは…

こし・いたお
2か月前
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140字小説【彼女の秘密】

僕の彼女には戸籍がない。ない理由は秘密らしい。座椅子に座る僕の膝を、右、左とリズム良く手…

こし・いたお
2か月前
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140字小説【夫は知っている】

夫は当たると有名な占い師。他人の未来は占うくせに、今日のことしか興味を示さない楽観主義者…

こし・いたお
5か月前
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140字小説【仮想空間にて】

「探したよ!ほら帰るよ」爺ちゃんの痴呆症が進行している。僕は誕生日にゲーム機を買ってあげ…

こし・いたお
5か月前

140字小説【○○夫婦】

新婚旅行はイタリアへ行った私たち。神秘的な見た目に惹かれ衝動買いしたカーニバルの仮面。二十年経った今でも壁に飾ってある。ここ数年、私たちは家での会話がない。ある日、私がパートから帰ると、小学生の息子が仮面を被りテレビを観ていた。聞くと息子はこう言った。「僕も仮面を被ろうと思ってね」

140字小説【そんな所が好き】

彼と人気のパン屋にやってきた。一番人気のカレーパンは彼の大好物だ。トレイに残る最後の一つ…

こし・いたお
6か月前
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140字小説【ついに手を挙げた】

授業参観は息子の苦手な算数。他の生徒は果敢に手を挙げ発言している。でも息子は黙って教科書…

こし・いたお
9か月前
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140字小説【変な◯◯】

選手の名前が呼ばれ、僕ともう一人の男が向かい合った。交互に瓶で一発ずつ頭を殴り合う、百害…

こし・いたお
10か月前
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140字小説【我が家のお宝】

深刻化する地球温暖化。僕は気象庁のホームページで東京都の平均気温の記録を閲覧し眉間に皺を…

こし・いたお
11か月前
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140字小説【甘くない世界】

「君がこの茶碗一杯のご飯を食べてしまえば今日の糖質は終了だ。君がいるのはそんな厳しい世界…

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140字小説【警察犬?】

店長は常連の山田に悔しさを滲ませながら訴えた。「煙のような女だった。いつの間にか消えたん…

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140字小説【食いしん坊との再会】

「ねえ、あの人、気持ち悪いからやめさせて。さっきからずっと私の方を見てニヤニヤしているの」 「危ない人だから目を合わせたらダメだよ。行こう」 「やだ、こっち来た。あっ!! 小学生の時に私が食べれない給食のおかず全部食べてくれてた山田くん!! 久しぶり。ねえ、私のケバブ見てたでしょ」 終