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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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#超ショートショート

140字の【犯人は僕】

僕は爆発物処理班の一員。高度な訓練を受け、幾度も爆破テロを未然に防いできた。でも、仕事の…

こし・いたお
12時間前
2

140字小説【檻の中の憂鬱】

日の出からしばらくして人間がやってきた。ここは人間が鶏舎と呼ぶ場所。昨夜は隣の檻に住む仲…

5

140字小説【追憶】

お皿に高く積み上げられたホットケーキ。狐色の焦げ目が食欲をそそる。「ごめん、シロップ買い…

5

140字小説【走り幅跳び】

私は若い頃、走り幅跳びの選手だった。渡し守に船賃を渡し川を渡ったが、向こう岸から戻ってこ…

3

140字小説【結婚はできません】

AIの発展により学校と仕事は消え、ベーシックインカムにより無収入でも生活できる西暦二千百年…

3

140字小説【夜更けの紳士】

残業を乗り切り家路を急ぐ私。疲れた体に鞭を打って歩く。もう夜更けで人通りは少ない。そこか…

こし・いたお
3か月前
4

140字小説【将棋崩し】

嫌味な店長は将棋が得意。私たちパートのことを陰で駒と呼んでいる。悔しいから将棋で打ち負かしてやりたいが、ハンデを貰っても勝てる気はしない。だから私は新しい職に就き、あなたも辞めてこっちにおいでと、一人、また一人と、かつてのパート仲間、つまり駒をそっと引き抜いていく。将棋崩しだ。

140字小説【用途が違う】

「その鍋、私に売ってくれませんか?」愛用していた片手鍋の持ち手が壊れ、新しい鍋を買ってき…

こし・いたお
3か月前
6

140字小説【弾けない】

私は娘を養うために人型ロボットの製造工場で働いていた。人のように会話し、指示すれば単純作…

こし・いたお
4か月前
3

140字小説【サクラ散る】

婚活イベントにやってきた私。「私を含めて十人しかいない。少なすぎる…」そう思っていると誰…

こし・いたお
4か月前
8

140字小説【知恵の輪のように】

妻はパズルが大好き。僕は結婚記念日に最高難度の知恵の輪を妻に贈った。知恵の輪を捻ったりず…

こし・いたお
4か月前
7

140字小説【私は持ってる】

私は遠ざかる青い星をいつまでも眺めていた。最終戦争後の荒廃した地球。コップ一杯の水を手に…

こし・いたお
4か月前

140字小説【そんな所が好き】

彼と人気のパン屋にやってきた。一番人気のカレーパンは彼の大好物だ。トレイに残る最後の一つ…

こし・いたお
4か月前
3

140字小説【不良の山田】

私は沈む気持ちを制御できずにいた。朝からノートは白紙。もうノートをとる意味もない。隣席の山田は落ちこぼれで一匹狼の不良。次は化学。別室に消えていく生徒たち。なぜか山田は動かない。私は席を立ち窓へ近づいた。窓を開けると声が聞こえた。「なあ!おにぎり食うか?今日は一個多く作ったんだ」