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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年10月の記事一覧

140字小説【召喚士】

「貴様、誰に断り入ってきた!ここから先は一歩も通さん!」僕の目の前に立ちはだかる獰猛なモ…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【メドゥーサ】

彼女はいつもアイマスクを着けている。理由は知らない。気弱でいつも虐められている僕にだけ彼…

こし・いたお
8か月前
3

140字小説【彷徨う旅人】

車を走らせていると(北へ)と書かれた画用紙を胸の前に掲げる旅人を見かけた。漠然としたその…

こし・いたお
8か月前
5

140字小説【似ている】

「おかえり、今日は早いなカオリ。これ見ろよ、タカシのやつ漢字のテストで深く掘るの深いって…

こし・いたお
8か月前
5

140字小説【最後の晩餐】

「最後の晩餐になるね。締めはないから……」彼女に別れを告げると、彼女は深く頷き、寂しげに…

こし・いたお
8か月前
4

140字小説【アカ太郎】

一向にタイピングが進まない。眉間に皺を寄せていると子供の頃の記憶が蘇る。授業で画用紙にア…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【一枚の絵】

行きつけの美術館にやって来た。目当ての作品は快晴の日にしか鑑賞できない。館内の作品を一通り見終えると三階の窓から外を眺めた。窓枠を額縁に見立てる。遥か東にそびえる険しい山々。人間なんてちっぽけに思えた。秋も深まり眼下の公園では照葉が有終の美を飾る。白銀の季節の足音はすぐそこに…。

140字小説【替え玉】

彼女は滅多に人前へ出ない。釣り鐘型の帽子を好んで被り、マスクもするので顔は殆ど隠れてしま…

こし・いたお
8か月前
4

140字小説【親友の合図】

「どんな形でもいい。僕に分かるよう合図をくれ」気になる事は徹底的に深掘りする性分の僕。霊…

こし・いたお
8か月前
7

140字小説【深みにある光】

「あの子ったら取り憑かれたように引き篭もってゲームばかりして…少ない給料で課金までしてる…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【リドル】

ネット上に散らばるリドルを一日一問解く。僕の密かな楽しみであり日課になっている。考え抜い…

こし・いたお
8か月前
3

140字小説【掃除屋】

街で懐かしい男と再会した。学生時代に掃除屋と呼ばれていた同級生。百円で部屋を掃除してくれ…

こし・いたお
8か月前
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140字小説【再会】

心が苦しい時、私は幼馴染みのはっちゃんを思い出す。暴力をふるう悪ガキから私をかばい「効か…

こし・いたお
8か月前
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140字小説【先生】

山中にある全寮制の高校。釣り好きで空想癖のある友人は最近鬱気味だ。担任が彼に言う。寮の裏山にある池は地下深くにある湖と繋がっていて、稀に湖の主が上ってくると。放課後、担任は釣具一式を彼に譲りこう言った「部活サボるのは目を瞑るけど池に落ちるなよ」光が戻る彼の目。この先生で良かった。