マガジンのカバー画像

140字小説

466
削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

140字小説【“そば” は手うち?】

ねえ、お父さん。お母さんが大晦日はうどんと蕎麦どっちがいいかって聞いてるよ。え? お母さ…

8

140字小説【遅刻】

「ガタンガタン」橋上を始発電車が走る音で目が覚めたぼく。昨日まではあの電車に乗っていた。…

3

140字小説【正真正銘?】

顔見知りの子どもが公園の砂場で遊んでいる。磁石で砂鉄を集めているのだ。得意気に「やってみ…

4

140字小説【有休】

「お父さん今日は仕事サボってどこ行ってたの?」 「せっかく雪がたくさん積もったから、公園…

6

140字小説【犬ぞり】

「ねえねえお父さん。お母さんがね、外は雪がたくさん積もって歩きにくいからミニスキーはいて…

5

140字小説【眩しいでしょう】

芥川賞を受賞したぼくは記者から質問を受けていた。今の気持ちを誰に伝えたいか聞かれると、フ…

11

140字小説【悪魔の石】

久しぶりにカフェで会った友人が見せてくれたのは、身代わり地蔵のような力がある黒い石。石を手に取って眺めていると、とつぜん一台の暴走車がカフェに突っこんできた。黒い石は妖しい光を放ち、割れた窓ガラスはぼくを避けるように友人の首に突き刺さった。彼が身代わりになったのだ。

140字小説【当たり】

「お父さんまたシシトウ食べてるの?」 「味も食感も好きでね」 「ところで今年は宝くじ買わ…

4

140字小説【リアルすぎるゲーム】

いつもの仮想ゲームはやらないのかって? あんなクソゲー見切りをつけて辞めたよ。とんでもな…

3

140字小説【イエティ】

雪山で滑落したぼくは誰かの呼び声を聞いた。全身に雪をまといながら立ち上がると、手を振り無…

5

140字小説【恐怖体験】

最近あった怖かったこと? ああ、あったよ。ホームセンターで包丁持った女に追いかけられたん…

12

140字小説【敗戦後の赤い世界】

戦争が始まると私は地下に隠れた。私には何年も生活できる備えがあった。数年後。私はサングラ…

7

140字小説【くるま】

お父さんって若い頃どんな車に乗ってたの? え? 詐欺師の口車に乗せられ、ほとんど価値の無…

6