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アナウンサーとリポーターとナレーターと声優の違いについて

ここ数年、声のお仕事がかなり成長していますね。コロナの影響で、プロアマ問わず自宅で録音する「宅禄」(たくろく)の需要が数倍どーんと跳ね上がりました。

YouTubeでの配信コンテンツとして伸びているのは、簡易なアニメーションにナレーションをアテたものや、数人の雑談形式でグダグダしたもの。緩い最近ではちょっとしたアニメーションを作るだけなら、わざわざプロに依頼しなくとも、セミプロクラスの動画クリエイターで充分すぎるくらいの上質なコンテンツが投稿できるようになりました。コンテンツ内の説明も、ビギナーのナレーターや声優が、プロをもしのぐ案件数をこなしていたりします。

しかしやはり気になるのは、細部の技術。音質はもちろんなんですが、「アクセント」や「間(ま)」を大切にしていないコンテンツがかなり多いです。ひどいものになると、ナレーターや声優が読んだ声の音源の速度を加工し、コンテンツの尺に無理やり合わせたりしています。スピードと量が勝負のコンテンツならではの制作方法ですが、私は好きではないし、今後作ることもないでしょうね。

そんな声のお仕事の昨今ですが、いま一度、声のお仕事それぞれがどんな特徴があるのか、考えてみようと思います。(私見ですが)

【アナウンサー】

基本的には原稿が存在し、その原稿を正しい発音で標準語で、周囲の状況に動じず、情報を正しく正確に決められた時間内に伝える。ジャンルを問わず豊富な知識が求められ、万が一番組放送中にトラブルがあったとしても、冷静な対応力判断力が求められる。アナウンサー個人の意見や考えは必要ない。

【リポーター】

現場の状況を正確に伝えるとともに、五感をフル稼働させて、視聴者がより理解しやすいように伝える。リポーターは個性(オリジナリティ)が重要視されるため、自由度も高い。インタビューなどでは、高いコミュニケーション能力が求められ、インタビュイー(インタビューを受ける側)から欲しい情報や言葉を引き出すテクニックの有無で、雲泥の差が出る。

私がお仕事をさせていただいた中では、東海林のり子さんが抜群に素晴らしい技術をお持ちでした。どんなに難しい環境の現場でも、東海林のり子さんがマイクを向けると誰しもが心を開いてくれるんです。ほかのリポーターではこうはなりません。圧倒的唯一無二の技術力と経験値。リポーター界の美空ひばりと言っても過言ではありません。

【ナレーター】

基本的には原稿が存在し、演出に沿った雰囲気、声質、訛りなどで表現する。外国語や方言などに強いと需要も高まる。

【声優】

声優自身の個性というよりは、作品のキャラクターを演じることに徹する。声優個人の意見や考えは必要ない。声のお仕事というよりは、お芝居に近いのかもしれない。

この記事を読んでくださってる方々の中にも声のお仕事をされている方もいらっしゃると思います。フォロワーの皆さんの中から、いつかお仕事でご一緒できることがあれば素敵ですよね。その時はどうぞよろしくお願いいたします。

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