いおり

こちらの運営をしています→https://kashinoki.online http…

いおり

こちらの運営をしています→https://kashinoki.online https://note.com/kashinokionline

最近の記事

2023年に読んだ文献10選(社会学周辺)

備忘のため残しておく。今年は共生教育論や歴史研究・歴史社会学あたりに多くふれた。 ①湯澤規子(2023)『「おふくろの味」幻想:誰が郷愁の味をつくったのか』光文社新書 2月か3月か、実家に戻ったタイミングで地元の書店にてなんとなく購入。新書だしとナメていたが、研究関心を組み立てるうえではかなりインスパイアされた。 料理雑誌を中心に昭和から現在にかけて丹念に分析したもので、「おふくろの味」と呼ばれるものの構築過程を描いている。著者は社会学ではなく歴史地理学の専門だが、歴史研

    • 情景と関係の詞:アーティスト「TOMOO」を読む

      TOMOOというシンガーソングライターをご存知だろうか。 「オセロ」でメジャーデビューを果たし、2023年9月にファーストメジャーフルアルバム「TWO MOON」をリリース。アルバムを引っ提げた全国ツアーを敢行中のアーティストだ。今や彼女の曲を聞かない日はないといってもいい。 そんなTOMOOは最近、こんな曲を投稿した。 アルバム「TWO MOON」のリード曲である「Super Ball」。9月末にアップされてから、数多くの音楽チャートにランクインした。ラジオCMへの起用

      • 死者の声を想像すること

        2011年3月11日、14時46分。わたしはその時、宮城県の小学校にいた。 机の上にランドセルを用意しながら、教室で帰りの会を待っていた。 誰かが「地震!」と叫んだ直後、下から突き上げるような揺れに襲われた。 「机の下に潜りなさい!」と担任の声が響いた。赴任してまだ間もない先生の張り詰めた声を聞くのは、あの時が初めてだった。 ずうん、ずうんと床が揺さぶられ、身体が机の下から投げ出されるのを必死にこらえる。 揺れ始めて1分くらい経った頃に、ぱっと蛍光灯が消えた。同級生

      2023年に読んだ文献10選(社会学周辺)