Apple Music / iTunes Music / Spotify / レコチョクなど / 楽曲配信ストア ■4th Single
浜林は色街のそばにある居酒屋で飲んでいた。 隣の難しい顔をした青年にふと話しかけた。 「今年、大学を卒業して就職するんです。 でも僕の好きな人は就職しないで…色街で働くと言うんです。 彼女は自分の考え方に自信があって、未来に希望を持っている。 彼女を見守るしかない。それで僕は苦しんでいるんです」
白河梨々香は街で挙動不審な若い男を見かけ、声をかけた。 「人を探しているんです。風俗嬢です」男は画像を梨々香に見せた。黒髪ショートの知的で真面目そうな女の子だった。 「急にやめてしまったんです。手紙を渡そうとしていたのに」 梨々香は直感的に「手紙、見せてもらえない?」と男に聞いた。 その手紙は、浜林賢二郎によって3rdシングルの歌詞としてまとめられた。
Apple Music / iTunes Music / Spotify / レコチョクなど / 楽曲配信ストア ■3rd Single
ある夏の静かな夜。 雫石カロナと白河梨々香は行きつけの小さな喫茶店でアイスカフェオレを飲んでいた。 客はほかに誰もいなかった。 店内にはジャズが流れていたが、マスターにジャズ喫茶というほどのこだわりはなかった。 入口のベルが涼やかに鳴った。「まだやってますか?」 ひとりの女がふらふらと入ってきた。 単色のワンピースを着た、色気のある女だった。 髪が乱れ、ずいぶん酔っているようであった。 彼女は席につくなり、吐き出すように話し始めた。 昭和歌謡を思い出させる、切ない物語を。
Apple Music / iTunes Music / Spotify / レコチョクなど / 楽曲配信ストア ■2nd Single ■1st Single
記憶を掘り起こしながら2020年12月6日私は小説を3冊書いていて、4作目の題材を探していた。木更津焼きそばの小倉欽一郎氏に相談したところ「性的な引っかかりがあるほうが文学賞を取りやすい」とのアドバイスをいただいた。そのときひらめいたのは「性暴力について書く」ことであった。そこで私は、以下の2冊をアマゾンで買い求めた。 ●山本潤(著)「13歳、「私」をなくした私」 13歳から7年間、実の父親から性暴力を受けていた。 中学生だった当時から現在までの苦悩。 消えては現れるトラウ
1 白河梨々香 色街の東側にある川の河川敷で、梨々香は芝生に寝転がって、ときおり芝を掃くあたたかい風に身を任せていた。川の流れはおだやかで、川の水にすすがれた澄んだ空気が、梨々香の胸を上下に揺らしていた。彼女は静かに目を閉じていて、なにも考えてはいなかった。心地のよい虚無感が彼女の中心にあるなにかを包んでいた。 そのとき、どこからか芝生を踏みしめるような音が聞こえてきた。それはだんだんと近づいてきた。それでも彼女は目を開けなかった。近づいてくるものが、梨々香にとってなん
白河梨々香 Ririka Shirakawa ニックネーム : りんこ 誕生日 : 2053年1月2日(20歳) 星座 : やぎ座 血液型 : B 好きな食べ物 : ツナマヨおにぎり 趣味 : 小説を読むこと 特技 : クラリネット、早起き 小中でいじめにあっていたことで、家のなかが好きな子供になった。いまでもインドア派でゲームとアニメばかりのため、友達がほとんどいない。ずいぶん昔に流行った「図書館戦争」シリーズが大好きで、二次小説を書いたこともある。話すのは苦手だが地
STORY 1999年に改正風適法が施行されて以降、派遣型風俗店の台頭は目覚しかった。 2回目の東京オリンピックを終え20年が過ぎた頃には、都内の雑居ビルの多くは風俗店事務所で埋め尽くされ、違法風俗も際限なく増え続けていた。いわば無法地帯という状態であった。 違法風俗が増えた背景には、ある病原体の存在があった。 東京を中心に蔓延した病原体の影響で経済的な打撃を受けた事業者を支援するために、事業の継続を支えるための給付金が設けられた。 しかし、性風俗関連の事業者だけは