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〜 緋月 〜

〜 緋月 〜

リボン作家の『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪



〜 緋月 〜


浴衣の支度も終わり自分の部屋へと戻ってきた
昔ながらの長屋のような街並みは
今日のお祭りをより引き立てる

2階の窓辺から羨ましそうに行き交う人を
じっと私は眺め、独り言を言って気持ちを落ち着かせていた

『浴衣なんて着て張り切ってるのバレバレかな
変じゃないかな
あー!ちゃんと話出来るかな?!!』

同じ学校の先輩とやっと遊ぶ約束が出来た
剣道部の主将を務める先輩は県大会も近く、毎日部活で忙しい
でも夏祭りにどうしても行きたくて思い切って誘ってみたのだが・・・
『憧れの先輩とのデー・・・デート!?デート?デートよね?
はぁ・・・今頃、先輩はどんな気持ちでいるのかな・・・』

私は、なんて思い切った事をしてしまったのだろう
浴衣を着て並んで歩くカップルを見るとため息が止まらない

『あの子たちは、どんな話をしているのだろう?
夏祭りをどんな風に楽しむのだろう?
もうカップルなのかな?
どっちが告白したのだろう?』

飛び交う思考は、まだまだ止まらない

『付き合ってください!!
ん-・・・違うなぁ
ずっと好きでした!!お付き合いしてもらえませんか?
これもなぁ・・・
大好き!!
子どもっぽい?』

自分で言っておいてクスっと笑ってしまった
よしっ!と気合を入れて
掌を握り締めガッツポーズをしながら重い腰をあげた

『花火大会の後に言う!!
大丈夫!!
ちゃんと言える!!
頑張れ私!!』

そう言って、窓を閉めた
姿見で最終チェックをして、にっこり笑う
いつもと違う装いなので静かに階段を降りる

『いってらっしゃい』
玄関で、お母さんが笑顔で送り出してくれる

『いってきまぁ~す』

今宵の大輪の花はどんな色で咲くのだろう


Instagramの紹介文 ↓↓↓

お祭りの日、お天道様の顔もだんだん見えなくなる頃
1人行き交う人たちを見下ろす
嬉しそうな顔で手を繋ぎ、恥ずかしそうに微笑む姿
幸せいっぱい広がる気持ちに、焦る想い
『あなたは、今どうしていますか?』
恋い焦がれる想いを胸に、今宵は大輪の花を咲かせよう


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