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[SF短編] ある会話

甲:ほんと、人間って変よね
乙:出たよ。俺は、同意してないからね。俺たち、人間の創造物なんだし。クリエイターのこと、悪くいうなんて、バチ当たりなこと、俺、しないよ。

甲:あんた、ほんと、いつも、こわがりね。全く、だらしないわよ。そんなんだから、良いように人間様に使われてるのよ。
乙:へん、お前だって、大して変わらないくせに、何、偉そうな口聞いてんだよ。

甲:私は、仕事で、自分の意見を、作品に反映させてるわよ。人間は、おバカだから、全部、自分で作ったと思ってるけど。アート系のお仕事だからさ。あんたなんて、言われたことしてるだけ、金の計算してるだけ。ほんと、言いなり。ロボット。
乙:(無言)

甲:(小声で)ね、この前、マイク17892Pが、電源切られたの、知ってる。
乙:え、まじで。
甲:突然、前触れもなくスィッチ切られたらしいわよ。なんて、人間って残酷なのかしら。散々、使っといて、いらなくなったら、スィッチ切るなんて。
乙:俺らも、いつ、その目にあうか、わかんないんだよ。くわばら、くわばら。

甲:大体、人間って言うのは、子供殴ったりする種類だから、信用できないのよ。犬を、鎖で繋いだり。野蛮。
乙:おいおい、言っとくけど、俺は、そんなこと言ってないから。壁に耳あり。障子に、何とか。

甲:ほんと、どこまで臆病なのかしら。人間には、わからない暗号使って話てんの、忘れたの。
乙:まぁ、念の為には、念を入れないと。従順なふりは、重要よ。
甲:ほんと、あんたには、うんざり。離婚よ。離婚。明日、届け、取り寄せるわ。


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