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「身長190cmあるから。」って理由でバスケ部を強制入部させられて1日で退部した話。

僕は身長200cmある。
こんな身長で、街でぶらぶら歩いていると、僕の身長に驚いて身長の話をよく聞かれる……。歩行者用赤信号の時が特に多い。


質問に質問を返す目立つ人。

「おっきいねぇ、身長何センチあるんだい?」

十中八九、まずはこの質問。
「素直に200cmあります。」とすぐに公表することも有れば、聞き慣れたものだからか逆質問で「何センチあると思います?」と聞くこともある。聞き慣れているとどんな回答が来るのか気になったりするので、大半は逆質問してしまう。この質問の9割ぐらいは、「190……」と190cm台の身長を当ててこようとする、中々最初の数字が「2」から始まる人なんてそんなに居ないよね。
素直に答えて、珍しそうな驚いた顔を皆揃えており、「ですよね~」な僕。

身長の話をしたら、それに関連して次の質問が来る。それは、

「学生時代、スポーツ何やってたの?」

来た、9割ぐらいの確率で身長の次に言われる質問第1位!!!

……僕の中ではあるあるです。
何度も聞かれてきました、お待たせしました!!!
「実は学生時代、別に身長生かした、バスケ、バレーはしてないんです。」

「え!?もったいない!!!」

『この反応が10割』
いや、マジでスポーツで身長生かしてないし、なんなら入っていた部活は中学生は美術部。

中学では勧誘という事が無かったが、高校に上がるときにバレー部やバスケ部の誘いありました。今回はそんなお話を一つ……。


高校進学時に身長190cm突破。

中学3年生の後半には190cm突破してて、その状態で入学。
入学式、周りに大きい人が居なかったので顔1つ分飛び出ており、見渡しが素晴らしい。そして皆がこっちを見ている。そんな中、僕の高校デビューが幕を開けた。

高校に入って数日、新入生は部活を選ぶ時が来た。僕は中学に美術部に入っていたために、文化系の部活にしか興味が無かった。運動部はというと、昔から運動音痴であったために、勉強が出来ても体育はダメ。という人だった。

体育教師「君、体格良いね、バスケ部来ないか?」

高校1年次の担任ではなかったが、同学年の別クラスに、体育教師かつバスケ部顧問という先生が居た。運動部全般で興味が無かったので、第一声は、「興味ないです、行かないです。」と言った。

体育教師「いやいや、それは無いよな。今日の放課後待ってるから!絶対に来いよな!!」

おいおい、押し通すな。
当時の僕は陰キャだったので押し通されると「行かなかったら明日何言われるか、やらされるかわかったもんじゃない。」高校は義務教育じゃないから、何か不都合な事も自分で解決しないとと思ってしまい、「行かなきゃダメだよな」となってしまい、誘いに乗ってしまった。

当然、バスケ部どころか、球技自体が苦手意識、トラウマを抱えている。
幼稚園の頃に遡るが、ボールが顔面に当たったことがトラウマとなり、球技そのものが大嫌いになっているからだ。

その日の放課後、言われるがままに体育館の前まで行き、ボールが床を叩きつける音を聞きながら扉を開け、バスケ部の練習場所に足を踏み入れてしまった。入部を断ることだけ集中している。

体育教師「おぉ、来てくれたか。今日は体験入部のつもりで良いから頑張ってくれよ!」

先にこんな期待MAXな言葉をかけられ、断るに断れない。

既に僕と同学年の新入生も入部して高校ライフをスタートしている人もいる。そして、中学から同じだった人もその中に居た。

中学からの同級生「あれ?バスケ部、君もやるの?」

中学から僕を知ってる人はこんな反応であることは当然だ。そうだ、僕は元々運動嫌い、部活も美術部だった人がこんなところに来るはずもない。一旦、転機だったのかもしれないと思ってしまったらしく、、

中学からの同級生「これから一緒に頑張ろう!」

重圧。全然、やりたくないんだけど。

仕方なくやるしかないと思い、最初の1時間だけ練習に付き合うことにした。

~1時間後~
やはり、自分に球技が合わない。やってて面白くない。
いろんな意見があるとは思うけど、僕には間違いなく、この後のビジョンが思いつかない。選手になっていろんな学校と試合して勝ちたい、そんな感情も生まれない、バスケに対して何も価値が生まれないので、やっぱりきっぱり断ることにした、、、

僕「他の部活も気になるところがあって、それから判断させてもらっても良いですか?」

陰キャらしい一言。その場凌ぎに、他の部活を出して選別した後に辞めます。といったように、すぐに「入部する」という回答を控えたし、「辞めます」という回答も言えなかった。

体育教師「しょうがないな、いい返事待ってるで!」

もちろん、「ノー」ではあるが、待ってほしい。
その一言を添えて、その日のバスケ部はそこまでで終えた。

次の日、僕が「ノー」と言える決心着くまでは待ってもらおうとした。長くても1週間ぐらいは猶予あるだろうと思っていたが、僕が「ノー」という日はその日であった。

この日、何部に入ろうかと思って、茶道部を見に行こうとしたとき、天気が雨で運動部は学校の廊下で体力向上のためにトレーニングしていた。そこで、バスケ部の3年に偶然にも会ってしまった。

バスケ部3年「あれ?今日練習は?」

一瞬、「あっ」とは言ってしまったものの、バスケ部に入った事は一度たりとも言っていない。「いや、アレは体験入部で……」と言ってみたが、

バスケ部3年「いやいや、練習しないと。いきなりサボり?」

話が通じてない?むしろ入らされている??
言いたい事はわかる、昨日1時間でも部活に足を踏み込んでいるから、入部した事と勘違いされている。僕がタジタジで居ると、連れ戻すかのように手を引っ張り出し、バスケ部に連れていかれてしまった。
振り解いても、半ば強制入部の状態であった。僕はこの状況を打破したくてつい、大声で、

僕「バスケ部なんて入りたくないです!!!」

近くの茶道部・美術部にも伝わる大声で叫んでしまった。
ちょうど、トレーニングで通りかかった中学の同級生が通りかかり、僕の中学時代の事も知っててか、「僕君、球技はおろか、運動も全然ダメですよ」と一言言ってくれた。馬鹿にされた一言であったが、この時の僕は良い言葉を言ってくれた。結局他力本願タイプ。。。

その日から、バスケ部とは縁は無くなり、体育教師には茶道部に入ると伝えたものの、あの大声の一件で茶道部に所属しづらく女子ばかりという事もあったことからか、結局のところは帰宅部になってしまった。

まぁ、苦手というかチャレンジしたくもない部活に入っても楽しくないだけなので、人間好き嫌いがあるんだから強制することは間違っている。好きなことにチャレンジして、楽しむことが高校生活でまず最初に知ったことである。帰宅部になって嬉しかったのは早く帰って、ニコニコ動画を見る。そう、ニコニコ動画が世に出回った頃=高校生頃なので、帰宅部ニコ厨だった。


高校2年生になり、クラス替えして新しい担任。

あの一件から1年たち、高校2年生になった。
クラス替えをして新たな1年にしていこうと矢先、担任があのバスケ部顧問の体育教師になった。何かの間違いか、運命なのか、あの頃を思い出してしまったが、4月の2者面談での双方の確認。

体育教師「部活は、未所属……?帰宅部?」

僕はあの時、茶道部と言った。が、体験入部もしていなく、嘘を言った事に背筋が凍るような気持ちで、「はい。」と答えた。

その後、「バスケ部へ入部……」の声がかすかに聞こえたが、
似非茶道部らしくお茶を濁した。

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