駅前のマクドナルドで終わらせるような話か、そうか、了解
うたの日に投稿した自作短歌から十四首
【わりと好きな食べ物】
独特な間で相槌を打つ君の頬張るパフェがやけにうまそう
押し傷のできた林檎を丁寧に剥いていく音夜はやさしい
「たぶんもう体の一部になってるよ。君と別れた日に食べた蕎麦」
味のない砂肝を噛む 飲み込めぬ事情はきっと誰にでもある
落ち着けよ話聞くからそんなにも千切りキャベツ量産するな
花だとは知らずに食べる子らがいてブロッコリーは優しい青さ
お前ってドーナツ食う時真ん中の空洞残す派? 残さない派?
辛くないキムチがあるならつらくないさよならだってあるよ さよなら
にぎやかに回転してく寿司の中から選び取る茄子の静けさ
駅前のマクドナルドで終わらせるような話か、そうか、了解
好きだった駄菓子の話とかしたい元カノなんてどうでもよくて
これはもう心の可視化 ぐちゃぐちゃに混ぜたビビンバ冷まさずに食う
溺れてるみたいに見えて素麺を茹でる時だけ慎重になる
「本当に君が大好きだったよ」をネギと一緒に切り刻む朝