#3 オンライン日本語教師ガイド📚(わたしの使用教材)
🌷はじめに
こんにちは。irohaです🧚♀️
私は今オンラインで日本語を教えています。
2021年の夏に始めたので、早いものでオンラインで教え始めてから2年半ほど経ちました👩🏻💻🫧
オンライン日本語教師に関する質問を受けることが多くなり、現在は私の経験をもとに、よくいただく質問を中心に記事をまとめています。
1:お試しレッスン
2:レッスン準備/レッスンの仕方
3:実際に使っている教科書
4:会話レッスンのネタ
上記の4回に分けてまとめている最中なのですが、今回は
3:実際に使っている教科書
についてまとめていきます✏️
今までにアップしてきた【オンライン日本語教師ガイド📚】はこちらからご覧いただけます。
※無料でご覧いただけます!(動画つき)
※有料です。(動画つき)
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「ちょっと気になる、、、🤔」という方のために、無料でご覧いただけるハイライト動画もアップしております!
こちらを見ていただいて、「本編も見たい!」と思っていただいた方はぜひ上のリンクから!
それでは早速!本編に入っていきます。
私は現在、大きく分けて「文法レッスン」と「会話レッスン」を展開しているのですが、「文法レッスン」でのみ教材を使っています。
始めたばかりの数か月は「みんなの日本語」だけ使っていました。
理由は単純に
・これしか使ったことがなかった
・教案が全て揃っている
からです。
オンラインという新しい世界に入るにあたって、毎日が挑戦の連続だったので、他の教科書に手を出す余裕はありませんでした。
ということで、、、まずは「みんなの日本語」のレッスンをオンラインで提供できるように環境を整えていきました。
具体的には、、、
・板書をどうするか(→Googleドックス)
・絵カードなどをどうするか(→Googleスライド)
などを研究して、自分なりのやり方を見つけ、積み上げていきました。
(Googleドックスなどの具体的な使い方に関しては、この記事↓で触れています)
そして、数か月経ってから、使う教科書を増やしていきました。
理由は、学生さんがなかなか増えなかったからです。
「みんなの日本語」に限定して学生さんを逃すぐらいだったら、色々な教科書に挑戦していこう!と決めました。
もちろんその分、新しい教科書を知る→研究する→準備する などの手間が増えますが、その時間を費やしてでもやって良かったと今になって思います。
そして、以前この記事↓で触れましたが、何かしらの教科書で初級を一通り教えた経験がある or 教案が揃っていれば、そんなに負担なく準備できました。
そしてどんな風に教科書を増やしていったかについてですが、私の場合は
・学生さんのリクエストに応える
という形で教科書を増やしていきました。
例えば、、、
🧑🎓学生さん「Genkiを使っています」
👩🏫私「わかりました。Genkiでレッスンを進めていきましょう!」
というイメージです。
なんでもがむしゃらにやる!というよりは、「教科書について調べて、その上で自分が "できそう!" と思ったら」使ってみていました。
この流れで色々な教科書に出会い、中でもいいと思った教科書はどんどん研究して、他の人のレッスンでも使えるように自分のものにしていきました。
この記事では、私が今までにオンラインレッスンで使ってきた中で「いい!!」と思い、かつ現在レッスンでよく使っている教科書を簡単に紹介していきます。
(紹介する以外にも使ったことがある教科書はありますが、まだあまり使用歴がないものに関しては、考えがまとまっていないので除外します。)
この記事で紹介する教科書は「私が」2年半オンラインで日本を教えてきて使いやすいと思った教科書セレクトになるので、一個人の意見として参考にしていただけたら幸いです。
私は実際に、これから紹介する教科書を使いながら、毎月100レッスン以上プライベートレッスンをしております👩🏻💻
そして、「教室レッスン」と「オンラインレッスン」では使いやすい教科書が違ってくると思うので、「オンラインプライベートレッスン👩🏻💻」において使いやすい!という点を念頭において読んでいただけたらと🫶
気になる教科書があったらぜひ詳しく調べてみてくださいね🧚♀️
そして、、、これからもいい教科書があったらどんどん増やしていきたいので、ぜひおすすめなどがあったら教えてください💗
🌷動画(本内容)
📚みんなの日本語
✏️教科書について
レベル:〜N4(JLPT)
言語:色々な言語(サイトで確認を!)
知らない人はいないのではないでしょうか!
とてつもなく有名な教科書で、文法を積み上げて勉強していける教科書です。
養成学校に通われていた方は、養成学校で使った!という方も多いかと。
💗いい点
・抜かりなく基礎文法を勉強したい人にいい。
「話せるようになりたい✨」というよりも、「自分に抜けている文法を徹底的に潰したい」「JLPTに絶対合格したい」という学生さんに適していると感じます。
・ワーク的な問題が教科書についているので、宿題を出しやすい。
教科書自体に毎課「問題」がついているので、宿題が出しやすいです。
別にワークを買ってもらわなくても宿題を出すことができます。
・副教材も充実しているので、もっと勉強したい人にもいい。
サイトを見ていただけばわかりますが、副教材が本当に豊富です。
問題集、漢字練習帳、初級レベルでも読める本など、、、!
「教科書についているワーク以外にももっと練習したい!」という学生さんがいても安心です。
・多言語展開されているので、英語圏じゃない人に対応できる。
そのままです。
メインの教科書は「日本語」で書かれていますが、色々な言語で「文法解説書」が出ています。
・有名な教科書なのでネット上に情報がたくさんある。
これは教師側の視点です。
「みんなの日本語」はとても有名な教科書なので、教え方・教具などをネット上で発信されている方がたくさんいます。
(わたしも教案をアップしています🫶)
「初めてオンラインで日本語を教える」という場合、何を準備したらいいか、どうレッスンを進めたらいいかイメージがつきづらいはずです。
そんな方にとって、「ネット上に情報がたくさんある」という状況は、かなり助かる要素なのではないでしょうか?
🥺注意すべき点
・独学には向いていない。
「日本語」で書かれている教科書なので、週1レッスンが約束されている場合は効果的なレッスンができるのですが、たま〜にレッスンを受ける!という学生さんの場合は思うように教科書を進められないことも。
(文法解説書を買ってくれていれば別ですが、、、)
この点が「オンラインプライベートレッスン」にはあまり向いていないように感じて、英語話者の方だと最近は「Genki」をおすすめすることが多いです。
・ゲームみたいに問題を解いてしまう人には向いていない。
「みんなの日本語」の問題は
1)6時・食事の準備をします
→6時までに食事の準備をしておいてください。
のような感じなんです。
なので、フォーム変換が得意な学生さんだと、ゲームのような感覚で問題を解いてしまい、単語などが定着しないことが多くありました。
復習をしっかりする学生さんは問題ないですが、レッスン以外の時間に勉強時間が取れない学生さんの場合は工夫が必要です。
📚Genki
✏️教科書について
レベル:〜N4(JLPT)
言語:英語(他の言語もあり→サイトで確認を!)
英語圏でとっても有名な教科書です。
アメリカ人の学生はほとんどこの教科書で勉強していた or している イメージです。
「みんなの日本語」と同じく文法を積み上げて勉強していける教科書です。
ちなみに、わたしが(元々使っていた)「みんなの日本語」の次に使い始めた教科書です。
💗いい点
・独学に向いている。→オンラインに向いている。
教科書の中に英語の助けがたくさんあります。
例えば、最初の方はひらがながまだ読めなくても教科書が進められるように、英語の助けがついています。
オンラインの場合、学生さんが定期的にレッスンが受けられるとは限らないので、英語の助けがあることはかなり大きいです。
レッスンができない時は自分で進めたり、久しぶりにレッスンをする時は学生さんが自分で読んで復習できたりします。
実際に私は最近「Genki」を使うことの方が多いです。
・問題が英語で書いてあって、語彙習得に役に立つ。
「Genki」の問題は
1)Your child doesn't eat vegetables.
→野菜を食べなさい。
のような感じなんです。
私は、宿題をするかしないかは学生さんに任せているので、「宿題をしない!!!」という学生さんが多いんです。
このような問題は、宿題をしない学生さんにとてもいいです(笑)
レッスン内で語彙を習得させるのに効果的だと感じています。
🥺注意すべき点
・英語話者でないと使いづらい。
他の言語バージョンも出ているようですが、私は使ったことがありません。
「みんなの日本語」のようにメインの本が日本語、補助教材として外国語の本が出ているのに対して、「Genki」はがっつりメインの教科書に英語の助けが入っています。
問題にも 英語→日本語 などがあります。
なので、私は自分が話せない言語(例:フランス語)のバージョンの「Genki」を使うことは選択肢に入れませんでした。
(今後あるかもしれませんが、、、)
ヨーロッパ圏の学生さんなどはたいてい英語が話せるので、英語バージョンの「Genki」を使ってレッスンをしていますが、アジア圏の方とは他の教科書を使うことが多いです。
・カジュアルな表現が多い。
Genkiの「会話」は登場人物が大学生です。
もちろん大学以外の状況もでできますが、「仕事で必要!」という学生さんの場合は「みんなの日本語」の方がいいかもしれません。
ただ、「趣味で勉強したい!」という学生さんの場合は、むしろ日常でよく使われる表現などが多いので、「Genki」の方が合っている気がします。
📚NIHONGO FUN & EASY Ⅱ
✏️教科書について
レベル:初級
言語:英語
基本的な文型が勉強できます。
「辞書形を勉強」→「1レッスンごとに辞書形を使ったフレーズを1つ勉強」という流れなので、日常会話で使える日本語のフレーズを1レッスンごとに確実に増やしていくことができます。
私は、日本に住み始めたばかりの学生さんからのリクエストでこの教科書を使い始めました。
💗いい点
・英語の助けがたくさんある。
この教科書に出てくる語彙には英語訳がついています。
これが不定期にレッスンを受ける学生さんにぴったりなんです。
1レッスンで1フレーズという区切り設定と合わせて、オンラインレッスンに向いていると感じます。
出てくる語彙も、語彙コントロールがされているというよりは、そのフレーズと一緒によく使われる語彙が出てくるので、すごくリアルな会話に近いな〜と感じます。
・フォームを覚えたらすぐ会話の練習に移れる。
1つフォームを覚えたら、その後いくつかのフレーズを練習する流れです。
言えるフレーズを増やしていく中で、反復練習によりフォーム変換も上手にできるようになっていきます。
1レッスンは
文を作る練習→簡単な会話→実際の会話
のような流れで構成されているので、日本に住んでいる学生さんには「明日から使える日本語を増やす」ことができる点が魅力的だと、とても評判がいいです。
・どこから勉強してもOK。
上に書いた通り、英語の助けがたくさんありますし、1レッスンごとの区切りがあるので、学生さんの状況に合わせてどこからでも始めることができます。
私は、🧑🎓(過去に少し日本語を勉強したという学生さん)や、🧑🎓(「みんなの日本語」「Genki」の1を終えたタイミングで会話力が弱い学生さん)のレッスンでよく使用します。
前者の場合は、抜けている部分を補いつつ会話練習ができますし、後者の場合は、教科書で勉強した知識を整理しつつ会話力をあげることができるのでお気に入りです。
🥺注意すべき点
・0初級者の場合はすぐにこの教科書に入れない。
この教科書は、全くの初心者にとっては難しいです。
オンラインで使いたい場合は、自分で「ひらがな」等の基礎の基礎を教えた上でこちらの本に入っていく必要があります。
私は0初級者の方の場合は「みんなの日本語」や「Genki」で少しずつ基礎の基礎を勉強してから、この教科書に入っています。
私は使っていないですが、同じシリーズで0初級者向けの本も出ているので、参考までにのせておきます。
・英語話者でないと使いづらい。
そのままです。
📚カルテット
✏️教科書について
レベル:中級
言語:英語
N4レベル(「みんなの日本語」「Genki」の1・2)ぐらいまで勉強した後に使っています。
「読む」「書く」「話す」「聞く」の4技能をバランスよく伸ばし、上級につながる日本語力をつけることができる教科書です。
2019年に発行された教科書で、出てくる文章内容も面白く、会話も自然で今っぽいので気に入っています。
「Genki」と同じ会社が作っているからなのか、アメリカやヨーロッパの学生さんの中で知名度が高いです。
一時期「カルテットを使ってレッスンをしてほしい!」という学生さんが同時に何名も来たので使ってみたら、とてもいい教科書だったので今では多くの学生さんと使っています。
💗いい点
・英語の助けがたくさんある。
この記事で何度も言及していますね。
やっぱり英語の助けはオンラインレッスンにおいて大切だと感じます。
文章に使われている語彙リスト、文型解説などが英語で書かれているので、それらを宿題として読んできてもらい、レッスン内では日本語で話す時間を多くとっています。
・アウトプットの練習にいい。
アウトプットする力🗣を伸ばしやすい工夫がたくさんあります。
文章を読む前には簡単なディスカッションが挟まりますし、会話の練習も実際に会話ができるようなところまで持っていけるように工夫されています。
何よりワークブックがとてもいいです。
習った文型を使って自由に文を書かせるような練習が多いので、最初は学生さんも戸惑うことが多いですが、どんどんアウトプットが上手になっていくのを感じます。
・全てがちょうどいい。
文章の長さ、ディスカッションの内容、会話の練習、ワークブックの問題など、全てが「ちょうどいい」です。
まさに「上級につながる日本語」を身につけるのにぴったりだと思います。
「みんなの日本語」「Genki」を終えた学生さんにとって、簡単すぎもなく難しすぎもない、、、ちょうどジャスト!!!のレベルで、教科書はカラフルで写真も豊富、文章の内容は面白く、テンポのいい構成で学生さんが飽きてしまうこともない、、、本当にお気に入りの教科書です。
🥺注意すべき点
・英語話者でないと使いづらい。
そのままです。
・漢字が読めないと進めづらい。
たま〜にオンラインには「ある程度話せるけど読み書きはできない」という学生さんに出会います。
カルテットには簡単な漢字に振り仮名はないので、全く漢字が読めない学生さんだと思うように進められないことがあります。
ただ、教師用リソースパックを買うと「総ルビ版」を入手することができます。
・教師用リソースパックが高い。
漢字や語彙の練習シート、教科書の日本語訳、ワークブックの解答などが入っていて、デジタルストアで販売されています。
高いですが、大満足です。
ただ、その価格が負担になることもあるかな?と思い、注意すべき点としてあげさせていただきました。
これがあるないでは、教師側の負担がだいぶ変わると思います。
特に漢字や語彙の練習シートは学生さんに好評です。
ここまでは私がよく使っている教科書を紹介してきました。
ここからはたま〜に使う教科書をさらっと紹介していきます。
📚上級へのとびら
✏️教科書について
レベル:中級
言語:英語
有名な教科書なのでリクエストが多くて、よく使っていました。
最近は「カルテット」を使うことのほうが多いです。
📚新にほんご会話トレーニング
✏️教科書について
レベル:中級
言語:色々な言語
場面ごとに会話が練習できます。
🧑🎓(ある程度文法は頭に入っているのに会話が苦手な学生さん)、🧑🎓(もうすぐ日本に行くので取り急ぎ日本で使える会話を練習したい学生さん)などに使うことが多いです。
📚新にほんご敬語トレーニング
✏️教科書について
レベル:中級
言語:色々な言語
ビジネス日本語のレッスンで使っています。
既に日本語での会話が上手な学生さんとのレッスンで使うことが多いのですが、「ロールカード」を使った練習は、そのような学生さんにとっても難しいようで、効果的な練習ができていると感じています。
📚新完全マスターシリーズ
✏️教科書について
レベル:色々
言語:色々な言語(サイトで確認を!)
JLPTのレッスンで使っています。
JLPTのレッスンを始める前に、すでにN2に独学で合格していた学生さんに使用教材を聞いたら🧑🎓「私はずっと新完全マスターを使っていました!!!」とのことで、その言葉を信じて使ってみています。
今のところJLPT対策レッスンは2シーズンしましたが、効果的だと感じると共に、自分も勉強になることが多いので今後も使っていく予定です。
ただ、JLPT関連に関してはもっと色々な教材を試してみたいと思っています。
🌷最後に
ここまで私が使っている教科書を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
気になる教科書がありましたら、ぜひ詳しく調べてみてください🔍
実際に私はここで紹介した以外にも教科書を持っています。
前でも言いましたが、オンラインを始めたばかりの時は「みんなの日本語」以外はほぼ何もわからなかったので、とりあえず学生さんのリクエストに応える形で色々と試してみたんです。
自己投資!ということで、、、✏️
お金も時間もかかりましたが、そのおかげで私の教え方に合うお気に入りの教科書を見つけることができたので、必要な時間だったな〜と今では思います。
オンラインを始めたばかりの方(中でも「日本語教師」も初めての方)はどんな教科書がいいかわからないと思いますし、情報を手に入れても実際にレッスンで使わないことには 自分・学生さん に合う合わないはわからないので、見つかるまでは色々と試してみてください✨
そして教科書📚探しの旅の際には、ぜひ今回の記事を参考にしていただけたらと!
私もまだまだ成長途中なので、また新たにいい教科書などを見つけたら、共有しようと思います🫶
(そしてそして、、、JLPTに関して、、、おすすめ教材などあったらぜひ教えていただきたいです、、、!!!!!!!!!!!!!!)
ということで、、、今回も長い記事になってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました🧚♀️💗
今回は第三弾!
今後も自分が知りたかったノウハウ・みなさんからのリクエストをもとにコンテンツを作っていく予定です。
それでは!
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