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「あなたにスポットライトを」インタビューライター樗木真理さんの大切にしている想い

日本の南、九州の本土から離れた場所に位置する種子島。そこに、人々の想いに光を当てるインタビューライター樗木真理さんが暮らしています。

誰もが発信者になれる時代だからこそ、埋もれてしまうものもある。でも、光さえ当たれば、どんな場所にいたとしても人の目に映ることができる。そんな人や地域、サービスやプロダクトの魅力にスポットライトを当て、そこに込められた想いごと“全部“を届ける影の立役者が、真理さんです。

「あなたにスポットライトを」このコンセプトに込められた想いや、インタビューライターに至るまでの、彼女の人生についてお話を伺いました。

樗木真理(Mari Oteki)1993年、鹿児島県種子島生まれ。大学卒業後、教育系広告代理店にて企画営業・人事を経験。その後、就活イベントの事務・広報サポートへ転職。2021年から副業で女性起業家様のSNS発信サポートを開始し、働く場所を選択できるようになったことで、地元へのUターンを決意。

経験を積む中で、聞いて書くにとどまらないインタビューの力を感じ、2022年よりインタビューライター として活動を開始。現在は、地元企業で観光コンシェルジュとしてバスガイドや広報等も担当している。


都会から地方へのUターン

発信者として感じる「想いを届ける」ために大切なこと


━━現在、インタビューライターとしてご活躍中の真理さん。様々なキャリアを経験されていますが、なぜこの道を選ばれたのですか?

人の人生に携わるとか、想いを届ける発信のサポートという意味では、これまでの仕事と軸は変わっていなくて。ただ、いろんな方をお手伝いさせて頂くなかで、”発信を届けること”はもちろん大事にしているけれど、まずは届ける人達が元気に、活き活き出来る方法をもっと一緒に模索できたら良いなって想いが強くなったんです。


━━発信者の人達が元気に?それは具体的にどういうことでしょう?

これは、女性起業家様のSNS集客に関わらせていただいたくなかで気づいたことでもあるのですが…。お客様が、発信のパートナーである私とコミュニケーションを重ねていくプロセスを通して、ご自身や届けたいモノ・コトの魅力を再発見する機会になっていると実感したんです。

そうすると、その方に「これ伝えたい!」という気持ちが湧いてきて、発信にも自然とエネルギーが乗るんですよね。

発信をすることに対して、まずは発信者自身がワクワクして、自ら想いにスポットライトを当てられるようになって届いていく。それって、素敵だなって。そういう、届けたい想いや魅力を再認識することその気持ちを何度でも思い出せるように記事に残すことで、発信の後押しをしたいと思うようになったんです。

インタビューライター:樗木真理さん

━━「あなたにスポットライトを」という、真理さんのインタビューライターとしてのコンセプトにも関係しているんですね。

そうなんです。これってすごく大事にしたいことだなと思っていて。例えば地元、種子島の人達のなかには、人生で一度もWebに繋がったことがない人もいて。その方に、「毎日インスタを投稿してね」とか、これまで東京で培ってきたビジネス感覚って全く通用しないんです。

そういう方々の発信をサポートする時、ただ環境を整えたり、SNS運用の方法を伝えるだけじゃなくて、本人がどうやったら楽しく、届けたい想いや魅力に対して自信を持ち続けてできるんだろう?って、相手のベストを考えることが大切だなと実感する機会が増えて。

私は、その人自身が輝くための伴走者で在りたいんだなって、以前よりも強く思うようになったんです。



インタビューの可能性

お客様ではなく、人生を豊かにする“仲間“として取材する


━━そもそも、真理さんが発信に携わるようになったり、まだライトが当たっていない想いや魅力を記事にして届けたいと思ったのは何故でしょうか?

それは、私がもともと裏側というか、前に出られない時があった過去の経験や記憶から繋がっているのかもしれません。

もともと届けたい想いを言葉にできる人ではなかったし、良くも悪くも、その場の空気感を考えすぎるタイプだったので。言葉にできた時の喜びも、届いた先に見える景色への感動も人一倍感じられるから、発信のお手伝いをすることにワクワクできるんだと思います。

━━なるほど。インタビュー中、その場空気に溶け込めることで、より相手の気持ちに寄り添い、魅力を引き立てることができるんですね!

空気に溶け込む…確かに…!そういえば、前に「カメレオンみたいだね」って言われたことがありますね(笑)聞き手によって、相手から出てくる言葉の表現や、想いの見え方も変わってくることを知っているので、安心して本音が話せる存在でいたいなって思っています。


━━それって、言い換えると影武者のような、陰で支える存在とも言えそう…。

そうですね。それこそ、最近お手伝いしているクラウドファンディングの発信でも、みんなで1つのプロジェクトに向かっていく過程とか、誰かが喜ぶ姿、変化していく過程に立ち合えることがやりがいでもあって。

仕事って、人生を豊かにしてくれるって言うじゃないですか。でもそれって、自分が幸せでないと意味がなくって。だから、自分の人生で大事だったものを思い出していくプロセスと、書いた記事を通して仕事が発展していく、その変化が見られることが嬉しいんですよね。


━━1回のインタビューで、劇的な変化は起こらないかもしれない。でも、その人の人生そのものが輝き続けて欲しいという想いが感じられます…!

長い人生に寄り添う、そんな感覚ですね。私は、そんな関係を築ける人と、”お客さん”というよりも「一緒に仕事をしていきましょう」という感覚で繋がりを増やしていきたいんです。そこでは、私は”主役”ではなくて、あくまでも支えていく立場として。やっぱり、サポートしているのが好きなんですよね(笑)

そんな想いもあるし、私自身、仕事がすごく好きなタイプなので、ビジネス目線でのインタビューが得意という点でもお役に立てるポイントかもしれません。


━━人生を豊かにしてくれる仕事を一緒にしていく。真理さんとクライアントさんの関係は、お互いが豊かになるための「人生のパートナー」なんですね。



想いが照らされた時、その人の魅力に輝きが増す


━━これまでインタビューをされたなかで、特に印象に残っていることなどはありますか?

わー!どうだろう…。みなさんとそれぞれに思い出があって…。あ。でも、今思い返すと、私が人生で1番最初にインタビューをしたのって大学生の頃だったんですよね。当時、関東・関西を中心に、留学に行きたい人向けのサイト運営をしている団体があって。

そこで、実際に留学をしている人へインタビューするという企画をたまたま見つけて、すごくワクワクしたから参加することにしたんです。私は九州の小さな大学に通っていましたが、留学経験者が多くて、その経験をもっと伝えたくて。

その自分のワクワクが「嬉しい、喜び」の感情に変わった瞬間って、相手が輝くきっかけになれた時だったんですよね。


━━…と、言うと?

最近、当時私が人生で初めてインタビューをした方から連絡を頂いたんです。「インタビュー記事を読み返して、過去の自分にすごくパワーをもらった」って。あの記事を書いてから何年も経っているのに、その時の想いが今でもその方が輝くためのエネルギーになっていると知って。それが嬉しかったんです。


━━素敵…!月日が経った後も、その方の“当時の想い“がその人の大切なものとして輝き続けているって、嬉しいですよね。

そう思います。あと、本格的にインタビューライターとして活動を始めてからも嬉しかったことがあって。主婦で起業された方に人生インタビューをさせて頂いた時「プライスレスな時間でした」って言ってもらえたんです。「自分の人生を話すことで、これまでの人生を肯定できた」って。その言葉は、今でも覚えていますね。

インタビューを通して、自分の人生で大事だったものを思い出していく瞬間に立ち合えることが嬉しかった。

もちろん、書いた記事によって、次のお仕事に繋がるきっかけができる。その人のビジネスが発展していく架け橋になれることも、その両方がインタビューライターとしてのやりがいになっています。


「あなたにスポットライトを」

人を、魅力を、照らし続ける人で在りたい


━━インタビューライターとして歩んだ先、真理さんはどんな未来を描いているんでしょうか?

「自分自身が正解だと思える人生を歩く」、そんな人が溢れる世界
を創っていきたいなって思います。今って、いろんな人の人生が見られる時代だから迷うことも多いと思うんです。その人達が、自分の軸に”すとん”とはまって、もしくは、その軸を見つけながら歩むきっかけになりたいなって思いますね。


━━誰かの人生を伝えることができる仕事からは少し矛盾しているように感じるかもしれないけれど、良い意味で「比べなくて良いんだよ」ということも伝えられる。それが、インタビューライターの役割かもしれませんね。

そうですね。インタビュアーって、人のハイライトを見つけていくからいろんな視点を伝えられるじゃないですか。幸い、私は種子島という地方の目もあるし、東京という都会で働いた経験も、留学という海外経験もある。

そういう自分の視点の広さも活かして、その人がまだ気付いてない魅力にスポットライトを当てていくことで、自分の軸に自信を持ちながら活躍できる人の役に立ちたいって思います。

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インタビューを終えて…


インタビューの途中「真理さんの人生に影響を与えた人はいますか?」という質問をしました。その時彼女は、しばらく悩んだ後、こう答えたんです。

いっぱいいると思うんですけど「誰か1人」みたいな人はずっといなくて。一時期はマザーテレサとか…?でも、偉人というよりは、大学の一職員の方だったり身近な人とか。そういう人かもしれないですね。

この答えが、まさに”真理さん”という人を象徴しているように感じました。自ら表舞台で輝く人よりも、知られざる立役者にスポットライトを当てたくなるインタビュアーとしての姿勢。そして、真理さん自身が、舞台の登場人物を照らす照明さんのような、裏舞台で組織やプロジェクトの重要な役割を担う人であること。そんな彼女だから見える世界や、見つけられる光や原石があるんだろうなと。

インタビューライターとは、様々な人の人生を伝える仕事。だからこそ、意図せず「比べさせてしまう」こともある。でも、それでも私たちは「比べなくても、あなたはあなたで良いんだよ」そう様々な人の人生にスポットライトを当てることで、伝えることもできる。同業者として、彼女からそう学ばせてもらった気がします。そして、このインタビューの最後に一言。

いつか、私にスポットライトが当たった時、私が関わった人たちにももっとライトが当たるようにしたい。そのために私自身、説得力のある実力も必要だし、影響力も必要だなって。だから今はまず、人を照らすことを頑張りたいと思ってます。

どこまでも「人を輝かせる人」。それが真理さんの生き方なんだなと感じました。

左:真理さん/右:筆者


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