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服づくり現場の教科書 002 / MD計画とは何か?

デザイナーが仕事するにあたって一番最初に接することになるのがMD=マーチャンダイザーです。
商品構成や生産枚数の計画、様々な数値管理をするのがMDの仕事です。デザイナーはMDからデザインすべきアイテムを渡される立場にあります。
デザインの目的を理解するには、その背景にある数字が何なのかを知っておくとスムーズに仕事ができるようになります。

また、新たにブランドを立ち上げるにあたっては、このMDの仕事に大きく関係している数値管理がブランドを運営するにあたって非常に重要になってきますので、これから自分のブランドを運営したいという方には是非ご覧いただきたい内容です。

MDセミナーについてはアパレルメーカーのAMBIDEXでMDを経験されたpaclaの縫う人こと廣瀬雄太さんにゲストとして登壇いただきました。

<廣瀬雄太@縫う人> 1987年 北海道出身
デザイナーになろう!と、札幌のファッション専門学校に2年通学。
在学中に「デザインするには設計図を分からないと!」と気付き、パターンを中心に勉強する。
新卒で株式会社アンビデックスにパタンナーとして採用。パタンナー1年半→生産管理1年半→生産と営業を並行して5年→MD3年…を経験。
・アパレル業界の大量新商品投入による在庫過多
・一方通行なオーバークオリティ商品
など、疑問に思う事が増えたことと、自分の仕事の理想と現実で悩み、
視野を広げて見ようと情報収集したところ、オールユアーズと出会い、今では公式共犯者に。
極小品番数で勝負、わかりやすく、コミュニケーションのできる服
という位置付けで ”pacla” という行動服を企画し、お届けしています。
現在はパタンナーや生産のスキルを活かし、衣服生産プラットフォームの会社で受注生産サービスのテクニカルセールスをしています。

廣瀬さんのもっと詳しいプロフィールは下記の記事をご覧ください。

MDとは、ブランドが健全に運営されるための定量的な道筋を立てる人

「MDになりたい」と言う方のほとんどは、MDはブランドのディレクターだと思っていて、本当はアパレルにおける数値管理をする仕事で、数字によってブランドの組み立てをしているということを知りません。
MDはブランドの売上や客数、回転率、セット率、客単価など、売上に紐づく全ての数(係数)を表にして管理します。

各店舗ごとの目標(予算)はMDが立て、それを元に店舗を運営し、店舗からレポートとして吸い上げをします。
この吸い上げたデータを元にして年間の予算などを立て、それに基づいてデザイナーに落とし込むというサイクルです。

具体的にどんな計画をするの?

1)事業計画書
2)年間予算表
3)仕入れ計画
4)販売計画
5)トレンドマーケティングリサーチ
6)企画でやるべき型数を算出
7)デザイナーへメニュー表を依頼
8)企画の作戦会議
9)企画進行

MDが企画現場に依頼していくルートは上記の通り。
あまりにも濃い内容なので、このnoteでは3の仕入れ計画についてまでをお伝えします。何しろ、仕入れ計画がブランドにとって重要な項目となるからです。

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