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遅れた生理

仕事が忙しく、強いストレスを抱えながら迎えた3月18日。
本来なら生理が来てからの受診だった所を、3連休と被りそうだった為前倒して受診する事になったのだが、この時点でD28だった。
医師に「どう?生理きそうな感じある?」と聞かれるも、身体的には全くそんな気配はなかった。
生理前にはいつも何かしらの不調が現れるのだが、この時に限って言えば受診の2日前に3回目のコロナワクチンを打っていた為、微妙に副反応が残っていてわかり辛かった。

採血の結果を見て、医師は数値的に「明日来るね」と言っていたが、「万が一23日になっても生理が来なかったら計算間違いだから電話して」との事。

その後特に質問はなかったが、いよいよ移植に向けて動き始めるのだと思うと、不安よりも楽しみな気持ちの方が強かった。
医師にその話をすると、「不安だって言う人はいるけど楽しみだって言う人なかなかいないよ」と、変な奴だなと思ってるような顔で言われる。

不安が全くない訳ではない。だけど、この移植で妊娠出来るかも知れないし、何より自然妊娠だったら絶対に見ることが出来ない受精卵を見ることが出来る。
これは不妊治療をしている人だけの特権だと思う。
うまく行かずに何度も採卵、移植を繰り返していれば、そのうちきっとこんな気持ちではいられなくなるのだろう。

初めての事だから余計に、期待も入り混じって楽しみという気持ちの方が強かったのだと思うが、そんな私に医師は面倒臭そうな顔で「まぁね、楽しみに思っとく方がね、不安がってるよりはね」と、わかったからさっさと行けと言わんばかりに出口に向かって手を払った。

この医師は本当に思っている事が顔と態度に出る医師だと思う。
だけど、それを不快に思った事は一度もない。
物をはっきり言うし、一見冷たいように思えるかも知れないが、決して上からな発言はしないし、患者に対してとても真摯に向き合ってくれている事は話していればわかる。
それでも合う合わないは人によってあるとは思うが、少なくとも私はこの医師に全面的な信頼を寄せていた。

3月18日の受診から4日…19日には生理が来るであろうという医師の見立ては外れていた。
確認したい事があり、22日の午前中にクリニックへ電話をかける。

・生理が3連休に被りそうだったので前倒しで18日に受診した事
・受診時採血したホルモンの数値から、19日には生理が来るだろうとの見立てだったが22日になった今も生理が来ない
・医師は「23日になっても生理が来なかったら電話ちょうだい」と言っていたが、その時処方された膣錠の使用が22日からと指定されており、生理が来ていなくても使用するのか

医師が診察中ですぐ対応できず、1時間後にかけ直して下さいとはなったが、次かけた時はすぐ直接医師に繋いでくれた。
何かに悩んでいたようで、電話越しに排卵がどうとかブツブツ言っていたが(聞き取れなかった)明日受診できる事を伝えると「じゃあ、お言葉に甘えてきて貰おうかな」と、急遽3月23日に受診する事に。

採血と内診の結果、前回(3月18日)のホルモン数値は生理が始まる前の数値ではなく、高温期に入る前の数値だった事がわかった。
高温期が始まる前と、終わりがけ(生理が始まる前)の数値は似通ったものになるらしく、18日の時点でD28。
採卵後の生理こそ早く来たものの、それ以外では私の生理周期が概ね30日で大きくズレる事もなかった為、普通に考えれば医師の見立てに間違いはなかったのだろうが、繁忙期で仕事に忙殺されていた私の身体はストレスでおかしくなっていたようだ。

次の診察は元々4月1日に入れてたよね。
丁度その頃生理来るんじゃないかな。
来ないとは思うけど、もし3月29日より前に生理がきたら電話ちょうだい?
薬はそのまま取っておいてね

という事で、今回の私の生理周期はまさかの40日超えとなる事に。
職場の上司には私が不妊治療の為クリニックに通っている事は伝えてあり、今どういう段階で何をしているか、例えばいつ頃採卵になりそうで、いつ頃移植になりそうか等、わかる範囲でのスケジュールは結構細かく報告していた。
私の不妊治療に関して上司は全く理解していなかっただろうし興味もなかったと思うが、そうやって予め今後に控えている予定を伝えていた事もあって、急遽クリニックを受診する事になって仕事を休みたいと言っても、余程の事がなければ休めないという事はなかった。

もちろん休みやすかったのは社員ではなくなったという事も関係していたとは思うが、元々社員として働いていた私はアルバイトになっても与えられる仕事量や仕事内容の責任の重さにさほど変わりはなかった為、逆に時短になった分忙しさは社員の時より増していた。

そして3月29日の夜、まさかの生理が来る。

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