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料理・写真を美しく魅せる『つまもの』『青かいしき』

徳島県上勝町は『つまもの』の産地です。
『つまもの』は日本料理に使われる飾りの葉っぱなどのことです。
葉っぱを商品として生産販売するので
『葉っぱビジネス』と呼ばれています。
葉っぱはたくさん収穫しても軽く、キレイなため
生産者(農家)は高齢の女性が多いことが特徴です。
女性の繊細さがパック詰めの際役立ち、見栄えの良い商品になるのも
女性に向いている仕事といえるでしょう。

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先人たちの知恵であった『つまもの』

料理の見た目の美しさ、季節を表現できる
葉っぱの『つまもの』ですが
先人たちは刺身の血抜き・回虫駆除・殺菌の役割を
葉っぱの性質に合わせて使っていました。

春 お造り

もちろん古代の人たちがとして使っていた名残りでもありますし
笹の葉などは殺菌力がありちまきや笹寿司としてまだまだ使われています。

そして、葉っぱの持つ『いわれ』です。
葉っぱの特徴や性質から意味が生まれています。

・南天の葉は『難を転じて福となす』

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・ウラジロは『共に白髪が生えるまで』

冬 柚子釜


・ゆずり葉は『親から子へ引き継ぐ・子孫繫栄』

などの意味があります。
おせち料理の食材の『いわれ』は有名です。

また、季節の変わり目の厄払いのために
葉っぱは使われてきました。
七夕・お盆・正月・節分・ひな祭り・端午の節句などです。
七夕の笹
節分のヒイラギ
端午の節句の葉菖蒲

日本文化の美しさ・奥深さを感じます。


料理に季節感を与える『つまもの』

日本料理の会席料理・懐石料理に欠かせない『つまもの』。
料理に季節感・華やかさ・動きを与えてくれます。

秋 いろり盛り2

料理人にとっては腕の見せ所の一つと言えるでしょう。

季節ごとにかわる『つまもの』ですが
上勝町では320種類以上の葉っぱを年間で出荷しています。
しかも季節を先取りして…。
ビニールハウス栽培で加温する場合もあります。

常緑の葉っぱでも出荷時期に合わせて葉をむしり
ねらい定めた時期がくるとキレイな葉っぱが出荷できるようにするなど
常に栽培管理されたものが商品になっています。

青もみじパック



美しくパッケージされた商品は
地域環境の特性、花木の特性を知り尽くした
農家の技術が光ります。


用途が広がる『つまもの』

日本料理以外にも写真撮影やショップのコーディネート用に
葉っぱが使われています。

特に昨今のSNSで情報をやり取りする機会が増え
写真の見栄えが重要さを占める割合が増えています。
特に季節感を表すのに葉っぱは欠かせません。
写真に撮りたいものの背景などに
葉っぱや花など植物の有無で見栄えが格段に違います。

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家庭でも季節の葉っぱを

新型コロナウイルスの影響で
『新しい生活様式』が発表となりました。
家庭で過ごすことが多くなった今
日本文化である
七夕・お盆・正月・節分・ひな祭り・端午の節句を楽しんだり
ご家庭の料理・お弁当を美しく見映えを良くしたり
葉っぱを取り入れる機会を増やし
季節を楽しむのも良いかもしれません。

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