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Column_s#3 学校だより①夢中


今回のテーマは、#学校だより
私がかつて学校だよりの巻頭言(注1)を担当した際の文章です。写真を削除した以外はほぼそのままをご紹介します。校務分掌(注2)の部長にあたると、どこかの月に学校だよりの巻頭言担当がまわってくることと思います。その際の一つの文例として参考にしてください。出だしの「具体的な事例」(ここでいうと、うちの子どもの話)の部分を何か別なネタにすること。そして、「話題の中心」(今回は校内研修の話)をご自身の担当内容に合わせること。その2つで、一つのオリジナルな巻頭言に転用することも可能です。

(注1) おたよりの一番はじめに掲載される文章のこと
(注2) 効率よく学校を運営していくために、担任などとは別に先生方に役割があります。例えば「行事」「生活」「研修」など。その役割分担のことを「校務分掌(こうむぶんしょう)」と言います。


「夢中」で取り組む・「夢中」を支える


 我が家には4歳と1歳の子どもがいますが、上の子が最近保育園で独楽(こま)をよくやっているそうです。話を聞いてみると、「独楽」「ポックリ」「縄跳び(大波小波)」の3つの検定遊びがあり、できるようになると先生に「名人」と認定されるとのことでした。独楽は、ひもをきっちりと巻き、そのひもが緩まないように投げるのが難しく、なかなか成功しないようです。諦めて他の名人を目指すのかと思いながら様子をうかがっていると、できないのが悔しいらしく、連日保育園で独楽の練習をしていることを本人や保育園の先生から聞きました。独楽をやっていると聞いて2週間程経ったある日の夜「独楽名人になったよ!」という話を聞いたときは、独楽がまわせたこと以上にくじけずに挑戦できたことが嬉しく、子どもと一緒に喜びました。その成功のかげには、4歳の子ができるようにサポートしてくれた保育園の先生の存在も感じています。
 
 本校では今年度より「夢中」をキーワードにして、子どもたちがよりよく学習に取り組むために教員同士で一緒に授業の内容や進め方を話し合ったり、実際の授業を見合ったりする授業研究を行っています。子どもたちは意欲をもって取り組むことで、進んでノートに考えを書いたり、友達の発表と自分の考えを比べて聞いたり、一時間の学習をより深く学ぶことができます。

 右の写真(本稿では削除)は11月に1年1組で行われた授業研究の様子です。繰り下がりのあるひき算の習熟を目的とした一時間ですが、担任の先生は「答えが6になるひき算を作ろう!」と投げかけ、箱の中から数字カードをひいて式を作るというゲーム仕立てで授業を進めていきました。子どもたちは「6を作りたい!」「その数字じゃ答えは絶対6にならないよ!」「ひかれる数が7より大きかったらできるよ」と夢中になって考えを発表し、いろいろなひき算の計算に取り組むことができました。
 
 小学校では3年生になり音楽でリコーダーが始まりますが、初めの頃は一つの音をきれいに出すのにも苦労していたある子が先日、「新しい曲を吹きたいからドレミを教えてほしい」と楽譜と鉛筆をもって私のところに来ました。階名を教えるとその子は早速休み時間にもリコーダーを吹いていました。当初の姿からの変化を実感すると共に、嫌々吹いていたとしたらこのような大きな成長は実現しなかったことを思いました。「先生、吹けるようになったよ、聴いて!」という日が近い将来にきっと来るのだとその子のがんばりを励まし、見守っているところです。
 
 平成30年度より学習指導要領が改訂され、3年生から外国語活動が始まり5・6年生は英語という教科になります。新しい指導要領では、これからの社会を生きていく子どもたちには「何を学ぶか」という知識以上に「どうやって学ぶか」を大切にしていくことが強調されています。子ども自身が学ぶ楽しさやよさを知り、目標をもって努力を続けていくことで大きな成果となって表れます。「~ができたよ!」「今〇〇をがんばっているの」「家庭学習で苦手な漢字の勉強しようかな」…そのような子どもたちの「夢中」を学校と家庭が連携し支えていけるよう、今後とも御支援御協力をよろしくお願い致します。
                   (2017年2月)


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