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あなたは交渉が出来ていますか?(傾聴と交渉の関係 後編)

昨日に続いて、傾聴と交渉の関係について後編を書いていきます。
交渉が必要になるのは、自分の気持ちと相手の気持ちが違っている時。
傾聴を前提に、自分の気持ちに気付きそれを伝え、相手の気持ちをわかろうとしながら、折り合いをつけていくことです。
自分と相手の気持ちの違いをどのように見ていくかを記してみます。

遠慮しないで工夫して伝える

自分の気持ちをセルフ傾聴で明確にし、それを相手にどのように伝えるか。
私たちは(日本人は特に)自分と違う相手の意見を目の前にした時、ついつい言わないでフタをすることが多いのではないでしょうか。

自分は相手と意見が違うなぁとご自身で感じられた時、遠慮しないで言葉を工夫して伝えていくことをします。

自分と相手の存在はいつも平等です。
それを心に持っておいてくださいね。

NO!を自分が傷つかない言葉で表現する

「NO!が一番言いづらい」と傾聴の勉強をする中で学びました。
確かに、過去はNOは中々言えない私でした。

「私はそれはイヤだ」
「私はそれは悲しい」
「私はそう言われるとツライ」

など、表現は色々あると思います。
たくさんの言葉があると思いますが、この言葉選びは「発した自分が傷つかない言葉」を選んでくださいね。

言葉を選ばないと自分自身が傷つくことがあります。
相手が傷つくかどうかは相手にしかわからないこと。
同じ言葉を言われても、傷つく人と傷つかない人がいるのでね。

基準は「それがあなた自身を本当に表していて、本当に自分にOKが出せる言葉かどうか」

練習が必要です

今まで自分を抑えて、言いたいことを我慢しながら生きて来た人は、自分の気持ちを表現してこなかったので、つい抑える方を選んでしまいがちです。

だけど、表現してみないと、工夫ができなかったり、ある意味上達することがないのです。
これを日ごろから練習していく。

言いたいことを言ってみたけど、うまく伝えられなかった…
これはよくあることだと思います。

今までやって来なかったから、もちろんヘタクソなんです。
だって抑えることしかやっていないのですから。

人生経験は豊富であっても、この伝えることがうまくできない。
例えば自転車に乗るのも、英語が喋れるようになるのも、初めはうまくできないですよね。
それと全く同じです。
やったことがないことは、最初からうまくいくわけがないのです。
だけど、まず言葉に出してみる。

そこから練習を積み重ねているうちに、だんだん上達していきます。

今後こういう練習の場を作っていこうと思っています。

自分の領域と相手の領域

自分の領域に入り込まれて
「お前はこうしろ!」
と言われることがありませんか?

そして、自分を守る領域がわからないから
「そんなこと言わないでよ!」
と相手の領域に入ってしまいます。

こうしろ⇔するな

はどちらも相手の領域に入ってしまっているんですね。

それを、自分の領域の境界線でピタッと止めてみる。
交渉の仕方を知って練習していくのです。

「お前はこうしろ!」
「そんな風に言われると私はすごく悲しい」

これが自分の領域でピタッと止めている感覚です。
ただ自分の思いを伝えているだけなので。

これを相手が自分の領域に入って来た時に言える状態を作っておくのです。

私自身、毎日のセルフ傾聴の成果によって、夫にこれを言えたことがありました。
今までとは違う、自分の思いを伝えることができたのです!

これが交渉の始まり。
言えた時は「ちゃんと言えた!」と自分をとてもほめました。

今までと違う反応をしたから、夫もびっくりしていました。
だけど、その後しっかり夫の話を聴いて夫の気持ちも理解できたのです。
まだまだ今も練習中ですけどね。

自尊心を取り戻す

例えばモラハラの夫がいたとします。
みんなで集まって飲んでいる席で「お前のそのやり方はなんだ!」と妻に怒鳴ったとします。

夫がやりたいことは、こいつは俺の言うことを聞くんだ、俺がこいつを従えているんだと周りに向けて発信している。
これがモラハラだということに本人は気付いていないんですよね。

モラハラが怖いのは、妻の自尊心が摘まれていくんですね。
こういうことが日常に起こっていたら「私はダメな人間なんだ…」と思わざるを得ない状況になってきます。

同じようなことは、親子関係でもありますよね。

子どもの時からずっと浴びせられる言葉は、その子どもの自尊心に大きな影響を与えます。
子どもの時は自分の力も発揮できないから、親の言うことを聞くしかないですし…ある意味生まれて初めての人間関係が親ですからね。

「力のある人の言うことを聞かなければいけない」
という思考に固まってしまうのです。

摘まれた自尊心を取り戻すために、自分の気持ちを伝える練習をおススメします。

まとめ

毎日浴びている言葉には、すごく大きなエネルギーがあるのです。

夫婦関係では夫や妻に、親子関係では子どもに。
あなたがあなたの周りの人にどんな言葉をかけているか、見直す機会になると幸いです。

そして、ずっと自分の領域に入って来られて、自分の気持ちを伝えられなかったあなたは、まず自分の気持ちに気づき、伝えることから初めてみませんか?
これが交渉の始まりです。



「あなたがあなたでいること、私が私でいること」をサポートするための活動に使わせていただきます。 自分を大切にする傾聴を全国に広めていきたいです。