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図らずとも、自分の弱点を知ることになった本|『頭の回転が速い人の話し方』
話すことは嫌いじゃない。
でも、何となく自分の話すことに満足できてはいない。
仕事に直結していて切実に悩んでる……とかではないけど、何か変えてみたくはある。
内容全てに共感できる訳ではないけど、著者である岡田斗司夫は話し方が上手いなぁ、と思うことが多々あった。
そしてこの方はこういうことを徹底的に言語化するので、読んでみたのが『頭の回転が速い人の話し方』だ。
本書は、決して「相手を言い負かす」ことを、解いた本ではない。
むしろ、その逆で自分が負けたフリをしてでも誰もが納得できる最適解を求める術を解いた本だ。
本書では会話術の基盤として、
ユニバーサルトーク+戦闘思考力
が必要だとしている。
どちらも著者独自の言葉だが、まずユニバーサルトークとは
ユニバーサル・トークということは、「誰にでもわかるように」が肝です。
としている。
コミュニケーションを家族型社交↔公共型社交に分け、必要に応じて伝える側が自分をコントロールしてアプローチするように解いている。
郷に入れば郷に従え。彼ら(※学生)とコミュニケーションを取りたかったら、タメ語で呼ばれたら、うれしそうにしてタメ語で返すのが正解です。それが彼らの家族型社交空間だからです。
ただ、基本的には公共型のコミュニケーションの方法を説くもので
ユニバーサル・トークが強みを発揮するのは、誰にでも通じることを目指した話し方・伝え方です。ブログやユーチューブなどで不特定多数の人に向けて、自分のやりたいことや、売りたいものを伝えるときの技法になります。
そして、戦闘思考力とは誰にでも伝わる話し方“ユニバーサルトーク”に加えて、その場に応じたインプットとアウトプットをハンドリングする方法である。
僕が体系化した戦闘思考力とは、「言い返し能力」に「分析能力」「考察能力」「発想能力」などを加味したものです。
そして、その戦闘思考力を形作る要素として
ハイパワーの思考力
どんな価値観にも合わせられる応用力
強く頼れる自己
としている。
更にハイパワーの思考力を発揮する為に3つのギアを使いこなすことが必要だとしている。
トップギア:頭の回転数(思考スピード)が早いが共感力が低い。
ミドルギア:頭の回転数(思考スピード)も共感力も中くらい。
ローギア:頭の回転数(思考スピード)が遅いが、共感力が強い。
面白いのは、それぞれのギアの習得方法や、ユニバーサルトーク+戦闘思考力の使い方を実例や実践方法を具体的に示していることである。
最終的にはそれをコントロールして
自分で考えるときはミドル。人と話すとき、相手の話を聞かなくてはいけないときはローに落とす。 で、いよいよプレゼンの現場とか、好きな人に自分の想いを伝えたいときというのは、ミドル、ロー、トップの3つのギアを意識して切り替える。これが戦闘思考力の核になる考え方です。そのうえで、どんな価値観にも合わせられる応用力、強く頼れる自己が必要となるのです。
“何となく”ではなく意識的に会話をする。
必要にかられている人も、そうでない人も、興味深く読める1冊です。
説明不要。オタキングの著書。
著者は岡田斗司夫
1958年大阪府生まれ。社会評論家。
1984年にアニメ制作会社ガイナックス設立後、東京大学非常勤講師に就任、作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。
2010年に「オタキングex」(現FREEex)を立ち上げる。
多くの出版物、You Tubeチャンネル、ニコニコ動画……と、とにかく目立つ方なので、あまり細かい紹介は不要かもしれませんね。
出版社はフォレスト出版
発売は2015年09月
自分の弱点がわかった本
個人的には、図らずも自分の弱点がわかった本でもありました。
あまり、緊張する質でも、人見知りする質でもなく、私は自分でどちらかといえばトップギアを使って空回りしているタイプだと思っていたのですが。
本書を読めば読むほど
……私は頭の回転が良いんじゃない。
どちらかといえば、ローギア寄りで、口の回転はともかく、多分、頭の回転は遅い。
私の「何となく満足できない」の正体は、瞬発的に答えを出す“トップギア”が弱いからじゃないだろうか。
そうなると、おそらく本書にある“ミニッツライナー”とかは良いトレーニングになるのかな。
ただ、流石に弱点だけあって、やれるか自信はないけど(笑)
もしも、私のように話し方に漠然と不満を持っていたら、この本は新しい発見があるかもしれません。
弱点を克服するとまではいかなくとも、知っているか否かでは随分違うと思うので。
ちなみ本書はKindle Unlimitedで読むことができます。
気になったら、是非。
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