「ヒットしたモノはすべて因数分解できる」|『それ、なんで流行ってるの?』
インサイトとは、広告・マーケティング業界で使われる用語で、クライアントに「最もよく効くツボ」であり、「見えない欲望」であり、「ブランドと生活者との関係に関する新しい見方」であり、いわゆる潜在的なニーズのことを指す。
著者である、原田曜平は博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー等を経て、現在はマーケティングアナリストとして活躍している。
その著者が具体的なヒット作を挙げ、何故それがヒットしたのかを紹介する。
例えば小学生を中心にヒットしたうんこドリル。
誰もが気づいていない、だけど、「それだ!」と言わせるような欲求(=インサイト)を突く。
さて、この“インサイト”を発見するにはどうしたらいいのか。
耳が痛い言葉だが、確かに「作れば売れる」時代はもう終わっている。
それが出来ている企業は僅かかもしれないが、「求めている商品を作る」ことが重要だ。
たとえ、それが作る側の美学に反していても。
物が溢れる現代で“良いものが売れる”は幻想に近い。
後半では、具体的なインサイトを聞き取る方法が記されている。
実際は、これが出来る人も企業も一握りかもしれない。
しかし、働く人間として、頭の片隅に入れておいて損はないんじゃないかな、という一冊です。
※この本はKindleUnlimitedで配信されています。
数々の流行語を生み出した著者の書籍
著者は 原田曜平。
前述の通り、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー等を経て、現在はマーケティングアナリストとして活躍している。
尚、2013年「さとり世代」
2014年「マイルドヤンキー」
がユーキャン新語・流行語大賞にノミネート。「伊達マスク」という言葉の生みの親でもあり、様々な流行語を作り出している。
「Z世代」は2021年のユーキャン「新語・流行語大賞」のトップ10に選出された。
出版社は ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売は 2017年12月
文系マーケターのお手本?
明日からすぐに使える内容か、と言ったら正直そうでもない。
ただ、後半のインサイトを引き出す手法は基本的な方法ではあるが、営業職の方でも参考になる部分はあると思う。
その手法としては、同じく有名なマーケターである森岡毅が
何かで「マーケターは文系が多い」と言っていたので(森岡毅は数字で詰めていくタイプ。でも「僕みたいなのは少数派です」みたいに言ってた)、今回の著者である原田曜平のようなタイプの方がマーケターとしては一般的なのかもしれない。
“複数の人から聞き取りをしてインサイトを引き出す”というのは、数字でパッと出て来るよりも漠然としていて、読んでいても頭に思い描き辛いところもあった。
しかし、数字はわかりやすい分、過去のデータから未来を推測する作業になってしまう部分もある。
“今あるニーズを掴む”には、やっぱりこういう方法の方が有効なのだろう。
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