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手にした力で弱者を救済できる人になるのだ。 王太子妃として、王妃として。|小説『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第5巻

公爵令嬢・クラウディアは、異母妹のフェルミナに嵌められ、王太子の婚約者候補から、娼婦にまで身を落とした。

流行病でこの世を去る……のかと思ったら、異母妹に出会う前まで時間を逆行する。

2度目の人生。

今度こそ、異母妹の思い通りにはさせない!

これまでの感想はこちら。

フェルミナとの決着やその他諸々の問題も一段落し、シルヴェスターとの婚約式を控えたクラウディア。

侍女に変装し、自身がトップを務める犯罪ギルド「ローズガーデン」の定期報告を受けに行った所で事件は起きる。

追ってから逃げる少年探偵・キールを助けようとして、自らも攫われてしまったのだ。

途中、侍女であるヘレンとも引き離され、クラウディアとキールが連れてこられたのは

「ようこそ、幸せの村へ。私は村長のウルテアです」
村長は四十代くらいの迫力のある美人だった。
藍色の長髪に黒い瞳は夜を宿しているようで、口元にあるホクロが魅惑的に映る。
他の村人同様ベージュのシャツを着ているが、惜しげもなく第二ボタンまで開けられており谷間が覗いていた。

『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第5巻

幸せの村、と言われる謎の場所。
そこには見張りも、拘束されることもなかった。

しかし、何かがおかしい。

「ディーさんが協力してくれるならとても心強いよ! もうわかってると思うけど、ぼくが調査していた集団っていうのが、この村のことね。正確には、点在している他の村も含めるんだけど」
村では薬を製造していることをキールが新たに教えてくれる。 
先ほど奥方が持って来た鎮痛薬がそれだ。
「他にも媚薬、洗脳薬が製造されて、裏市場に流されてる」
「何ですって!?」

『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第5巻

薬を製造しているという村。

親と別の場所で生活をする子どもたち。

そして、大人だけが参加する、謎の“儀式”……

クラウディアは村の謎を解き、無事に婚約式に間に合うのか――?


ちょっと毛色の変わった5巻

「僕はなんて運が悪いんだ!」が口癖の少年探偵・キールも出てきて、何だか名探偵コ●ンみたいなノリの第5巻。

これ、是非、北国良人さんのコミカライズで読みたいなぁ。(※2023-09-25現在コミックシーモアで1話無料です。)

あと、1人で戻ることになったヘレンが、クラウディアが攫われたことに取り乱すシーンがあったんだけど。

「お伝えするのが遅れて申し訳ありません」
「君に落ち度はない。悪いのは全てディーを連れ去った者たちだ」
ヴァージルが手の平に爪を食い込ませる勢いで拳を握る。
苦痛を耐える姿に、つい寄り添いたくなった。 (立場を弁えなさい)
相手がクラウディアなら、手を重ね、身を寄せて慰めた。
けれど彼はそれが許される相手ではない。

『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第5巻

え、これはフラグ?

そういえば、クラウディアの兄・ヴァージルに婚約者がいる、って話は出てこなかった気がするし、ヘレンだって元々は伯爵令嬢(没落したんだっけ?)。

無くはない線か。
にしては、全然甘い雰囲気はないけど(笑)。

枢機卿相手の話はまだまだ薄っすらと残したまま、伏線の回が続くのでしょうか。

シルヴェスターの正式な婚約者になり、協力者も増えて、地位も権力も掴みつつあるクラウディアが楽しみです。


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