それでも、ウクライナに〝正義の戦い〟を続けさせるのか|『ウクライナ戦争の嘘-米露中北の打算・野望・本音』
※戦争に関する内容の本なので、不快にさせてしまうことがあったらすいません。あくまで個人的な話ですのでご容赦ください。
戦争は残酷で残虐なビジネスである。
為政者が愛国心や、正義感で人々を煽り、その裏でソロバンを弾いているようなのが、私の戦争のイメージだ。
犠牲になる人と、利益を得る人が違う。
だからこそ、犠牲者を増やすな、と民意として主張することも大事な一方で、感情に引きずられることなく冷静に何が起きているかを把握することも大事だと思ってる。
この本はNHKワシントン支局長の経験を持つ外交ジャーナリスト・手嶋龍一と、外務省のラスプーチンと呼ばれる元外務省首席分析官であり在ロシア大使館に勤務していた経験のある佐藤優の、ロシアのウクライナ侵攻以降続く戦争に対する対談形式の書籍である。
ニュースでは語られない、それぞれの国の事情、文化、思惑の一端を知ることが出来る1冊。
専門家、と言える2人の共著
著者は 手嶋龍一
佐藤優
手嶋龍一さんは初めて読みましたが、佐藤優さんは過去に何冊か読んでいます。
最初は西原理恵子さんとの共著。
どれが最初だったかな…ナンバリングがないからわからない…
佐藤優って、誰?って状態で読みましたが。
今思えば、西原理恵子さんは割と知り合いとか、友達の為に共著を出したりする傾向のある方なので、この本もそうだったのかな、と。(とはいえ、佐藤優さんが出所してから作家として活動し始めてしばらく経ってるけど)
2人のテイスト違いすぎる(笑)。
しかもこの共著の出版社は新潮社。
中瀬ゆかりさんが絡んでるのか……?
その後、池上彰さんとの共著も読んでます。
何冊か読んでいますが、この本が1番印象的。
本職の人の情報収集の力は凄いな、と。
ちなみに、佐藤優さんの著作の1部はKindleUnlimitedでも読むことが出来ます。
出版社は 中央公論新社
掲載誌・レーベルは 中公新書ラクレ
発売 2023年06月
シリーズ本として『イスラエル戦争の嘘』がある。
とにかく、知っている人の話が聞きたかった。
ロシアがウクライナに侵攻して、戦争が始まって。
とにかく佐藤優さんの本が読みたかった。
佐藤優さんを信用している、というよりは私が彼しかロシアに関するスペシャリストを知らなかったからである。
少なくとも読んだことのある人の本なら、今までと論調が違えば察することが出来るかもしれないし、こういうタイミングは(コロナの時もそうだったけど)いたずらに不安を煽るような得体の知れない“専門家”が増えるのもわかっていたからだ。
大前提として、言うまでもなくこの戦争は他国に侵攻したロシアに非があることは明白なんですけど。
それを踏まえて。
私のこの戦争に関する疑問点は2つ。
1、何故、ウクライナはロシアと戦うことを選んだのか
2、何故、アメリカとNATOは武器を供与することを決めたのか
1、はロシアが侵攻してきたから、と言えばそこまでだが、それでも戦争になった当初のロシアとウクライナのGDPは10位と50位以下、とかなり差があった。
戦争にはお金がかかる。勿論、お金の有無やその他の力量をこれだけで計るのは浅はかかもしれないけど、単純に国力に差があるように思えた。
他国に助けを求めるものだと思っていたが、戦うことを選んでいた。
2、に関しては、私はてっきり諸外国は仲裁にはいるものだと思っていたからだ。
思惑があって侵攻してきたロシアと、今正に銃を突きつけられた状態のウクライナに「仲良くして」というのは無茶な話だ。
しかし、諸外国はそれを止めに入るのだと思っていた。実際はウクライナが戦うことを支持していた。
純粋に、なんて残酷な、と思った。
世界はウクライナの人たちを守るのではなく戦うことを支持するのか、と。
「話し合いで解決できる、なんて平和ボケしてる」と言われるかもしれない。
でも、当事者ではないからこそ出来ることはあると思っていた。
この本は、私の上記の問いに答えてくれている。
思った通りのこともあったし、知らなかったこともあった。
全てを鵜呑みにすることは出来ない。
そして、知識を元に今ある戦争を分析する、ということに嫌悪感を抱く人もいるかもしれない。
けれど、考える一助にはなると思う。
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