どんなに努力してもどうしようもないことがある|『もっと言ってはいけない』
“やればできる”
人は、本人が努力すれば困難を乗り越えることができる――
それは、本当だろうか。
(子どもがいる人は)自分の子どもを、もしく自分自身を見たとき、「そうであって欲しい」とは思っても、「そうである」と確信できるだろうか?
本書は、様々な研究の結果を踏まえながら、人間の人種や性別にある“知能の優劣” ――“人は、平等ではない”というタブーに深く切り込んでいく。
私たちは、本当に“平等”なのか?
開けてはいけない、パンドラの箱。禁忌だらけの1冊。
大ヒット作の2作目
著者は 橘玲
元宝島社の編集者で、作家。
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』が50万部を突破する大ヒット。(すいません、私は未読です)
本書はこの“言ってはいけない”シリーズの2作目。
ちなみにこのシリーズは現在3冊あり、最新作である『バカと無知―人間、この不都合な生きもの―』の感想はこちら。
出版社は 新潮社
掲載誌・レーベルは 新潮新書
発売は 2019年01月
子育ては、子どもを変えられるのか?
大前提として。
生まれ持ったもの(本人の力では変えられないもの)で差別されることは許されることではない。
しかし、この“生まれ持ったもの”を周りが正しく判断できなかったが故に生まれてしまう悲劇もある。
個人的に、本書で印象的だったのは、この、“ほとんどは遺伝子で決まってる”ということだ。
というのも、私には2人の子どもがいる。
上は男の子、下は女の子。
息子は読み書きの苦手な子だった。今も悩まない訳では無いが、小学校に入る前は「どう教えたら良いんだろう」と頭を悩ませた。
が、娘はこちらから、何も教えなくても勝手に文字を読み、書き出した。
逆もある。
息子は基本危ないことはしないし、勝手にそばを離れない。必要かもと思っていた、子供用のリードなんていらないじゃん!と思っていた。
しかし、娘はというと、すぐどこかへ行ってしまうし、とにかく物を口に入れる。
2人だけでは、サンプル数としては少なすぎるし、自信を持って言えないけど、これ、私の子育て関係あるのか? と漠然と思っていた。
努力すれば変えられる、と思いたくなることが無いわけではない。
しかし、“子育ての影響は少ない”
この内容は、本当はたくさんの母親が求めている言葉ではないのか、とも思う。
この他にも「同性愛はなぜ自然選択されたのか?」「白人と黒人のIQの違い」「セロトニンとうつ病」など、気になるが、誰かを傷つけてしまうかもしれない、センシティブな内容が目白押しだ。
しかし、ひょっとしたら「あなたのせいではない」と少しだけ、あなたの肩を軽くしてくれる本になるかもしれない。
この記事が参加している募集
よろしければサポートをお願いします。