Webサービスが終わる時
入江シンゴです。MENTAというプログラミングのメンターサービスを運営しています。
宅ふぁいる便が2020年3月に終了するそうです。
昔は大きなファイルを送るといえば、「宅ふぁいる便で送りますね〜」が合言葉でした。ずいぶん使わせてもらったので、本当にありがたかったです。
お客さまに安心してお使いいただけるサービスを将来にわたって提供していくためには相当程度のシステムの再構築が必要であり、再構築に要する時間・費用等を踏まえ総合的に判断した結果、本サービスを終了させていただくことといたしました。
宅ふぁいる便は、2019年1月に不正アクセスにより、登録していたメールアドレス、パスワードが外部に漏洩しました。このことが直接の原因になったのだと思われます。
ATNDも2020年4月に終了します。こちらも「今後、顧客に満足してもらえるサービスの提供が困難という結論に至ったため」とのこと。
2019年にはYahooブログ、はてなダイアリー、Google+が終了しました。
どんな理由でサービスは終了する?
運用コストが増大したため
有名なサービスでもメールアドレスやパスワードが流出するニュースが後をたちません。
(平成30年に都道府県警察から警察庁に報告のあった不正アクセス行為)
年々、不正アクセスの被害は減っているものの、古いサービスほど穴が多い上にユーザー数が多く危険です。そのため、定期的なシステムの見直しや改修をせまられます。場合によっては作り変えるくらいの大きなものもあると思います。
日々の運用もしつつ、過去のソースコードをリファクタリングしていく。このコストが厳しいため、やむなく運用を終了するというケースが多いようです。
利益がでないため
長年つづけてきたけども、競合が多く、今後も増えていく見通しが立たないケースです。サービスを運用するには流出しないようにセキュリティ対策だったり、サポート対応などつづけているだけでコストが発生します。そのため見直しをおこない、他の事業にリソースを集中するために終了します。
終了したサービスがやること
利用ユーザーに対して移行先の案内だったり、補填の案内をします。あとは個人情報などのデータを終了後、きちんと破棄するなど、そういった不安にさせないための情報発信が必要です。
運営者としては利用者が1名でもいるかぎり続けてあげたい、というのが本音だと思います。もし可能ならば引き受けてくれる企業があれば一番いいのですが。
僕もこれまでに2-30個作ってきましたが、運用がむずかしくなったサービスは停止するようにしていました。動かし続けていることで不具合が起きる可能性がありますし、ユーザーさんに期待させてしまうからです。
昔はサービスをたくさん立ち上げて...と考えていましたが、実際に運用してみるとそれは難しいことがわかりました。運用コストもかかるし、なにより脳内のリソースも使います。常に気にしますから、マインドシェアを使ってしまうのですね。なので、ひとつのサービスを成功させるまで頑張る。が今理解していることです。
世の中の状況の変化によって、ニーズがなくなってしまうことがあります。立ち上げた当時はニーズがあって使ってくれたけど、別のサービスができたとか、それを使わなくてもよくなったとか、いろいろです。
サービスがヒットする時というのは、その時のマーケットの状況次第というところが大きいので、時流が変わった時にサービスを改修したとしてもどうしようもないことがあります。悲しいですが。
僕もそうなる前に市場をつくる、くらいの気持ちで取り組んでいきたいと思います。
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