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2023年前期FW感想

 先行研究の意味を読み違えている部分もあったが、当時の自分が考えていたことの記録として残しておく。 ⓪全体の感想  はじめて生活保護担当の部署の方と話したが、ようやく行政も対人サービスなのだと実感することができた。支援者も様々な葛藤の中でたたかっているのだと思えた。 ①「生活保護にならずにすむように」  生活困窮者自立支援制度の説明をしてくださった面接担当の方から、「生活保護にならずに済むように」との発言があった。制度の趣旨として、困っているものの資産が多いなどの理由から

    • 奴雁

      社会政策関連学会協議会 「社会政策関連学会協議会シンポジウム 学術の役割を考える―学問と社会の関係を問い直すための知恵―」(2024/03/09) 感情に根差した語りと理論に根差した語りが入り混じる会でした(アジェンダ的に当然だと思いますし、その点を批判するつもりは毛頭ありません)。 研究者が政治の利害や資本の要請から逃れた独立した問題意識を持ち、政策の重点領域や市民の関心から取りこぼされたり、軽視ないし単純化して捉えられたりする傾向のある社会福祉政策などのアジェンダを拾

      • 解釈と信頼

        言葉が、その使用現場において何を託されているかをより精緻に汲み取る力を付けたい。 所属組織がとある大学と行なった調査分析の結果を報告するシンポジウムに参加した。その報告の中で、その組織内で普段使っている言葉が、大学との共同研究では大きく異なる扱いを受けていることに気づかされた。その言葉を使う意図についてモデレーターに質問してみると、政策提言を見据えて省庁が出している見解に引き寄せたこと、子どもにもわかりやすい言葉遣いを心掛けたことが大きな理由であることがわかった。この2点に

        • はじめての思索

          外的刺激の最小化された状況に置かれると、人間は内省に走るらしい。 コロナ禍真っ只中の夏、私は静寂に満ちた白昼のリビングで自分に問いを発する日々を過ごしていた。 教育、市民、弱さ、贈与、介入、真摯さ、対話、人間、哲学、コスモポリタン、感受性、物語、記号、脳。問いの反芻は思考の緻密さを増すのには役立ったが、自分の内的世界を充足するには至らなかった。 無為の自分に焦ることは久しくなかった。元々極度の内向型人間だったのだ。共感覚の影響か、小さい頃から私の内側は常に虹色だった。外部の

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