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初めて母にお金を借りた時のこと

16歳になる直前に母は家から出て行った。

父の会社が倒産して
家族7人、アパートでぎゅうぎゅうに暮らして
1年くらい経った時のことだった。
その後両親は離婚して、
程なくして私と父の2人暮らしが始まった。


その頃私が決めたのが
「なるべく自立しよう」だった。

親が離婚したから
突然貧乏になったから
だから仕方がない、不幸って誰が決めたんだ
なんのせいにもしない
やってやる 

バイトもしまくって
勉強もしっかりやって、毎日全力だった。
バイト先の店長が事情を知っていて
なるべく長い時間働かせてくれた。
帰ると23〜24時近く
そこから課題・復習・予習をして
睡眠時間は4時間程だった。

家庭の事情でバイトが忙しいから
成績が悪いとか
そんな言い訳したくなかったし
通訳になりたいという想いで
ここまで積み上げてきたものもあったから
負けない そう決めた。

父は定年直前に、自分の会社を失い
パートナーも失い
家族もバラバラで
目の前には学費が高い私立の学校に通う娘

どん底だったと思うが
一生懸命に育ててくれていた。
今日は奮発だー!って
たまに2人で食べた安いお肉の甘いすき焼きは思い出の味


その頃、母は裕福な暮らしをしていて
「苦労させてごめんね、お金送ろうか?」
とよく連絡をくれたのだが
頼るもの癪で癪で

今だったらね、もらえるものはもらって
今しかできないことをやって
楽しんじゃおうと思えるのだが
その頃は
頼らないことでなんとか自分を保つ
別にいなくても平気だしを証明したい
そんな感じだった。


なるべく自分でやっていくんだと
今思い出すと高校の時に友達と遊んだのは
数えるほどで
それ以外はバイトに明け暮れていた。

私が遊べる時には友達が私の行きたいところ、
やりたいことでプランを立ててくれて、
しかもなるべく安く
私立の女子校でお嬢様が多かったのに
みんなの優しさは思い出すたびに泣けてくる・・


長くなってしまったけど
高校、専門と進み
お金だけでなく
心配をかけない、自分でやっていくぞ精神で
悩みなんかも母に話すこともなく


30歳になった。

ベビーマッサージの講師として長男が1歳の頃に開業し
その後ヘッドスパ、リフレなどなど色んな資格を取った。

もっと自由に活動したいなと思い
所属していた協会を辞めた。
辞めると同時に取った資格の技術は使ってはいけない決まりだったので
意味のないディプロマが残った。

その後カメラマンに転身し
自分の経験を活かしたいなと思っていた頃
起業コンサルタントの募集があって

どうしてもそれに行きたくて
でもなかなかの金額で
50万
しかも一括

どうしよう

ちょうどその頃
マンションを買い替えるタイミングで
現金を動かせないのもあり
当時の旦那さんにも相談できなくて

でもすごく学びたい

なんだかわからないけど
自分の中で猛烈に反応している

これ、本当にスルーしていいの?
辞めよう、行こうの葛藤

向いていないんじゃないかとか
辞める理由を探してみたり笑


あーーーーーーーーーーー

もういいや、決めた。
行く
もう悩むのめんどくさい

その場で申し込みのメールをした。
確か車の中だった。


「さてお金どうしようか」

もうこの人しかいない
母親に電話した。

初めてのことだから
ものすごく緊張した。

私「あの、どうしてもお金が必要で
 当たり前だけど
 必ず返すから
 3ヶ月以内に返すから50万円貸してもらえないかな?」

ちょっと無言の後に

母「あんたが頼ってくるなんて珍しい。
 よっぽどの事なんでしょ。用意するから」

何に使うかも聞かれなかった。

電話を切った後
よかったーーーーーーという安堵と同時に

3ヶ月って言っちゃったよーと
あわあわしていた。

自分で言ったのに
でも
自分にできると思ったから
口から出たんだと思う。

絶対に母親に頼りたくなかったのに
お金を頼るなんて絶対にしたくなかったのに
自分がどうしても進みたい道がそこにあって
頼れるのが母しかいなくて

頼った。

この現実を自分で作っているから

結局、私
お母さんに頼りたかった。甘えたかったんだと思う。


自分を生きるために
自分を活かすために
自分が本当に求める豊かさのために
学びはスタートした。

続く







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