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『十二人の死にたい子どもたち』

この映画は私に大きなインパクトを与えた。
ネットの評価は賛否両論であったが、私は大変いい映画であると感じた。


まず簡単に映画のあらすじを紹介しよう。

 "廃病院に集まった12人の子供たち、彼らの目的は安楽死をすること。
  しかし、彼らが集まった地下の一室では、いるはずのない13人目の少年が先に眠りについていた。
  自分たちの中に13人目を殺した犯人がいる可能性があり、このまま安楽死を実行すれば自分たち全員が犯人扱いされる恐れがある。
  このまま計画を実行すべきか、13人目の正体を解明すべきか。
  彼らはこの集いのルールである「全員一致」にのっとり議論を進めていく。"

あらすじからはミステリー映画やサスペンス映画のような印象を受けるだろう。
しかし、この映画の面白さはそこではない。
一人一人の背景や心境の変化にある。


集まった十二人はそれぞれ何かしら死にたい理由を持っている。
ここで特に私が興味を魅かれたものをひとつ紹介しよう。
ある少女は"口唇ヘルペスを患い、それが二度と治らないから"と語った。
「そんなことで!?」と思うだろう。
実際、作中でも同様の声が上がっていた。
周りの価値観でいくら小さくだらないことであろうと、彼女にとってそれは死を考えるくらい大きなことだった。


私は彼女の気持ちが理解できてしまった。
過去に自殺未遂をした経験があるから。
当時は本気で死にたいと考えていた。
だから理解できてしまったのだろう。
正直、今思えば当時なにでそんな追い込まれていたか分からない。
本当にくだらないことだったように感じる。
でも、当時の私にとってはそれが全てで、追い込まれるには十分だった。
だから、彼女の気持ちを理解できたし、小さいくだらないことでも理由としては十分だと思ってしまった。


最後の結末も私としては納得できるものだった。
全員納得しての終わり。
集まった十二人が"死のうとした"という似た経験を通して仲間になった。
違う出会い方をしたら友達にもならなかった関係だろう。
それが仲間になって終わったのだ。
私としては大満足である。
彼ら・彼女らは何でも話し合える関係になったことで、これからも支え合うのだと想像してしまう。


私も仲間と呼べる存在に出会って救われている。
とあるアプリにて配信を始めて様々な人との出会いがあった。
遠く離れた人・年齢の異なる人など様々だ。
そんな様々な人との出会いの中から、共に価値観や考え方に共感できる仲間が増えた。
これといって悩みを相談したり、愚痴を言ったりするわけじゃない。
でも、気軽に話せるし、仲間が前に進んでいるから私も進む元気が湧いてくる。
そう思える人と彼ら・彼女らは出会えたのだと考えてしまった。


この内容を読んで『十二人の死にたい子どもたち』をみたいと思った方は是非。
PrimeVideoやd-TVなどにもあったと記憶しています。
そして、あなたがどのように感じたのかもコメント頂ければ嬉しいです。

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