キスをするときの息遣いに混ざる

湿った白がすきだ

耳のすぐ上

絡む襤褸切れのような夜を

幾つもの縦線が入った爪が

何かを探すようにかき混ぜる

愛を噛む歯ざわりは切ない

絵画が淡く灰色がかる

首すじに肩が

わき腹に腿が

生き物の境界が擦れる度に

わたしたち、輪郭を亡っていく

目は、もう開けなくていい

ここにいるのだ

息継ぎも、できないほどに

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