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うつくしが丘の不幸の家 / 町田そのこ

amazonでもレビューが良かったし、前に読んだ「52ヘルツのクジラたち」も面白かったから、期待していたのだけど、なんていうか、私的にはイマイチだったかなー。。

現在からどんどん、時代が遡って行って、前の住民の残していった何かがちょっとずつ引き継がれて、っていう構造は面白かったけど、なんていうのかなー、、
5章あるんだけど、そのすべての主人公の考え方の癖みたいなのに、ちいとも共感できなかったからかな、、、

以下、ネタバレ。
まず、一番最初の書き出しが

わたしのしあわせは、いつだって誰かにミソをつけられる。

なのだけど、そんな馬鹿な、と。
そんなセルフトーク、嫌すぎる。
それに、そういうこともあるかもしれないけれども、「いつだって」な訳ない。
こんなセルフトークしてたら、たとえ、ミソをつけられないしあわせがあったとしても、忘れちゃう。
なんか、随所にこの類いの考え方が出てくるんだよな。
嫁に、義両親といい関係作ってくれ、みたいな、あの感じも気持ち悪い。
・・・もしかして、全部の章で義理の親、出てくるか??
5章以外、全部出てきてるな。。。

それと、2章では長男が特別に扱われる旦那の実家とモラハラ旦那と高校生で彼女を妊娠させる息子
3章では、整形してキャバクラで働いて、男に結婚詐欺で身ぐるみはがされた女性と、鬼男尊女卑の旦那の家で暮らしていて、男の子を生めないっていうので家を追い出される女性とその娘の三人暮らし
4章では、男性不妊で不妊治療をしている夫婦で、10歳年下の嫁に旦那から離婚を迫るのだけど、その嫁が義実家に逃げ込む話
5章では、おぼこい女の子が嘘つき金無しDV男に騙される話
・・・もちろん、こんなまとめも視点次第なのだけど、基本的に、男性に搾取されている女性が立て続けに出てきてて、なんか、イライラするんだよなー。。
しかも、主人公になっている女性の自己肯定感が異様に低い。
5章の
『まあ、わたしの人生なんてこんなもんなのかもなぁ』
も、本当に腹が立つ。
自分の正当な権利を、きちんと主張しなよ、っていう。

でも、考えてみたら、「52ヘルツのクジラたち」も、勤めてる会社の社長の息子に、二号さんにされそうになったところからの不幸だった。

そして、町田そのこさんのプロフィール見たら、高卒で母から勧められて理容師専門学校に行っていたり、20代半ばで専業主婦になっていたり。
自分で自分をうまく評価できない時期があった、とか、そういう感じなのかなぁ。
wikipediaがどこまで本当かも分からんけど。
まぁ、最終的にはみんな、前向きに再生していくから、そこに共感があったりもするのかもだけど、私は、うーん、、、と思ったのだった。

そして、ちゃんと栞が無いので、手近にあった白い紙を栞に使っていたのだけど、下の子に
「なんで尿検査の注意書きを栞にしてるの?」
と指摘され。
気づいてなかったわーw

(追記)
町田そのこさん、28歳までは、結婚して、子供を産んで、流されるように生きてきたのだ、と。

で、私、なるほど、今まで、少々流れに逆らいながら生きてきていて、強くなるはずだわ、と笑
あと、たとえ小説家になれなくても「満足」という話。
私も、そりゃ、noteの書籍化とかされれば嬉しいけれども、そもそも、一定のテーマが無いnoteだし、本当に、旅をして、新しいものを見て、それを書き記すことができれば、それだけで全然幸せ。

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