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命を奪う土砂災害…その土地の歴史を見つめよう

山形県鶴岡市で、とんでもない災害が起こりました。
行方不明だったお二人は、見つかったものの、命を落としたようです。

大晦日の朝に突然発生した災害に、為す術もなかったことと察します。

もともと土砂災害警戒区域に指定されていたようですし、むき出しになった赤土から見ると、崩れやすい危険な地形だったことがうかがえます。

とは言え、降雨や降雪のないときに、突然崩れるというのは、どうしょうもない事態とも言え、恐ろしいことです。

ひとえに、土砂災害と言っても、大きく3種類に分かれます。

①崖崩れ
②土石流
③地すべり
です。

①崖崩れと③地すべりの違いが難しいのですが、
前兆現象もなく、突然崩れたことから、今回のものは、①崖崩れに分類されるでしょう。


順に少しだけ解説してみます。

②土石流は、谷地形になっている箇所で起こります。水の流れとともに、大規模に発生するもので、そのエネルギーや影響範囲はとてつもないです。場所によっては、2階などへの垂直避難でも助かりません。堅牢な建物でも、建物ごと流されます。避難した方が良いです。


③地すべりは、ゆっくりと動くことが特徴で、特に地下水の影響があると言われています。
過去に崩れた所は再び崩れやすいと言われていて、特に、『馬蹄形』という、馬の蹄(ひづめ)のような、逆U字に窪んでいる土地は要注意です。
過去に滑ったことがあります。


今回の災害は、①崖崩れだろうと見ています。

土砂災害はピンポイントで起こりますが、当然、その場所が危険です。
基本的には、傾斜がキツイということです。
長雨じゃなくても、短時間の強雨でバサッと崩れる場合や、今回のように、地盤が緩んでいて、ついに崩壊するという場合もあり、最も発生が予知しにくいと言って良いでしょう。

北九州での喫緊の課題でもありますが、竹が入ってしまっているような土地では、根の浅い竹が地盤を一気に滑らせたり、竹が生い茂ることで、地山を強くする樹木の成長を遮ったりします。
さらに恐ろしいのは、竹は競うように、高く高く伸びていきます。日光を求めて、高く、前にせり出すようにしてどんどん育ちます。
より負荷がかかって、崩れやすくなります。
竹が入ってくるのは、とても危険です。

山肌の構造は、『地盤』と『表土』の大きく2種類と考えて良いです。
地盤はとても硬い地層で、その上に乗っかる表土との間が滑ることが多いです。
今回の崩れ方もこんな感じかなと察します。

表土が滑り落ちないために、しっかりと地盤に固定されている必要があります。
その機能を果たすのが樹木です。

ただ、植林されたような樹木は、根付き方が浅く、その機能を果たしきれない場合が多いそうです。

『地山』(じやま)という言い方をしたりもしますが、そもそもの天然の山の状態と、人工的に手が加わっている土地なのかは、確認しておいた方が良いです。

その山や、土地の歴史をしっかりと見つめて、自分の身を守りましょう。

ハザードマップももちろん確認していただきたいですが、
ハザードマップは、現在の土地の角度や流量で計算しているにすぎません。
地質や過去からの経過を知っておいた方が良いですね。

地形や、過去の状態などは、国土地理院のページがオススメです。
ぜひご覧ください。


ぼくもそうですが、
本来の自然の姿をよく知ることなく、
すぐそこにある自然に気付くこともなく、生活している人は多いのかなと思います。

命だけは守る暮らしを。

そう願い、この記事を書いてみました。
少しでも話題にあげていただけると嬉しいです。


今日もご覧いただきありがとうございます。


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