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未来の種はしっかりと育まれている~深町「未来の種」講座〜

昨日の午後、北九州市若松区の深町市民センターで
『未来の種』講座を担当させていただきました。

全6回シリーズの、5回目で、次回がラストになるそうです。

この『未来の種』講座は、一昨年?から市内各地で実施されており、もう随分と担当をさせていただきました。
そのまちの子ども達が、まさに未来へと向かう種となっていくように、願いを込めた事業で、そのまちへの愛着を深めたり、みんなで一緒に活動に取組んでいく一連の事業です。

深町校区での未来の種事業は全6回のカリキュラムも、とても学び多くて充実したプログラムを企画されてきております。

このまちの歴史を教わったり、古い地図や写真を見せてもらったり、話を聞いたり、実際に行ってみたり、歩いてみたり。
また、このまちの伝統文化・お祭りである五平太ばやしという太鼓とお囃子の体験をさせていただいたり。
最終回には、みんなで「餅つき大会!」に一緒に参加するというものです。

今回の、第5回の、ぼくの担当は、講座・対話形式で、
地域って何だろう?まちって何だろう?どんなことができるんだろう?自分にできることは?というような、噛みしめていくような回です。

とてもテーマ設定がふわっとしているのですが、それでいて、とても自由度や発展性があるような気がします。


企画を検討・実践されている館長さんと電話にて打合せをします。
どんな進捗でしょうか?

それが・・・・
「子どもが3人しか集まってないんです・・・」


!!!(笑)


まぁ、良いじゃないっすか!!
人数の問題じゃないですよ!!!

ということで、ある意味、楽しみにして向かいました。

風が強くて、上手く撮れませんでした(笑)
「みんなでつくろう住みよいまち」


小学4年生の男の子3人組。

とっても元気いっぱい!!・・・ではなく(笑)
なんだか、おとなしい~(笑)
そして、野外活動などでもなく、会議室のなかでの回ですから、何だか退屈そう(笑)

とりあえずテーブルを囲んで、雑談から話を始めました。

人見知りもあったかな?口数の少ない3人でしたが、雑談からスタートして、これまでの活動のこととか、このまちのこととか、徐々に話をしていたら、段々と話をしてくれていきました。

最初は質問に対しても
「ん~、分からない」
「ん~、別に無い」というような回答も多かったんですが、
徐々に、徐々に、色んなことが響いていっていることを感じていきました。


予め、こういう展開も予想していたので(笑)
フリップを用意しておきまして、話題を展開していきました。


最初に話したこと。
自己紹介も兼ねて、名前のこと。

何でそんな名前になったの?って。
たったひとつしかない名前をお父さんやお母さんから付けてもらったんだねって。
どんな想いで、そのたったひとつを決めたんだろうね。かなり悩んだんだろうと思うよって。
3人ともが、名前の響きのステキな子でした。
きっと、生まれた赤ちゃんのその顔を見て、考えてきた名前を呼んでみて、その音の響きや、初めて見たその顔に、この名前だって決めたんだと思うよって。

じゃあ、苗字はどうだろう?
苗字もたったひとつしかない名前で、先祖代々、受け継いできた名前。
その名前に決めるにも理由があったはずだよねって。
地形や場所や、家柄によって、その名前を大昔の先祖たちから受け継いできたんだね。

まちの名前もそうなんだよ。
そのまちの、たったひとつしかない地名にも、何らかの意味が込められているはずだよって。


そんな、
『むかし、いま、これから』を考えていきましょう。

むかしから、ずっと繋がって、いままで続いている・繋がっていること。
また、それが、いまから、未来のこれからに向かって繋がっていくんだろうと思うよって。

むかしから、いまに、繋がっていること何がある?
って聞くと、「文化」、「五平太ばやし」、「自然」「水」「山や海」という回答がすぐに出てきて、とっても嬉しかったです。

このまちの地名や、みんなの苗字や、いま言ってくれたようなことが、ずっとこれまで繋がってきて、いまがある。
じゃあ、これからの未来に向けて、どうしよう?同じように繋げていくことが大切なんかな?
と問うと、「うん、そう思う」「未来にもつなげたい」そんな言葉をいただきました。

うんうん、スゴイ。
口数の少ない子たちで格好良くは表現しませんが、
これまでの経験や、4回の講座。家族や地域の人たちに囲まれて、少しずつですが、宝の原石が心の中に宿っているように感じます。


このまちには、『まちづくり憲章』が定められており、掲示されていました。
また、右上のロゴマークも、当時決められたそうです。
もちろん、オンリーワンのシンボルとなるこのマークにも、意味がこめられています。

このことにも触れ、
未来へとつなぐ気持ちで、この文章をつくったんだと思うし、まちに「ロゴ」があるのは初めてみました!!他の校区で見たことないよって話すと、
「ウチのまちは、シンボルマークがあるからスゴイ」って言ってくれる子もいました。

同様に、このまちの好きなところも思い思いに言っていただきました。

では、未来に向かって、ステキなこのまちを繋いでいくために、どうしたら良いんだろう?


お給料やお客さんから料金をもらいながらする仕事と、
みんなで力を貸し合いながらの活動もあるよね。

お祭りがイメージがわきやすそうだったので、お祭りの話題で展開していきました。

お祭りの準備や運営をするのに、とっても大変だと思うし、とっても多くの人たちが関わってくれているんだと思うんよね。
みんなお給料もらってやっているわけでもないのに、どんな想いで、関わってくれているんだろう?

「このまちのためにっていう想い?」
そうつぶやいてくれた子がいました。

うん、きっとそうだと思うよって。
みんな、お仕事でもないのに、子ども達や、このまちのためにっていう思いで、むかしからいまに、いまから未来に、繋げていくために、頑張ってくれてるんだろうと思うよ。

誰かが、そうやって頑張ってくれてるから、このまちが未来に向かって進んでいくんだろうと思うよって。


じゃあ、その「誰か」っていうのは誰のことなんだろう?
そう問うと
「全員で手伝ってすれば良い」って言ってくれた子がいました。
「みんなで取組む」って言ってくれた子がいました。
「やれる人がやれることをすれば良い」っって言ってくれた子がいました。

そうそう、
誰かがするだろう、じゃなくて、みんなでする。
得意なこと、できることをそれぞれがすると良いんだろうねって。

とっても当たり前のようなことなんだけど、
子ども達の口から、こういう発言が出てくることは、とても喜ばしいことなんだろうと思います。

じゃあ最後の質問ね。
「全員で」「みんなで」っていうなかには、キミも含まれているのかな?

「うん」
「ぼくも何かあったら手伝いたい」
「このまちの一員」
そんな言葉が出てきました。

少しずつ、絞り出すような会話が続きましたが、無理に言わせることもなく、素直な回答が聴き出せたように思います。

このまちの『未来の種』は、しっかりと温めて育っていて、これまで与えてきた水やエネルギーは、少しずつですが着実に蓄積されていっていることを感じました。


きっと、この子たちは、未来へとこのまちのことを繋いでいってくれる人材となっていってくれるんだろうと確信しています。
こういう経験をして、少なくとも、まちへの想いや視線をもって育っていってくれるんだろうなと思います。


振り返りのアンケート用紙を館長さんが配ると、受け取るやいなや、すごい勢いで書き始めました。
とっても心に響いたことがあるのかなと思いました。

また、シンボルマークも書いてみたら?と促すと、それぞれが上手に、マークを書いてくれました。自分たちのまちの象徴であり、誇りであることに気付きました。


『未来の種』講座も、いろんな形式があります。
参加人数のとっても多い地域もあります。


量ではなく、質的に、今回の講座は、とっても有意義な講座となりました。
ぼくの活動歴のなかでも、とても印象的な講座となったように思います。

表面的でなく、
子ども達の心の底に眠った、これまで得てきた感性を、引き出して、声にしてあげることができた。そんな手応えと充実感を得ています。

とっても素晴らしい講座となりました。

このまちの『未来の種』はしっかりと育まれています。
そんなステキなものを感じることができました。



今日もご覧いただきありがとうございます。


<1年前の”今日”の記事★>

いつも大活躍の、好きっちゃアカデミーメンバー!
どんどんと新規メンバーも増えて、世代交代しながらも、とっても頼もしい存在です。
いろんなまちに行き、そのまちの子ども達からすぐに慕われる、お兄ちゃんお姉ちゃんの存在。


<2年前の”今日”の記事★>

2年前も、1年前も、今日の記事も、
『想いが最も大きな人的資源』
これが一番重要な要素だと思います。






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